【インタビュー】『私の少女』ぺ・ドゥナ、名子役に脱帽「私のほうが子どもっぽい」

韓流・華流 インタビュー

キム・セロン/『私の少女』 (C) 2014 MovieCOLLAGE and PINEHOUSE FILM, ALL RIGHTS RESERVED
キム・セロン/『私の少女』 (C) 2014 MovieCOLLAGE and PINEHOUSE FILM, ALL RIGHTS RESERVED 全 3 枚 拡大写真
是枝裕和監督の『空気人形』を始め、日本やハリウッドで精力的に活動するぺ・ドゥナと、『アジョシ』『冬の小鳥』の名子役キム・セロンが初共演する『私の少女』。ペ・ドゥナの2年ぶりとなる自国映画出演でも注目を集める本作から、主演の2人のインタビューが到着した。

『オアシス』『ポエトリー アグネスの詩』のイ・チャンドン監督がプロデューサーを努め、新進気鋭の女流監督チョン・ジュリの長編デビュー作となる本作。ある小さな港町に赴任した女性警察官と継父と暮らす少女との出会いから、社会の闇をえぐり出し、希望と再生に結びつけていく鮮烈で衝撃的な物語だ。

チョン・ジュリ監督のオリジナル脚本を読んで5分で出演を決めた、というぺ・ドゥナは、その理由について、「私は本を読んだりするときもそうなんですが、本の序章、初めの1行が人の心を掴むと思うんです。このシナリオも最初の1行、2行を読んだときになぜかそれを書かれた監督の芸術的な作家的な趣向が感じられて、すごく素敵だと思いました。シナリオが静かでありながらも、とても破格的で」と、ふり返る。

ハリウッドでも活躍する彼女は、当時、撮影のため外国にいたそうだが、「本当に5分でメッセージを送りました。『私にぜひやらせてください』と。それから、この映画にとても惹かれた理由の1つは、私自身『クラウド アトラス』『ジュピター』とは全く違う、地に足のついた人間の役をやりたかったからです」と明かし、壮大な世界観のSF超大作とはまた違う魅力を放つ、人間味ある物語が「心にすごく響いた」と話した。

本作で彼女が演じたのは、ある理由から小さな村の派出所に異動になった女性警察官・ヨンナム。その村で出会うのが、キム・セロン演じる孤独な少女・ドヒだ。「ドヒは母親に捨てられたり、家では虐待を受けていて、愛を求めている子どもなのだという感じがします。そしてヨンナムもまた、ドヒを通じて成長したと思います。ある種、ヨンナムにとってはドヒが女神のような存在だと言えるのではないでしょうか」と、意味深にその役柄を語るぺ・ドゥナ。

さらに、「ドヒとは感情を交換するシーンがたくさんありました。本当にセロンがドヒになりきって私を見て演技をするので、その本気を実際に感じました」と語り、共演のキム・セロンに称賛を送った。

2000年生まれ、「韓国のダコタ・ファニング」とも言われる“演技派”子役のキム・セロンは、デビュー作『冬の小鳥』で韓国俳優として史上最年少でカンヌ国際映画祭を経験、日本でも話題を呼んだウォンビンとの共演作『アジョシ』でも、強い印象を残した。

本作では、継父と祖母から虐待を受けている少女ドヒを演じたが、「まず、ドヒは感情の起伏がとても激しく、難しい子どもだと思いました。ドヒの行動は私にとっても理解が難しかったので、しっかりとドヒの立場を把握しようと努力しました」と、その真摯な役づくりを語る。踊りが好きなドヒのために練習もしたそうで、後半、埠頭で踊るシーンが「一番記憶に残っています」と話してくれた。

ペ・ドゥナとの共演には、「ドゥナさんは、いまでもとてもよく面倒を見てくれるのですが、撮影のときも自分のシーンでなくても私の撮影を見に来てくれて、ヨンナムとドヒの感情を合わせてくれました。現場でも本当にたくさん面倒見てくださいました」と話し、すっかり打ち解けていたようだ。

一方のペ・ドゥナも、キム・セロンとの共演は「とても楽しかった」そうで、「まだ若い子役でありながらも、とてもプロフェッショナル。子どもとは思えないくらい大人っぽいですし、もしかすると、私のほうが子どもっぽいです(笑)。撮影中は彼女の演技の上手さに何度も驚かされました」と話し、名子役の演技に舌を巻いていた様子だ。

また、チョン・ジュリ監督との仕事について、ペ・ドゥナは、「本当に物静かで怒らない監督です。私がポン・ジュノ監督と仕事をしたときも本当に怒らない監督だなぁと思っていましたが、チョン・ジュリ監督はそれ以上です(笑)。まさにこの映画のシナリオのような方」と話し、絶大な信頼を置いていたことを明かす。

だが、6週間で撮り終えたという撮影は過酷を極めたようで、「何しろ34時間連続撮影という、私の15年間の俳優人生で最長記録を出したんです」と笑顔を見せながら、「最後、浴室でのシーンだったのですが私は裸で浴室に15時間くらいいて、体中にアレルギーが出たことを思い出しました(笑)。34時間、目をあけたまま撮影できるんだと自分でも驚きました(笑)」とふり返り、プロ根性を見せつけた。

とはいえ、「作品を作っていく過程を心から楽しめて、本当に幸せでした」というほど、彼女にとって特別な作品となった本作。「私に初心を思い出させてくれた作品です。改めて韓国映画が好きになりました。誤解があるといけないのですが、それまで外国の映画が良かったと言っているわけではなくて、やはりこの仕事をしていると、ときには失望したり、傷ついたりもします。この作品はそんな私の治癒になった作品とも言えます」。

本作の演技で、ペ・ドゥナは『妻への家路』のコン・リーや『紙の月』の宮沢りえら錚々たるアジアのスター女優を抑え、第9回アジア・フィルム・アワードで「主演女優賞」を獲得。また、キム・セロンも青龍映画賞「新人女優賞」を受賞した。内外から高い評価を受ける2人の女優の熱演を、スクリーンでぜひ確かめてみてほしい。

『私の少女』は5月1日(金)よりユーロスペース、新宿武蔵野館(レイトショー)ほか全国にて公開。

《text:cinemacafe.net》

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