【シネマモード】2010年をふり返ってみれば…
ネタ切れと言われて久しいハリウッドをはじめ、原作モノが目立つ各国の映画業界。オリジナル脚本、原案をゼロから作り出せるクリエーターが少なくなったのか、2010年も主要な映画産出国では、小説、漫画、童話などの名作からのアダプテーションやTVドラマの映画版が目立った年でした。
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ネタ切れと言われて久しいハリウッドをはじめ、原作モノが目立つ各国の映画業界。オリジナル脚本、原案をゼロから作り出せるクリエーターが少なくなったのか、2010年も主要な映画産出国では、小説、漫画、童話などの名作からのアダプテーションやTVドラマの映画版が目立った年でした。
2010年に話題となった作品をちょっと上げてみると、『ハート・ロッカー』、『マイレージ、マイライフ』、『セックス・アンド・ザ・シティ2』、『トイ・ストーリー3』…。邦画となると、『悪人』、『告白』、『孤高のメス』、『東京島』、『大奥』などなど、いずれも魅力的な作品でしたが、やはりいわゆる“原作モノ”。その年のベストを選ぶとなると、ついオリジナリティを優先させてしまう私。原作と映画作品は別物であり、脚色にも技術やセンスが必要なのは分かっていますが、やはりゼロからものづくりをしていく方に、より凄味を感じてしまいます(『アダプテーション』あたりは別格ですが)。個人的な趣味の問題でしょうかね。
そんなわけで、自ら原案、脚本、監督を手がけ、ヒットに繋げることのできるクリストファー・ノーランは大好き。レオナルド・ディカプリオと渡辺謙が出演した『インセプション』でも、映画的な言語を駆使し、非常にオリジナリティ溢れる物語と映像を展開してくれました。「最近、面白い映画は?」、「おすすめは?」と尋ねられることの多い私ですが、この作品の公開時には『インセプション』と名前を挙げると「あ、観た観た!」という人が多かったのも印象的でした。複雑な多重構造を持つ物語でありながら、楽しめた人が多く、もう一度観て理解を深めたいと話す人がほとんどで、「わけが分からなかったよ(怒)」という反応はひとつもなし。複雑な物語であっても、観客の好奇心を信じ、興味をそそるストーリーテリングへと転換できるノーラン監督の力量は素晴らしいものです。そして、「どうせ観客はついてこられないだろう」という見下しや諦めがないクリーター魂も潔く、観客であるこちらとしても、存分に好奇心を働かせることのできた、ワクワクするような1作でした。
好奇心を刺激されたオリジナル作品としては、おなじみとなったマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』もお気に入りです。多くの権力者を敵に回し、時には身の危険を感じながらも、それでも自分を頼ってくれる社会的弱者のために作品を作り続けてきたと、インタビューで語ってくれたムーア監督。時にユーモアを交え、深刻な社会問題に切り込んでいく姿に、「何か大切なことを言いたいのなら、 それをチョコレートにくるみなさい」というビリー・ワイルダー監督の言葉を思い出しました。
もうひとつ、印象的だった作品が『オーケストラ!』。これは、実際にあった出来事にインスパイアされたものではありますが、ストーリー自体はオリジナル。やや荒削りな部分もありながら、心が感じられる作品。伝えたいメッセージを携え、それを語りたいという衝動に導かれるように、映画人としてのハートに忠実に造られた作品は、欠点を補ってあまりあるものとなりました。この映画も、観て良かったと思える、想像性豊かなものでした。
2010年をふり返ってみれば、特別なお気に入りとなったのは、作家性が強い独創性豊かな作品たち。観終わった後の、「ほう〜」という想いは、やはり未知の物語であればこそ。人間が持つ無限の想像力(創造力)の力をより実感させてもらうためにも、来年は、オリジナル作品がもっと増えてくれるよう願うばかりです。
『インセプション』Blu-ray&DVDセット
価格:3,980円(税込)
発売中
販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/dvd/
© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
『告白』DVD完全版
価格:4,935円(税込)
発売日:2011年1月28日(金)
発売・販売元:東宝
公式サイト:http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
© 2010「告白」製作委員会
『トイ・ストーリー3』ブルーレイ+DVDセット
価格:3,990円(税込)
発売中
発売・販売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公式サイト:http://www.disney.co.jp/toystory/
© Disney/Pixar
Mr.Potato Head(R) © Hasbro, Inc., Slinky(R) Dog © James Ind., Etch A
Sketch(R) © The Ohio Art Company, Toy Story © Disney/Pixar
2010年に話題となった作品をちょっと上げてみると、『ハート・ロッカー』、『マイレージ、マイライフ』、『セックス・アンド・ザ・シティ2』、『トイ・ストーリー3』…。邦画となると、『悪人』、『告白』、『孤高のメス』、『東京島』、『大奥』などなど、いずれも魅力的な作品でしたが、やはりいわゆる“原作モノ”。その年のベストを選ぶとなると、ついオリジナリティを優先させてしまう私。原作と映画作品は別物であり、脚色にも技術やセンスが必要なのは分かっていますが、やはりゼロからものづくりをしていく方に、より凄味を感じてしまいます(『アダプテーション』あたりは別格ですが)。個人的な趣味の問題でしょうかね。
そんなわけで、自ら原案、脚本、監督を手がけ、ヒットに繋げることのできるクリストファー・ノーランは大好き。レオナルド・ディカプリオと渡辺謙が出演した『インセプション』でも、映画的な言語を駆使し、非常にオリジナリティ溢れる物語と映像を展開してくれました。「最近、面白い映画は?」、「おすすめは?」と尋ねられることの多い私ですが、この作品の公開時には『インセプション』と名前を挙げると「あ、観た観た!」という人が多かったのも印象的でした。複雑な多重構造を持つ物語でありながら、楽しめた人が多く、もう一度観て理解を深めたいと話す人がほとんどで、「わけが分からなかったよ(怒)」という反応はひとつもなし。複雑な物語であっても、観客の好奇心を信じ、興味をそそるストーリーテリングへと転換できるノーラン監督の力量は素晴らしいものです。そして、「どうせ観客はついてこられないだろう」という見下しや諦めがないクリーター魂も潔く、観客であるこちらとしても、存分に好奇心を働かせることのできた、ワクワクするような1作でした。
好奇心を刺激されたオリジナル作品としては、おなじみとなったマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』もお気に入りです。多くの権力者を敵に回し、時には身の危険を感じながらも、それでも自分を頼ってくれる社会的弱者のために作品を作り続けてきたと、インタビューで語ってくれたムーア監督。時にユーモアを交え、深刻な社会問題に切り込んでいく姿に、「何か大切なことを言いたいのなら、 それをチョコレートにくるみなさい」というビリー・ワイルダー監督の言葉を思い出しました。
もうひとつ、印象的だった作品が『オーケストラ!』。これは、実際にあった出来事にインスパイアされたものではありますが、ストーリー自体はオリジナル。やや荒削りな部分もありながら、心が感じられる作品。伝えたいメッセージを携え、それを語りたいという衝動に導かれるように、映画人としてのハートに忠実に造られた作品は、欠点を補ってあまりあるものとなりました。この映画も、観て良かったと思える、想像性豊かなものでした。
2010年をふり返ってみれば、特別なお気に入りとなったのは、作家性が強い独創性豊かな作品たち。観終わった後の、「ほう〜」という想いは、やはり未知の物語であればこそ。人間が持つ無限の想像力(創造力)の力をより実感させてもらうためにも、来年は、オリジナル作品がもっと増えてくれるよう願うばかりです。
『インセプション』Blu-ray&DVDセット
価格:3,980円(税込)
発売中
販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/dvd/
© 2010 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved
『告白』DVD完全版
価格:4,935円(税込)
発売日:2011年1月28日(金)
発売・販売元:東宝
公式サイト:http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
© 2010「告白」製作委員会
『トイ・ストーリー3』ブルーレイ+DVDセット
価格:3,990円(税込)
発売中
発売・販売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公式サイト:http://www.disney.co.jp/toystory/
© Disney/Pixar
Mr.Potato Head(R) © Hasbro, Inc., Slinky(R) Dog © James Ind., Etch A
Sketch(R) © The Ohio Art Company, Toy Story © Disney/Pixar
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