【シネマカフェ的海外ドラマvol.317】ドラマ俳優とブロードウェイの関係性/舞台「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」

海外ドラマ コラム

ブロードウェイ舞台版の主演アンドリュー・ラネルズ&映画版の主演ジョン・キャメロン・ミッチェル/「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」-(C) Getty Images
ブロードウェイ舞台版の主演アンドリュー・ラネルズ&映画版の主演ジョン・キャメロン・ミッチェル/「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」-(C) Getty Images 全 7 枚 拡大写真
海外ドラマでおなじみのスターたちが活躍する場は、海外ドラマの中だけにあらず! 映画の中で彼らを目にする機会が多いことからも、それがお分かりいただけると思います。さらに、彼らが活躍するのは、映画の中だけにもあらず! 今月は少し趣向を変え、海外ドラマ・スターとブロードウェイの関係に注目。海外ドラマファンにはおなじみの存在であり、ブロードウェイの舞台でも華麗なパフォーマンスを見せている2人のスターをピックアップし、その舞台レポートをお届けします。

1人目は、「New Normal おにゅ~な家族のカタチ」のブライアン役でお馴染み、10月日本初放送の注目ドラマ「GIRLS/ガールズ」にも出演しているアンドリュー・ラネルズ。N.Y.に暮らす20代女子の悲喜こもごもを描く「GIRLS/ガールズ」では主人公・ハンナの元カレにして、後に親友同士となるイライジャを演じているアンドリューが、8月からミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」に出演しています。

「ママと恋に落ちるまで」のニール・パトリック・ハリスが主演し、先頃のトニー賞で「主演男優賞」を受賞したことも話題の「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」ですが、現在はニールからアンドリューにバトンタッチ。

性転換手術を受けて男性から女性へと姿を変え、まだベルリンの壁があった頃の東ドイツから自由の国アメリカへと旅立ったロックシンガー、ヘドウィグをアンドリューが演じています。

手術のミスで股間に“アングリー・インチ(怒りの1インチ)”を残したヘドウィグが、いびつで波乱に富んだ人生と向き合いながらもがき、叫び、ありのままの自分にたどり着くまでの物語は、2001年の映画版でご存じの方も多いはず。その原点とも言うべき舞台は、バンドを組んで全米各地を回るヘドウィグが観客たちに自らの人生を語り聞かせ、歌い上げる形で進んでいきます。

カラフルさと寂れ具合を絶妙に融合させつつ、ヘドウィグの現在と過去の物語に誘うため練りに練られたセットも去ることながら、やはり注目すべきはスラッと長い脚で高いヒールを履きこなし、厚塗りのメイクとこってり衣装でヘドウィグになりきるアンドリューのパフォーマンス!

大ヒット舞台「ブック・オブ・モルモン」でも知られる彼ですから、歌声の素晴らしさは言わずもがな。美しくも激しいロックサウンドにのせて、ヘドウィグの様々な思いを吐露する様に痺れさせられっぱなしでした。

途中、観客との少々過激な絡みもあり、上目づかいでお下品なジョークを飛ばすのはもちろん、嬉々として口に含んだ水をピュ~ッと吹き出してみせたり、1人の観客の目の前(本当に目の前!)に降り立って腰を振りながら衣装のフリンジをヒラヒラさせる通称“カーウォッシュ”のパフォーマンスをしてみせたり。攻撃的だけれども、どこかキュートで、愛すべきヘドウィグがそこにいました。そして、クライマックスにヘドウィグが熱唱する「Midnight Radio」は号泣もの。興奮できて、笑えて、ギョッとできて、泣けて、心に突き刺さってくる素敵な時間が幕を閉じました。

そんなアンドリューの「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」は10月12日まで。10月16日からは「デクスター」のマイケル・C・ホールがヘドウィグを演じることになりました。マイケルもまたまた海外ドラマファンには馴染み深く、どんなヘドウィグになるか気になるところですね!

《text:Hikaru Watanabe》

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