【MOVIE BLOG】女性のための官能映画:『ブルーベルベット』

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『ブルーベルベット』
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「私の肌触り 好き?」

『ブルーベルベット』
1986年/アメリカ/監督:デヴィッド・リンチ/出演:カイル・マクラクラン イザベラ・ロッセリーニ

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自分は異常である。と認識している人は世の中にどれくらいいるのでしょうか? そもそも、何が正常で何が異常なのでしょうか。特に性的倒錯においては、誰もが人には言えない嗜好を妄想したり、秘かな願望を抱ているのだと思います。健康的で明るく楽しい日常生活と、病的で異常で危険、そしてエロティックな非日常生活はほんの紙一重の出来事で、日中の白昼夢の中ででも容易に裏返ってしまう。そんな経験を恐れてビクビクしつつ心の中では欲している、それが私たち人間の哀しい姿なのです。

あるのどかなアメリカの田舎町。父の急病のため大学から地元に戻ってきたジェフリー・ボーモントは、町のはずれで切断された人間の耳を発見する。その耳を警察に届けたジェフリーはウィリアムズ刑事の娘サンディと知り合い、彼女から耳の謎はクラブ歌手のドロシー・ヴァレンズと関係していると聞き興味を覚える。背後関係を調べるために探偵ごっこをはじめたジェフリーはドロシーの家に忍び込むが、彼女が帰宅してしまい大ピンチに。慌ててクローゼットに隠れた彼は、戸の隙間からドロシーの秘密を覗き見してしまい、それをきっかけに異常な世界に引きずりこまれていく…。

この夏の新『ツイン・ピークス』も楽しみすぎるデヴィッド・リンチ監督の真骨頂である、日常に潜むアブノーマルなエロスが満載の本作。主演は当然、監督の分身とも言えるカイル・マクラクラン。旧『ツイン・ピークス』から遡ることたった3年、大学生役の彼はなんだかやたらツヤツヤしていて若いのが新鮮。トランクスに靴下という超絶かっこ悪いスタイルがこれだけ似合うのは本当に素敵なインテリ青年だから。対してカイル演じる大学生をズブズブにしてしまう年上の女ドロシーはイザベラ・ロッセリーニが好演。ご存じない人の為に言っておきますが、父親は“ヌーヴェルヴァーグの父”と言われ世界中の映画監督からリスペクトされているイタリアの巨匠ロベルト・ロッセリーニ、母親はハリウッドの大スターだったイングリッド・バーグマンという超サラブレッドです。しかも母親イングリッドが家庭を捨ててロッセリーニ監督の元に走った大スキャンダルの中で産んだ娘がイザベラなので、もう、生まれながらにして運命の女(ファム・ファタール)としか言いようありません。この作品は本当に当たり役で、完成度の低さが妙にエロいヌードとか、溢れ出る退廃的な雰囲気とか、複雑な生い立ち&ヨーロッパ人女優ならではの魅力を遺憾なく発揮しています。特に白く滑らかそうな肌は絹のような手触りを連想させ、田舎のアメリカ人高校生役で登場するローラ・ダーンの乾いた感じと実に対照的。ドロシーに「ぶって!」と言われて興奮するか引いてしまうかで、その後の人生に大きく違いがありそうです。笑。

男性向けにしろ女性向けにしろ、アダルトビデオや成人漫画は数多くあって、シチュエーションも本当に様々。よくこんなものが思いつくなと感心しきりです。それはすべての人間に巣食うエロティックな妄想で、欲望は決して満たされることはありません。性癖が合致して幸せになれるカップルもいれば、パートナーには長年隠し続けている秘密の趣味もある。自分では気付いていない性癖もあるかもしれないし、行き過ぎて犯罪になることもある。のどかな町、平凡な人間、退屈な毎日。そんな日常がひょんなことでグラグラし、アブノーマルな世界に引きずり込まれていく、映画みたいな妄想が現実になることもあるかもしれません。

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《text:Lady M》

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