【インタビュー】サム・ヒューアン、たくましきスコットランド戦士を演じて

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「アウトランダー」サム・ヒューアン/photo:Nahoko Suzuki
「アウトランダー」サム・ヒューアン/photo:Nahoko Suzuki 全 12 枚 拡大写真
ダイアナ・ガバルドンのベストセラー小説を原作に、18世紀のスコットランドにタイムスリップしたヒロイン、クレアの数奇な運命を描く「アウトランダー」。今秋Blu-ray&DVDのリリースも予定されている同作のシーズン2突入を記念し、クレアと恋に落ちるスコットランド戦士ジェイミーを演じるサム・ヒューアンが来日した。

来日に合わせて開催されたファンイベントには、熱心な視聴者(特に女性!)の応募が殺到。演じる役柄共々、サム・ヒューアンは人気スターの仲間入りを果たした。何せサム演じるジェイミーは、好奇心旺盛で、肉体もたくましいスコットランド戦士。そんなジェイミーを演じるサム自身からも、役柄に通ずる魅力が感じられる。

「ジェイミーは良くも悪くもアクティブだから、やたら戦いに巻き込まれるんだ(笑)。でも、彼のそういった面が僕は嫌いじゃないし、演じるのが楽しい。スタントもほとんど自分でこなしているよ。馬に乗り、剣を持って戦うのは大変だけれど、いい気分だね。僕自身、体を動かすのは大好き。ここのところ少し怠けた生活を送っているから、撮影中に僕を鍛えてくれたパーソナルトレーナーには怒られちゃうだろうけどね(笑)」。

ジェイミーが、そしてサムが世の女性たちを夢中にさせるのは、もちろんアクティブな面からだけではない。劇中では、未来から来たクレアと18世紀を生きるジェイミーのロマンスが展開。未来の女性だけに進歩的で、知恵があり、意志も強固なクレアもさることながら、そんな彼女に偏見を抱かず、やがて秘密を知ってなお愛し抜くジェイミーが魅力的だ。

「ジェイミーはありのままのクレアを受け入れる器の大きい男。未来から来たことを告白され、不思議な状況を理解し切ることはできなくても、彼はクレアを信頼し、受け入れるんだ。シーズン1の前半で、ジェイミーは彼女が何か秘密を抱えていると気づきつつも、彼自身が秘密を抱えていることもあり、訳ありな者同士として互いを尊重し合う。そんな彼らを運命の2人と言っていいかどうかは分からないけど、僕は運命の瞬間というものを意識して演じたかった。怪我をして、手当てをしてもらい、パッと目が覚めてクレアと目が合ったとき、彼女こそが運命の相手だとジェイミーは思ったのだと思う」。

また、「ジェイミーのクレアに対する愛は高潔なもの」とも。2人の愛の軌跡に言及する。

「僕たちの生きる現代に、彼らのような無条件の愛があるかどうかは分からない。でも、理想に思う人は多いんじゃないかな。僕自身もそんな風に人を愛せたらいいなと思う。シーズン1でも、シーズン2でも、ジェイミーとクレアの前には様々な壁が立ちはだかる。いろいろなトラブルに巻き込まれ、いろいろな衝突が起こるんだ。けれど、2人は互いを無条件に愛しているから、試練を乗り越えてより強固な関係を築いていく。どんなに邪魔が入ろうとね。それってある意味、むしろモダンな関係と言えるんじゃないかな」。

「どんなに邪魔が入ろうと」。この一言で、シーズン1のクライマックスを思い起こした番組ファンは多いはず。イングランド軍の冷酷な将校であり、ジェイミーに異様な執着を見せる男・ランダルが、クレアとジェイミーの前に立ちはだかっていた。

「ジェイミーとランダルの関係は、意志の戦いとも言える。ジェイミーは強固な意志を持つ男だから、ランダルに屈したりはしないんだ。そのせいで、ランダルは自分の思い通りにできないジェイミーに固執する。彼は人を支配して操るのが好きだからね。シーズン1のクライマックスでは、そんな2人の関係が顕著になる。ジェイミーを支えているのがクレアへの愛だと知り、ランダルは彼の中のクレア像を壊そうとするんだ。でも、体を支配することはできても、心を支配することはできない。本当に壮大なバトルだと思うよ」。

さらに、ジェイミーとクレアの愛を揺るがすのは、ランダルだけではない。クレアが元いた世界で愛情を育んでいた夫であり、実はランダルの子孫にあたるフランクの存在も、クレアの心を引き裂く。

「よくできたストーリーだよね。僕たちのドラマは原作以上に、クレアがジェイミーを愛するように、夫であるフランクを愛していたのだとしっかり描いている。だからこそ、クレアはジェイミーへの愛とフランクへの愛の狭間でものすごい葛藤を抱えるんだ。実を言うと、シーズン2の第1話は、これまでジェイミーを応援してくれていた人も、フランクを応援したくなる内容になっている。困ったことにね(笑)」。

話の及んだシーズン2は、「よりスケールの大きい、緊迫した展開になる」とのこと。ジェイミーを演じ始めてから、すでに2シーズン。サム自身を取り巻く状況も激変した。

「2000年に演劇学校を卒業して以来、僕はずっと俳優として活動してきたのだけど、だからこそ俳優という仕事の不安定さも感じているんだ。どんなに素晴らしい作品に巡り合えても、それが永遠に続くわけじゃないからね。『アウトランダー』のような作品に出演できて、こうして東京に招いてもらえるのが毎年続けばいいけど、そういうわけにもいかないだろうし(笑)。だから、僕はどんな仕事をするときも、初心に返ることを忘れないようにしている。そして、自分自身に関して学ぶ機会だと捉えるようにしている。そうすることで、恵まれた立場にある自分と適度な距離を保つことができていると思うんだ」。

では、ジェイミーをあと何シーズン演じ続けたい? 最後にこう尋ねると、地に足のついた彼らしい答えが返ってきた。

「ジェイミーという男がどんな変化を遂げていくのか。それはもちろん原作を読めば分かることだけど、シーズン1と2だけを比べてみても彼は随分と変わった。だから、この先のジェイミー、そして自分が2~3年後、どうなるのかすごく楽しみなんだ。誰かに肩を叩かれて番組が終わるような状況は嫌だし、人気のあるうちに終わるのが理想だとは思うけど、できるだけ長く、変わりゆくジェイミーを演じ続けたいな」。

《text:Hikaru Watanabe/photo:Nahoko Suzuki》

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