【インタビュー】綾野剛「仕事に慣れているつもりは、これっぽっちもない」新たに染め上げる王道ラブストーリー

最新ニュース インタビュー

綾野剛/「フランケンシュタインの恋」
綾野剛/「フランケンシュタインの恋」 全 7 枚 拡大写真
「まっとうなラブストーリーをやるのが初めてなんです」と話し始めた後、綾野剛は「望まれていないのか…」と付け加え、小さく微笑んだ。この春、日本テレビにてスタートする主演ドラマ「フランケンシュタインの恋」では、人間の感情を持つ怪物となり、心の内を映し出すようなピュアな表情を惜しげもなく披露している。それは、間違いなく我々が見たことのない綾野さんの一面であり、また新たな境地を開拓している、この男の演技の幅の広さとボリュームに、うれしい悲鳴を上げてしまう。数々の個性的な役に全力で投じてきた俳優が、いま、王道ラブストーリーに挑戦する理由とは。

綾野さんが演じるのは、120年前に、ある事件をきっかけに生み出され、人間から身をひそめて生きてきた怪物。怪物という言葉から想像する乱暴で恐ろしいイメージとは対極にある、穏やかで優しい眼差しを持つことが特徴だ。ラジオから流れてくる人間の生活に思いを馳せていた怪物は、ヒロインの津軽継実(二階堂ふみ)に勧められるがまま、初めて自転車に乗ったり、カレーを食したり、好奇心旺盛に行動する。扮する綾野さんから醸し出すあふれんばかりのキュートさは、そのまま怪物の魅力に通ずる。

作品について綾野さんに尋ねれば、オファーの経緯がそもそも面白かったと口を開く。「1年くらい前だったと思います。(日本テレビの)河野プロデューサーから『散々いろいろな役をやってきているよね。そろそろ人間やめませんか?』と口説かれまして。いいですね、とスタートしました」。実験により不老不死の怪物を生み出してしまう、フランケンシュタイン博士の物語がモチーフになっていながら、オリジナル要素が強い本作。当初のプロットから切ない要素が加えられたりするなど、内容はパワーアップしていった。いざ、完成された台本を読んだ綾野さんの第一印象は、「まいったな」。

「正直に言いますと、いままでの役の中で一番苦労しています。僕の場合、大体初日で見えてくるんですが、はじめの3日間くらいは、全くつかめませんでした。と言うのも、どういうふうにでも(意味が)取れる台本なんです。現場に任せてくれる余白を与えてくださったことで、正解がとても多い。言葉ひとつをとっても、言い方によって印象が全然違ってきます。でも、現場を信じているので、強いスタッフチームのおかげでやれています」。

作品に携わるキャスト、スタッフが一丸となった上で、綾野さんが命を吹き込む怪物が誕生した。作品のことを、「僕は、仕事に慣れている気持ちはこれっぽっちもないんです。僕にとっては映像全般が特別なので、映画が特別、ドラマが特別だとも思っていません」と表現するように、本作のみならず、演じる役と作品への愛をいつも惜しみなく表現する綾野さん。その想いは、怪物が恋をする相手役の二階堂さんはじめ、柳楽優弥さん、川栄李奈さんらにも共通していることだという。そんな後輩たちのことを、綾野さんは、「一生懸命な人は大好きなんです。作品に向き合っている人間を僕は愛したい。それは女性だろうと、男性だろうと」と、ことさら愛おしそうに語るのだ。

最強の布陣と共に臨む怪物の恋模様について、改めて、綾野さんに聞いた。「僕は、ややこしかったり、命を懸けたような恋愛ものの経験はありますが、ストレートプレイができるようなラブストーリーをやっていないんです。これは、切なすぎるラブストーリーなんです」と、遠くを見つめる。作家性の強い作品やR-15指定作品などでのバラエティに富んだ役が、綾野さんのフィルモグラフィーの中でも印象に残るが、ここへきて、なぜいま「ストレートプレイ」を選択し演じるのか、欲したのか。純度の高いラブストーリーに出演する理由とは…?

「作品によっては、視聴者の方が傍観し続けるタイプの作品もありますが、今回は、自分たちがやっていることを傍観してもらうのではなく、こちらがちゃんと丁寧に、両手で、視聴者の方にお届けするような作品にしないといけないと思っています。『フランケンシュタインの恋』は、ストレートプレイするからこそ、観てくれた方たちの時間が豊かになってほしい。最後の最後まで届けて、観ている方たちが豊かな時間にしてもらえるように…、本当に、ただそれだけです。それこそ、最高のストレートプレイです」。

「フランケンシュタインの恋」は4月23日(日)22時より日本テレビ系列にて放送開始。(2話以降22時半より放送)

《text:Kyoko Akayama》

特集

この記事の写真

/