【シネマ羅針盤】読み間違いも宣伝効果は抜群!『ラ・ラ・ランド』『ムーンライト』に追い風

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『ムーンライト』 (C)2016 A24 Distribution, LLC
『ムーンライト』 (C)2016 A24 Distribution, LLC 全 11 枚 拡大写真
前代未聞のハプニングで幕を閉じた第89回アカデミー賞から約1週間。ミスが起きた経緯の説明や“真犯人”の特定も済み、騒動はひとまず収束した。わずか“2分半”の間、作品賞に輝いた『ラ・ラ・ランド』だが、絶好のタイミングで封切られた日本で大ヒット中だ。

2月24日に全国約260館で公開された『ラ・ラ・ランド』は、前評判の高さやそれに付随するパブリシティの大量露出によって、映画興行ランキングで初登場第1位を獲得(興行通信社発表)。公開7日目の3月2日(木)時点で、早くも興収10億円を突破し、今年封切りの映画で最速の記録を樹立した。長編アニメを中心に、家族連れ向けの映画が増える春休みにおいて、「大人が観たいミュージカル」としてまだまだ数字を伸ばしそうだ。

そんな『ラ・ラ・ランド』の追い風になっているのが、例の作品賞読み間違い事件である。授賞式当日~翌日にかけて、普段ならオスカー関連のニュースをさらっと流すだけの報道系番組がこぞって“世紀の珍事”をオンエア。また、作品賞が訂正された後の『ラ・ラ・ランド』チームの“神対応”にも称賛の声があがった。もし、間違えられた作品が『ラ・ラ・ランド』じゃなかったら…。そう考えると、不幸中の幸いだったと言うほかない。

『ハクソー・リッジ』のメル・ギブソン、『Fences』(原題)のデンゼル・ワシントンあたりなら、ブチぎれそう)

そして見事、真の作品賞に輝いた『ムーンライト』の注目度も急上昇中だ。日本での上映が約1か月繰り上げられ、公開日は3月31日(金)に決定。公開規模も拡大される。劇中には「あの夜のことを、今でも、ずっと覚えている」というセリフがあり、宣伝コピーに起用されているが、あの授賞式の夜(現地時間)のことは間違いなく、ずっと記憶に残るはず。天国と地獄と揶揄される両作品だが、読み間違い事件の宣伝効果はバツグンだった。

《text:Ryo Uchida》

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