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【インタビュー】エズラ・ミラー、『ファンタビ』の強烈役づくりを激白!「映画は最高の魔法だから」

「レベリオ(現れよ)…」

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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(C) 2016 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C) JKR.
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(C) 2016 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C) JKR. 全 11 枚
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これまで、悪魔のような狂気で母親を崩壊させる美少年や、ドラッグまみれの暴走男子など、精神的に複雑なものを抱えた役柄も多かったが、あえてそうした役柄を選んでいるのだろうか?

「そうだね。僕は難しいと思える役を演じるのが好きだからね。僕は子どものころ、自分で『難しい挑戦があればあるほど良い』ってモットーにしていたくらいだから。そのモットーにいまも従っているんだ。それに、俳優として、人間の中に潜む幅広い可能性を探求してみることは面白いことだと思うからね」。

では、本作のクリーデンス役に対して、内面的にはどのような探求を行ったのだろう?

「今回はなるべくシンプルに、“愛されないで育ってきた”というのはどういうことなのかを考えてみようとしたんだ。それで、参考にしたのは、実際にクリーデンスのような経験をして育ってきた人たちに、会って話を聞くことだった。それによって、そのトラウマがその後の人生にどのように影響したのかを考えようとしたんだ。そして、それを体の動きでも表現しようとしたんだよね」と、エズラは応じる。

「今回すごくラッキーだったのは、素晴らしい振り付け師と仕事する機会に恵まれたこと。彼はロイヤルバレエの振り付けもするような人で、彼とのコラボレーションによって、このキャラクターの物語を、体の動きでも表現することができたと思うんだ」。

また、クリーデンスのようなキャラクターを演じることは、同じような経験をしてきた子どもたちや、若者たちの共感を呼ぶ場合もある。そのことについてエズラは、「昔は意識していなかったけど、いまは意識するようになった」と言う。そして、「クリーデンスに惹かれた理由は、自分の友達のことを思い出したからなんだ。中には、もう亡くなってしまった友達もいるけど…。中には、乗り越えた人もいる」と明かす。

「だけど、誰よりもそういう観客の心に届いているのは、J.K.ローリングの物語なんだよね」と彼は言う。確かに、ハリーは家族を失った孤児であり、伯父伯母の家ではつらい経験もして育ってきた。さらに、まだ明らかにはされていないが、本作のニュートも、過去に人間関係において、つらい出来事があったことがにおわされている。

「そういう人たちに向けて、そのトラウマからどのように向き合っていけばいいのかという道標を描いてくれている。それを人間関係を通して、友情を通して、どのように克服すればいいのかを描いてくれていると思うんだ。その不運を、どのように良い方向へ向ければいいのかをね…」。

最後に、これまでのキャリアにはなかった娯楽大作への挑戦についても聞いてみると、「この映画に出る前は、大作に関して、ステレオタイプな概念しか持っていなかった。これまで低予算映画にばかり出てきたからだと思うんだけどね。だから、サーカスのような撮影現場なんだろうなといつも想像していたんだ」と言う。「だけど、実際参加してみたら、結局は作っている作品に才能を可能な限り注ぐことは、どんなタイプの作品であっても可能なんだということが分かった。それは嬉しい驚きだったよ(笑)」。

さらに、「それから」と言葉をつなぎ、「今回の役柄は自分の限界に挑戦し、自分の能力の限界を知るような経験だった」とも語るエズラ。「それで今回学んだことは、虐待が、どれだけ世界に広がっているのかということかな」。

そう真摯な眼差しを向けるエズラは、俳優の傍ら、バンド活動を行っていることでも知られる。観客からの反応をすぐさま感じられる音楽と、キャスティングから公開まで長い期間を要する映画とは、まるで対極にも見えるが、彼は双方の活動に魅力を感じているようだ。

「長い間ひとつの役になりきるということ、巨大なコラボレーションをするということでは、映画にも素晴らしい部分がある。映画というのは、僕が知る限りで人間が実際にできる最高の魔法だと思うからね。ものすごいたくさんの人たちが集まって、何かを作り上げるためにそのエネルギーを集中させているわけだから」。

そう語る彼が次に見せてくれるのは、いったい、どんな“魔法”となるのだろうか…?
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《シネマカフェ編集部》

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