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真田広之インタビュー 明かしたくとも明かせない「LOST」 “犠牲”と愛の結末

全米で現在放送中のファイナル・シーズンを最後に、文字通りシリーズの終了を宣言している「LOST」。謎が謎を呼ぶ展開の結末に注目が集まる中、ファイナル・シーズンに出演する真田広之さんと製作総指揮のカールトン・キューズ氏が来日した。飛行機墜落事故の生存者たちが、謎の孤島でのサバイバルを余儀なくされる冒頭から始まった同シリーズ。アメリカのTVドラマに初めて出演した真田さんは、物語の鍵を握る“テンプルマスター”、道厳を演じている。

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「LOST ファイナル・シーズン」 真田広之
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全米で現在放送中のファイナル・シーズンを最後に、文字通りシリーズの終了を宣言している「LOST」。謎が謎を呼ぶ展開の結末に注目が集まる中、ファイナル・シーズンに出演する真田広之さんと製作総指揮のカールトン・キューズ氏が来日した。飛行機墜落事故の生存者たちが、謎の孤島でのサバイバルを余儀なくされる冒頭から始まった同シリーズ。アメリカのTVドラマに初めて出演した真田さんは、物語の鍵を握る“テンプルマスター”、道厳を演じている。

いまや世界を舞台に活躍する真田さんに、まずはアメリカのTVドラマへの出演に至った経緯を聞いた。
「アメリカのTVドラマというものに対し、少なからず恐怖心を抱いていたのは確かです。もちろん語学力の問題がありますし、日本で活動しているときにも、TVドラマに対して二の足を踏む部分が少しありました。でも、最近のTVドラマはクオリティが高く、2〜3時間の映画では描ききれないものを描く手段として確立されてきている。それに、世界中の人が目にするというポピュラリティの面においても、映画とTVドラマの垣根がなくなってきていますからね。このように自分自身の考えが変わってきたときにお話をいただいたので、迷わず飛び込むことができました」。

飛び込んだ撮影現場での思い出を、真田さんは「特別な体験でした」とふり返る。
『LOST』が特別なのかもしれませんが、映画と全く変わらない撮り方でした。インディペンデントの映画より、よほど時間とお金に恵まれていますしね。撮影監督から美術、照明に至るまで一流のスタッフが集まっている。現場で芝居をしているときに、『映画とは違うな』と感じたことは一度もありませんでした。初めてのTVドラマの現場でそういった経験ができたのは、ラッキーなことだったと思います」。

気になる道厳の役どころは、島の奥地に存在していた謎の男。島に戻ってきたジャックやケイトの前に現れ、彼らと深く関わるようになる。初登場シーンでは通訳の男性を従えて日本語を操る道厳だが、ジャックらとは徐々に英語で会話を交わす間柄に。「“日本語を話す役だから”とヒロ(真田さん)を引き入れて、その後で英語の台詞を増やすのが私たちの作戦でした(笑)」と冗談(実は本気だった?)を言うキューズ氏に、劇中で飛び交う日本語についての裏話を聞いた。
「残念ながら、日本語で脚本を書くほどの語学力が私たちにはありませんので(笑)、道厳の台詞は英語で書きました。その後、翻訳スタッフとヒロが話し合い、台詞を日本語に訳していったのです。ヒロは道厳というキャラクターに合った言い回しを作るのに大きな貢献をしてくれましたね」。

その甲斐あって、道厳の日本語に違和感はない。台詞の裏側に込めた思いを、真田さんが明かしてくれた。
「道厳はああいった風貌(武道家のような出で立ち)のキャラクターですから、ある程度の威厳が必要。かと言って、時代劇口調になり過ぎてもおかしいし、現代っぽ過ぎてもイメージに合わなくなる。その微妙なニュアンスを探る作業が必要でした。日本の視聴者が観て、『変だな』と感じる日本語は絶対に使いたくありませんし、それが僕の使命でもありますから」。

ちなみに、真田さんとキューズ氏にインタビューを行った2月8日の時点で、「いまはファイナル・シーズンの全18話中、15話目を撮影しているところです」とキューズ氏。一方、真田さんの撮影はすでに終了しているそうで、「僕の撮影は…『終わりました!』とだけ言っておきます(笑)」。道厳はどのような運命をたどるのだろうか…。

道厳に対する興味は尽きないところだが、ここでキューズ氏に「LOST」ファン最大の関心事のひとつ(?)について質問。ソーヤー、ジャック、ケイトの関係のゆくえは??
「それは言えません(笑)。ただ、彼ら3人にジュリエットを含めた壮大なロマンスのゆくえは、最終シーズンの大きな見どころのひとつですよ」。

「ファイナル・シーズンではいままで視聴者が抱いてきた大きな疑問に答えますし、登場人物それぞれの運命のゆくえも描きます」と断言するキューズ氏。「スピンオフや続編、映画化は考えていません。全米で5月に放送される最終話(2時間スペシャル)で物語を完結させるのが、私たちのやり方です」とも言う彼と真田さんに、「LOST」が投げかけるテーマについて最後に語ってもらった。まずは、「『LOST』には重要なテーマがふたつあります」とキューズ氏。
『LOST』のテーマは“贖罪”と“許し”。飛行機が墜落して島に降り立った時点から、登場人物全員に人生をやり直すチャンスが与えられたと言えます。私たちが日々の人生を生きている中でも、『あの瞬間をやり直すことができたら…』と思うことがありますよね? 『LOST』はそういった思いについて語った物語でもあるのです」。

そして、「うーん、言っていいのかな…(笑)」と口ごもりながらも、言葉を慎重に選んで答えようとする真田さん。
「“贖罪”と“許し”に加え、“犠牲”もシリーズを通して描かれるキーワードのひとつですね。人間は逆境に陥ったりしたときに本性を現すもの。例えば、シーズン4の最後でソーヤーがヘリコプターから飛び降りて島に戻ったのも“犠牲”のひとつです。そして、“犠牲”の根底には大きな愛がある。それも大きなテーマじゃないかな」。

「なんてね」と茶目っ気たっぷりに肩をすくめてみせたものの、かなり核心に触れる答えを披露してくれたらしき真田さん。その隣で「その通りだね」とニコニコするキューズ氏。「あー、危ない、危ない」と、まだ何か重要なことを言いたかったのにぐっと我慢した様子を漂わせながらインタビュールームを後にした真田さんの真意は? そして、最終で語られる“贖罪”“許し”“犠牲”とは? 大注目のフィナーレが明らかになる日まで、楽しみに待ちたい。



衣裳協力:HUGO/ヒューゴ ボス ジャパン株式会社
stylist:勝見宜人
hair&make:高村義彦(SOLO.FULLAHEAD.INC)

「LOST」ファイナル・シーズン放送情報
AXNにて5月、第1話をプレミア放送
初夏、日本独占初放送

公式サイト:http://axn.co.jp/lost/

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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