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ナオミ・ハリス、『ムーンライト』を語る「俳優たちは奇跡を起こした」

人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情を描き、観る者の心を大きく揺さぶる『ムーンライト』。本作で主人公の母親を演じ、アカデミー賞助演女優賞に初ノミネートされたのは、インディペンデント映画

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『ムーンライト』 (C)2016 A24 Distribution, LLC
『ムーンライト』 (C)2016 A24 Distribution, LLC 全 9 枚
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人種、年齢、セクシュアリティを越えた普遍的な感情を描き、観る者の心を大きく揺さぶる『ムーンライト』。本作で主人公の母親を演じ、アカデミー賞助演女優賞に初ノミネートされたのは、インディペンデント映画から『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『007』シリーズなどハリウッド大作で重要な役を演じ、幅広く活躍する英国女優のナオミ・ハリス。本作の撮影と『007 スペクター』のプレスツアーの時期が重なり、わずか3日間の撮影期間ながら、強烈な印象を残したナオミのインタビューがシネマカフェに到着した。

第89回アカデミー賞にて、『ラ・ラ・ランド』を抑え作品賞を獲得した本作。劇中でナオミが演じるポーラは、息子シャロンを愛する気持ちはもちろんありながらも、麻薬中毒に陥り、育児放棄をしてしまう母親。息子が偶然出会い、父のように慕っているフアンから麻薬を買っている。ナオミは、問題を抱えた複雑な役柄を熱演し、アカデミー賞はじめ各賞で助演女優賞にノミネートされた。

そんなポーラの役柄について、ナオミは「シングルマザーで1人で息子を育てている彼女はドラッグ中毒を隠しているの。でも次第にドラッグのせいでひどく自身を見失っていく。それでも最終的に自分を取り戻して立ち直るのよ」と語る。そもそも多忙を極める中、本作に出演したきっかけは、「エージェントから持ち込まれた台本を読んで、ものすごくきれいな物語に深く感動したの。バリー・ジェンキンスの初監督作品もすばらしく、ぜひ参加したいと思ったの」と言う。

「まず思ったのは、愛を探し求める物語で、愛を切に求める人間が美しく描かれていることよ。そして、登場人物たちが自分たちの居場所を探し求め、他人を通してそれを見出していく過程もとても美しく描いているの」と、ジェンキンス監督が紡いだ物語の美しさに大きく惹かれたことを告白する。

また、主人公がもがきながら生きていく様子を3つの時代で綴った本作は、少年期・青年期・成人期で主人公を演じる俳優が変わっている。ナオミは1人で3つの時代の母親を演じており、3人の息子役と共演しているが、「皆とても素晴らしかった、そのうち2人は演技が初めてだったのに。3人とも賢くて献身的だったわ。お互いよく分かりあえるほど時間がない中、たったの3日間だけ撮影に入った私によく付き合ってくれたわ」と、3人の“子どもたち”アレックス・ヒバート、アッシュトン・サンダース、トレバヴァンテ・ローズの献身と柔軟性を称えている。

麻薬中毒者という難しい役柄ではあったが、「役のためにたくさんリサーチをしたわ。まずは、ドラッグ中毒から調べて、コカイン依存症を描いたドキュメンタリーをネットで何本も見て、ポーラのような女性を調べていて、だんだん役への糸口が見えてきたの」と語り、ドラッグはもちろんのこと、アルコールもタバコもやらない彼女なりの真摯な役作りの秘訣を明かした。

さらに、ナオミ自身が台本を読み、ぜひこの人と仕事がしたいと思ったというジェンキンス監督については、「バリーは才能のある監督で美しい作品を作る人よ。ただの才能のある監督ではなくて、本物の紳士なの。自分の目指すものや明確なビジョンをしっかり持ってブレずに追及する強さがあって、やさしく穏やかに話してくれるからセットにいて安心感があるの。だから、バリーとの仕事はのびのびできるわ。そういう環境だと俳優たちは奇跡を起こせるの。ベストの力が発揮できるから」と、若き監督を大絶賛。本作を見事にアカデミー賞作品賞に導いた監督の才能と俳優たちの力を引き出す力に、絶大な信頼を寄せていたことを語っている。

『ムーンライト』はTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開中。

《シネマカフェ編集部》

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