【美的アジア】70歳のおじいちゃんが初恋にドギマギ!『チャンス商会』

韓流・華流 コラム

『チャンス商会~初恋を探して~』 (C)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved
『チャンス商会~初恋を探して~』 (C)2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved 全 9 枚 拡大写真
チャン・ドンゴン&ウォンビン主演の『ブラザーフッド』や、オダギリジョーとチャン・ドンゴンが競演した『マイウェイ12,000キロの真実』など、戦争、歴史系を描く印象が強かったカン・ジェギュ監督が、最新作で「70歳のおじいちゃんのラブストーリー」を描くと聞いたとき、「意外! 一体どんな作品を!?」と楽しみにしていたのが、現在公開中の『チャンス商会~初恋を探して~』です。

韓国映画やドラマで描かれる“おじいちゃん”といったら「厳格で、いつも怒鳴っていて、近寄りがたい」、そんなイメージを抱いてしまいますが、本作でのおじいちゃん=ソンチルもその要素は健在。ですが、向かいに引っ越してきた女主人グンニムに淡い恋心を抱いた瞬間、まるでウブな少年のようにモジモジする姿はなんとも微笑ましく、ソンチルが長年勤務するチャンスマートの若社長や、町内仲間が、ソンチルの初デートを応援する姿は温かな交流として、私たちに優しい気持ちを届けてくれます。

劇中、老人カップルにデートのお手本を見せる高校生カップルに「EXO」のチャンヨルが出演しているのも見所のひとつ。本作がスクリーンデビューということで相当緊張して撮影に臨んだそうですが、草食系男子ながら大好きな彼女を守るために一生懸命な純情男子ミンソンを好演しています。

おじいちゃん&おばあちゃんカップルの淡い恋模様に一喜一憂しながらも、それだけで終わらないのがカン・ジェギュ流。一人暮しの老人の孤独、近づく死への不安も繊細に描かれていて、この映画が“老人のおとぎ話”だけではすまされない、リアルな一面も観る者に訴えかけます。

そして、ラストに近づいて明かされる衝撃の真実。「えっ!!」と驚くと同時に、あたたかな涙がこぼれてくるのは間違いないはず。ソンチルを思っての涙、彼を見守るすべての人達の優しさへの涙と、様々な感情を呼び起こしてくれることでしょう。

「家族」「絆」を描き続けてきたカン・ジェギュ監督の真骨頂。本作は、老若男女誰が見ても、いろんな気づきを与えてくれる作品。芸術の秋、「映画の秋」におすすめの1作です。

《text:Tomomi Kimura》

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