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【美的アジア】韓国ビューティ、イ・ナヨンが意識する、「人として生きる」こと

直木賞を受賞した乃南アサ原作の人気小説「凍える牙」が韓国で映画化。演技派俳優ソン・ガンホと共に事件の謎に迫る新人女性刑事・ウニョンを演じた女優のイ・ナヨンが、シネマカフェだけの独占インタビューに応じてくれました。ウニョンに寄り添う言葉の数々、等身大の彼女の思いから、“女性の本当の美しさとは何か?”のヒントが見つかるかもしれません。「美的アジア」第1回目にふさわしいアジアのミューズ、イ・ナヨンの魅力に迫ります!

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直木賞を受賞した乃南アサ原作の人気小説「凍える牙」が韓国で映画化。演技派俳優ソン・ガンホと共に事件の謎に迫る新人女性刑事・ウニョンを演じた女優のイ・ナヨンが、シネマカフェだけの独占インタビューに応じてくれました。ウニョンに寄り添う言葉の数々、等身大の彼女の思いから、“女性の本当の美しさとは何か?”のヒントが見つかるかもしれません。「美的アジア」第1回目にふさわしいアジアのミューズ、イ・ナヨンの魅力に迫ります!

「“女性”“女優”という意識をもたず“人として生きる”ということ」

オダギリジョーと共演した映画『悲夢』では別れた男を憎む女性を、ドラマ「逃亡者 PLAN B」では物語の鍵となる謎の女性を果敢なアクションを繰り広げながら演じ、作品毎に様々な姿を見せてきたイ・ナヨン。今回の『凍える牙』も原作小説を読んでいたという彼女は、出演理由を「断る理由がどこにもなかったから」と語る。
「最初に依頼を受けたとき、引き受けない理由が見つからないぐらいたくさんの魅力がありました。役者の個性をよく引き出してくださるユ・ハ監督との仕事、個人的に待ちに待っていた(笑)ソン・ガンホさんとの共演、それだけでも理由は十分ですよね。そして何と言ってもこの映画は女性刑事がメインであること、さらに現実的でありながら感性的な部分が作品をひっぱっているという部分にも惹かれました」。

物語は、冴えない中年刑事サンギル(ソン・ガンホ)と新人刑事・ウニョンが、ソウルで起きた人体発火事件を担当する中で、事件の鍵を握る犬と狼の交配種“ウルフドック”の存在を突き止め、やがて狼犬に隠された哀しき真実が明かされる展開へと続く。「刑事」という男社会で、女性だからと不当な扱いを受け、耐えるウニョンの姿は、社会に生きる女性ならば少なからず共感する部分があるかもしれない。しかし、ナヨンは愛嬌も色気もない、バツイチのウニョンを演じる上で“女”であることを敢えて消したと言う。
「ウニョンはいろんな感情をかなり抑えている女性。男性社会である刑事の仕事においては確かに女性だから力の面でも、環境の面でも差別される部分はあるかもしれません。でも、それは性別を問わず、どんな社会でも人なら経験するかもしれない事だと思うんです。ですから『女性』とか『女優』というイメージを考えないように、“ウニョンという存在がただ映画の中に自然に染まっていてほしい”、そう願いながら演じていました」。

化粧もほとんどせず、ウニョンの着る服も「色を使わず、衣裳も刑事らしくない服にしたんです」と言い、劇中では容赦なく殴られたりとまさに“体当たり”演技を披露したナヨン。しかし、その姿が美しく見えるのは、性別を問わず「人として生きる姿を演じたい」と願う彼女の思いが込められているからなのかもしれない。ウニョンが狼犬・チルプンと1対1で対峙するシーンや、バイクでチルプンを追うクライマックスシーンは、犬でも狼でもないチルプンと、男社会の中で“外れた”人間であるウニョンが“ただそのものとして生きる”姿を描いた象徴的なシーン。
「チルプンは動物の社会で、ウニョンは男性社会でどちらにも属さない同じ寂しさや孤独を抱えている者同士。チルプンとの芝居は怖かったのでは? とよく言われるんですが、動物も人間も同じように心を開けば意外とすぐに通じるものがありますよね? 最初に出会った日から私たちはお互いに警戒していなかったので、撮影は問題なく過ごせました。チルプンの純粋さは人間にはなかなか持てないだろうということが伝わればいいなと思いながら演じていましたね。撮影エピソードですが、セット撮影では、暑さでチルプンの舌が出てしまうといけなかったので冷房を付けっ放しだったんです。その代わり俳優たちはみんな冬用のダウンパーカーを着なければならなかったんです(笑)」。

現在は次回作を検討中だというイ・ナヨン。日々のリラックス方法や美容方法も聞いてみると…?
「一つの作品が終わると、自分の性向と趣向など、ほんの少しではありますが変わったりするので、その都度合う方法でリラックスするようにしています。あるときは本をたくさん読んだり、あるときは外国語を集中して勉強したり、運動したり。映画を観たりすることでバランスを取ろうとしています。美容方法は…ありふれた答えかもしれないですが、日々のコンディションによって運動をしたりフェイスパックをしたり、水をたくさん飲んだりする程度ですかね(笑)」。

プロモーションはもちろん、プライベートでも日本によく来るという彼女は、日本のファッションやカルチャーへの興味も高いのだそう。
「日本のファッションと食べ物が好きなので、知人からお勧めの場所を聞いて訪ねてみたりします。好きな日本の作品もたくさんあるので少し困ってしまいますが(笑)、いまパッと思い出せるのは、本だと遠藤周作さんの『深い河』や村上春樹さんの『1Q84』。映画だと『歩いても 歩いても』、『菊次郎の夏』、『ゆれる』などが好きですね。『凍える牙』は日本の原作なので、日本の皆さんがどうご覧になってくださるか楽しみです。深くて静かな余韻を是非楽しんでいただければと思います」。

《text:Tomomi Kimura》

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