【MOVIE BLOG】女性のための官能映画:『甘い毒』

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『甘い毒』
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「“行きずりの恋”じゃなきゃ あんたとは寝なかったわ」

『甘い毒』
1994年/アメリカ/監督:ジョン・ダール/出演:リンダ・フィオレンティーノ ピーター・バーグ

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世の中の風潮に応じて、女性が観る官能映画にも流行があります。1970年代、女も自由に性を楽しんでも良いんだと世に知らしめる『エマニエル夫人』が大流行しました。1990年代、自立した強さは女性のエロスだと打ち出した『氷の微笑』が一世を風靡しました。その20年で何が変わったのか。シルヴィア・クリステル演じるエマニエル夫人は大金持ちの夫に導かれて性の冒険に出ましたが、シャロン・ストーン演じるキャサリンは自分の財力と意志で奔放な性生活を送ります。すなわち20年間で女は、“男に選ばれる”だけでなく“男を選ぶ”力を手に入れたのです。(どちらの映画も相手は男だけではございませんが。)そんな強い女がイケイケの90年代の流行にがっつり乗っかったのがこの『甘い毒』という映画です。

ニューヨークでキャリアウーマンとして働くブリジットは、夫で医師のクレイに治療用ドラッグの横流しをさせ、その対価である大金をひとりで持ち逃げしてしまう。ベストンという田舎町に逃げのびたブリジットはバーで純朴な青年マイクと出会い、一夜のホテル代わりにベッドを共にする。その後しばらくベストンで身を隠そうと考えた彼女は偽名で職を得るが、その会社にはマイクも働いていて、彼女との再会を喜んだ。一方お金を持ち逃げされたクレイも黙っているわけもなく、ブリジットを追い詰めるために私立探偵を雇うが…。

ベッドでもどこでも煙草を離さないイイ女というキャラ設定が時代を感じさせる主人公役はリンダ・フィオレンティーノという知的でセクシーな女優。有名なところでは『メン・イン・ブラック』のヒロイン(宇宙人にさらわれる女医さん)を演じていますね。片や都合の良いセフレとして散々な目に遭う田舎の青年マイクを演じたピーター・バーグですが、なんと映画製作者として大成功しているんです! ウィル・スミス主演『ハンコック』やマーク・ウォールバーグ主演『ローン・サバイバー』など、たくさんの映画の監督やプロヂューサーを務めているのですが、人は見かけによらない…。かなり情けない役を演じていたので、別の才能が開花して本当に良かったです。

この高慢ちきな、田舎者を馬鹿にしきって純朴なセフレ男を“指名ファック”というひどい肩書で呼び、「私は正真正銘のメス犬よ」とのたまう女が90年代では本当にイイ女だったのでしょうか!? もちろん、そんなわけはありません。ブリジット(というか監督?)は、男のように振る舞うのが強い女だと完全に勘違いしています。しかも彼女がコピーしているのは、女を人とも思わない嫌なエリート男なので、必然的に彼女は男を人とも思わない嫌なエリート女になっています。これではせっかくの知性も美貌も台無し! 昔はなかなか女性が手に出来なかったもの、たとえばセックスだとか仕事だとかを手にして自由を得るのは素晴らしいことですが、別に男になる必要はありません。エマニエル夫人やキャサリンのように、人としての魅力を磨いて老若男女との情事を楽しむのが、性別を超えた本当の自由といえるのかもしれません。

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《text:Lady M》

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