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【インタビュー】声優・三木眞一郎、“吹き替え”の魅力を語る!ロングインタビュー

「銀魂」坂本辰馬役や「薄桜鬼」土方歳三役など、コミカルなキャラクターから爽やかなイケメン、はたまた渋さ冴える年上男性や兄貴肌な役柄まで…その奥深い声と高い演技力で演じ分け人気を博す声優・三木眞一郎。

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「銀魂」坂本辰馬役や「薄桜鬼」土方歳三役など、コミカルなキャラクターから爽やかなイケメン、はたまた渋さ&色気が冴える年上男性や兄貴肌な役柄まで…その奥深い声と高い演技力で演じ分け人気を博す声優・三木眞一郎。現在放送中のTVアニメ「3月のライオン」島田開役をはじめアニメ作品の第一線で活躍しながら、『X-MEN』シリーズのマイケル・ファスベンダーの日本語吹き替えを代表とする数多くの洋画・海外ドラマでも大活躍だ。

そこで今回は、アニメ作品や吹き替えはもちろん、ナレーションや舞台関係、アーティスト&アイドル活動にバラエティ番組出演まで多岐にわたる声優活動のなかでも、三木さんの“吹き替え”にフィーチャーし、“吹き替え”作品の魅力や知られざる裏側を語ってもらった。

■“吹き替え”役への強い責任感…故に他作品は見ない!?「ヤキモチを焼いちゃうんです(笑)」

「SEX AND THE CITY」「ER 緊急救命室」ほか…挙げればキリがないほど多数の海外ドラマで吹き替えを担当する三木さん。作風もジャンルも様々なドラマと接したきたであろう三木さんが、その中でも“お気に入り”と思う作品はあるのだろうか?

「実は、気になる作品というのはあまり無いんですよ。なぜかと言うと、仕事として関わっているので、自分が参加していない作品にはヤキモチを焼いちゃうんです(笑)。あの人がボイスキャストとして出ているのかと意識してしまうんですよね。そういう風に見ちゃうとイライラしてしまうので、あまりほかの作品を気にしないようにしているんです(笑)」。

一方、出演作である「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」(以下「エレメンタリー」)や「リベンジ」については熱い想いがあるようで…。

「手前ミソではありますが『エレメンタリー』や『リベンジ』が最高にお気に入りですね。自分が参加していたので、責任と自信を持ってオススメできるというのもあります。この2作品はとても丁寧に吹き替えの作業を行っていましたし、役者さんたちも非常に素晴らしい方が多く参加されていたので、本当にオススメの作品ですね」。

中でも「リベンジ」については、収録現場の裏話を明かしてくれた。

「収録当時、“コンラッド劇場”と呼んでいたものがあるんですよ(笑)。ドラマに登場するコンラッド夫妻というキャラクターの役者の芝居があきらかにオーバーな芝居なんです。その芝居に合わせて、声を吹き替えていた、がっちゃん(山像かおり)と牛さん(牛山茂)の芝居も、あきらかにこれは平成の世に吹き替えたものではないなという芝居をしていたりしてね(笑)。それに合わせてちゃんとやっているからこそ、吹き替えで見ても違和感が無いんですよ。ほかのボイスキャストも全員そうでしたよ。シャーロットの岡田栄美とデクランの須藤翔の2人は、まだ若いんだけど、とても真っ直ぐなお芝居をしていましたね。ジャックの声の綱島郷太郎くんは実直な人柄が本当に出ていたし、本物のエミリーの声をあてていた佐古(真弓)ちゃんも、役にピッタリなお芝居をしていましたね」。

■“吹き替え”るときのこだわりとは?「役者さんの表情から剥がれちゃダメ」

最近ではマルチな活躍が目を引く“声優業”だが、彼らの真骨頂は“キャラクターに声で命を吹き込む”ことであろう。その点では、アニメ作品も洋画・海外ドラマも共通しているように思える。だが、それらはやはり似て非なるもの。三木さんに、アニメ作品とは違い、“吹き替え”をするときに意識する部分があるか? と問うと、普段、吹き替え版を観ているだけでは気づかなかった、奥深い匠の技があることが分かった。

「まず吹き替えは本国の役者さんの表情から剥がれちゃダメなんですよね。剥がれると、視聴者が吹き替えはダメだと思ってしまうんです。そうなると、原音と字幕でいいよという話しになるので、そう言わせないためのモノが本来の吹き替え作品のはずなんですよ。吹替版は日本人に対して、より分かりやすいはずなので、そのためにも向こうの役者さんの表情を拾って間違えないようにすることに、とても神経を使いますね」。

「例えばですけど、『ごはん』という言葉を『ういろう』という言葉に吹き替える場合、『ごはん』の『ん』で口をつぐんじゃうときに、『ういろう』の最後の『う』を伸ばしちゃうと、口をつぐんでいないからアウトなんですよ。でもセリフは変えられないので、そういうときには『ういろう』と言い終わった後に、音を引いて、飲み込むとか、そういうテクニック的なものがあるんです」。

「必要だと思われるところを、埋めていくことが重要だと思うんですよ。台本に息のマークが無くても映像をチェックして、息を吸い始めているなというのがしゃべり出しにあると、こっちも吸って、音を出しに行くか、吸って出すかで全然違いますからね」。

こういうことが“剥がれない”ということの一つだと語る三木さん。ここまで繊細で細やかな気配りをする理由を「お客さんを裏切らないことが一番大事ですから」と語る。

「手を抜きたくないなと思うんですよね。特に『エレメンタリー』のホームズも、『リベンジ』のノーランも表情が普通の芝居の表情と違うんですよ。口に関してだけでも、それぐらいのものがあるのに、さらに表情とか、急に大きな口を開けるとか、叫ぶとか、大声で怒鳴るとか、そういったものも含めて、それが“吹き替え”なんです。なおかつ、声をあてているだけにならないために、心の中身も普通の声のお仕事同様に拾って行かなきゃいけないので大変なんです」。

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《シネマカフェ編集部》

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