【MOVIEブログ】2016東京国際映画祭 Day10&11

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<11月3日 (Day10)>
3日、木曜日。昨日(というかさっき)は、オールナイト上映を終えて、事務局戻って切り上げて、就寝6時半。2時間だけ寝て、8時半に起きて外へ。2時間でも寝られてよかった。そして、今年の映画祭で最高の天気だ! これは相当気持ちいい!

9時から、観客賞授賞式&上映会のリハーサル。メインのクロージングセレモニーとは別に、観客賞だけ最終日の午前中に別途セレモニーを実施するのが毎年の恒例。リハーサルを終えて、10時20分から本番。

観客賞は、『ダイ・ビューティフル』! 今年は最後数本で競ったものの、『ダイ・ビューティフル』が見事勝ち取った! みんなたいそう喜んでいて、僕は司会台の後ろで少し涙ぐんでしまった。良かった!

でも、やはり僕は最終日がイヤで、受賞できない作品が出てくることが悲しい。賞とはとても罪なもので、あくまでお祭り用のきまぐれな産物なのに、必要以上に重視されてしまう。でも、映画祭としても「さあ、どの作品が賞を取るでしょうか!?」と煽るし、そういう煽りが映画祭を盛り上げる要素になることも確か。もちろん受賞がきっかけで作品が大きく羽ばたくこともあるわけだし、やはり賞は必要かと思ったり、受賞者と一緒に喜ぶのも嬉しかったり、なかなか思いは複雑。

11時過ぎに事務局に戻り、お弁当。中華弁当の名店、喜山! 青椒肉絲弁当を美味しく頂く。そのあと席で少し仮眠。

13時から、クロージングセレモニーが行われるEXシアターに移動。本当に、クロージングを祝福するような素晴らしい天気。セレモニーに先立ち、作品ごとに写真を撮るため、会場に到着するゲストをスタジオに案内する。

14時から、セレモニー開始。次々と賞が決まっていく。「日本映画スプラッシュ」は『プールサイドマン』が受賞。3回目の映画祭出品となる渡辺紘文監督の、妥協せずに自身の表現を貫いてきた過去数年の姿を想起し、涙が止まらなくなってしまった…。疲労で精神が過敏になっているからという言い訳を自分にしているのだけど、本当に止まらなくて困った!

そして、もうひとつのハイライトが、『ダイ・ビューティフル』で主演男優賞を見事受賞したパオロ・バレステロスの登場。パオロは、最初の上映が終わってから、いったんフィリピンに帰国していたのだけど、僕らはクロージング直前に再来日を画策してみた。そして、どうせなら映画祭に引き続き滞在しているジュン=ロブレス・ラナ監督やプロデューサーたちにもサプライズにしようと、パオロの再来日を秘密裡に進め、今日も会場入りの時間が被らないようにするなど、両者が出会わないように気を付けた。

そして、見事男優賞受賞が発表され、『ダイ・ビューティフル』チームからは歓喜の声が上がる。「本人がいないので、代わって監督に受賞してもらいましょう」とのアナウンスで監督が登壇。そこで、「実は本人来ています!」と、舞台袖からパオロがジュリア・ロバーツ(映画を見ている人には分かりますね)のいでたちで登場し、壇上のジュン監督と客席のほかスタッフは驚愕の大歓声の大狂喜パニックで、サプライズ大成功!!

予想以上の大成功に、僕らスタッフも当然大泣き。いやあ、もう、大変。

ほかの受賞者の喜びも嬉しいし、「参加できたことが最大の喜び」と次々に声をかけてくれる受賞を逃した作品ゲストも素晴らし過ぎる。審査委員長のジャン=ジャック・ベネックス監督の総評もとても良かったし、過去数年で、僕個人としては最も良いクロージングになった気がする。

終了し、ロビーに出ると、「スプラッシュ」の審査員の深田晃司監督が声をかけてきたら、なぜかまた涙腺が緩んでしまい、醜態を晒してしまった。ああ、いかん。寝不足のせいにしよう。

受賞者は記者会見へ。僕は受賞しなかったゲストたちと会場の外で挨拶など立ち話。本当に天気がいいので、外の空気を吸いながら話が出来ることがとてもいい。初日が雨だったけど、最終日がこんな天気なら、そっちの方がいいね。

僕はいったん事務局にもどり、あまりの空腹に、昼の喜山の中華弁当と、夜の別弁当を、2個連続イッキ食い。これで持ち直したけど、逆に体が重くなる(分かっていることなのに)。

17時40分から、ワールドフォーカス部門『ザ・ティーチャー』のQ&Aへ。クロージング・セレモニーが終わったあとに、Q&A司会をするのは初めてのことで、とても妙な気分。終わったのに終わってないというか、最後におかわりをさせてもらったというか、不思議な感じ。

登壇すると、シネマズのスクリーン7が埋まっている。最後まで映画祭を楽しんでもらえているとしたら、これほど嬉しいことはない! Q&A終わって、知り合いとか、お客さんから声をかけられたのだけど、「ヤタベさん、目がショボショボだったし、椅子の上でモジモジしてたし、眠かったんでしょう?」と言われ、いえいえ決してそんなことはないです!!

事務局に戻ると、撤去の作業が始まっている。うう、もうそんな時間か。18時半から始まっているクロージング・パーティーに少しだけ顔を出してみる。ここでは、少し体力温存。

続いて、21時から、審査員や作品ゲスト招く、プライベートな打ち上げ的パーティーへ。ここで、ようやく僕もビール解禁で、乾杯。とはいえ、飲み過ぎてはいけない事情があるので、ほんの2杯くらいでガマン。3時間近く、コンペ、スプラッシュ、アジアの未来、そして審査員の方々と、日本語と英語のチャンポンでしゃべり続ける。ちょうどよい広さの店がちょうどよく埋まり、とても親密な空気に包まれた素晴らしいパーティーになった! 良いパーティーを作るのはとても難しいので、最終日の打ち上げがこのような形で実現できて、本当に嬉しい。来てくれたゲストはもちろん、準備から引率まで全てを仕切ってくれたゲスト・ホスピタリティ・チームのスタッフの面々に、心から感謝。

0時頃にお開きとなり、現在の臨時事務局を引き上げて、もとの事務局に戻るための、引っ越し作業開始。もうろうとしながら、片付ける。

1時に外に出て、同僚ふたりの3名で、ラーメンと餃子とビールで乾杯。「終わるんだねえ」というのがみんなの感想。本当に、ここまで来るのは本当に長い長い道のりで、一体終わる日が来るのだろうかとしょっちゅう思うのだけど、でも物事は終わるんですね。この不思議な感じは、スタッフみんなが共有しているのではないかな。どんなにハードでも、いつかは絶対終わる、というのがイベント仕事のいいところ。だからこそ、毎年続けていられるのかもしれない。

お店の席で、とてもぐったり、でもゆったり、という気持ちのよい時間を過ごして、えいやと外へ出る。まことに残念ながら、最終日だけど今年は深酒ができない。引き上げて、2時30分に寝る。

<11月4日 (Day11)>

4日、金曜日。世界中の気合いをかき集めて、5時15分に起床。3時間近くは寝られたか。寝坊が絶対に許されないので、昨夜は打ち上げビールも控えめにして、ともかく無事に起きられてひと安心。

泥のような体を引きずって、5時45分にJ-WAVEへ。どんなに疲れていようが、ジョン・カビラさんの番組への生出演依頼を断るわけにはいかないでしょう!

事前にディレクターさんと打ち合わせをするものの、「受賞結果の傾向などはありますか?」の質問に、全く頭が反応しないのが分かる。自分でもびっくりするくらい思考が停止している! なので、思考を経由せず、映画祭前から語っていた「傾向」に関する回答を、自分の中で再生し、機械的に説明してみる。

しかし、本番が始まってカビラさんとのトークになると、カビラさんのリードでスムーズに話をすることが出来て、何とか総括的なことを話せたのかな。5分くらいの短い時間だったけれど、ほとぼりの冷めないうちに話をする機会を頂くのは、本当にありがたい。

6時半に終わり、そこから作品ゲストが滞在するホテルへ向かい、帰国していくゲストたちのお見送り。コンペの各ゲストが断続的に帰っていくので、ホテルに待機して次々に別れを告げる一日。寂しいけれど、知り合えた喜びを再確認する一日でもある…。

7時から8時に数組見送ったあと、ホテルを移動し、コンペの審査員のお見送り。ジャン=ジャック・ベネックス監督とは昨日まで全然話が出来なかったので、審査のお礼と、そして昨日のクロージング・セレモニーにおける彼の総括スピーチに感動したことも伝える。僕がコンペで心掛けているセレクションのコンセプトについて、とても深い理解を示してくれたスピーチだった。そのコンセプトが必ずしも良いと言われているわけではないけれど(もちろんそれで構わない)、やろうとしていることを理解してくれて、それを言葉にしてくれた審査員長は、ベネックスが初めてだった。

なので、例年であれば作品ゲストの見送りを優先して、審査員の見送りはしたことがないのだけど、今年初めて審査員長であるベネックスの見送りに駆けつけた。長年審査員のアテンドを担当してくれているスタッフからも、ヤタベが見送りに来るなんて、と驚かれてしまった。でも、今年は本当にそういう気分になったのだよな。

また作品ゲストのホテルに戻ってお見送り、それからまた審査員のホテルに戻ってヴァレリオ・マスタンドレアさんのお見送り、そしてまた作品ゲストのホテルに戻って…、ということを1日中繰り返し、18時に終了。

あとは、明日1名を見送るばかりとなり、もうこれにて、今年の映画祭は終了といっていいでしょう。また、総括的なことはいずれ書こうと思いますが、いまは少しだけ休むことにします!

今年も、1ミリも体調を崩すことなく、完璧なコンディションで乗り切ることが出来て、天に感謝です。そして、作品を見に来てくれて、映画祭を盛り上げてくれた観客のみなさん、さらには、作品を作ってそれを届けてくれたゲストに、深く、深く感謝します。

ありがとうございました! そして、お疲れ様でした!!

《矢田部吉彦》

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