【シネマVOYAGE】“ナミヤ雑貨店”のあの町へ…大分県・豊後高田が残した昭和の街並み

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『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会 全 9 枚 拡大写真
映画を観て「実際にあの場所に行ってみたい」と思うことはたくさんあるだろう。画になるカフェ、美しい海岸、歴史的建造物、眺めのいい丘…映画の登場人物たちがいた場所は特別に感じるものだ。特定の場所だけでなく、その町全体が映画の舞台となっていたとしたら、もちろんその町には行かずにいられない。

映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、大分県の豊後高田(ぶんごたかだ)にある“昭和の町”で撮影された。“昭和の町”とはその名前の通り、昭和30年代の街並みを再現した街だ。先日、実際に豊後高田を訪ねる機会があったが、本当にタイムスリップしたかのような懐かしい風景が広がっていた。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
なぜ、豊後高田に“昭和の町”があるのか。豊後高田は、江戸時代・明治・大正・昭和30年代にかけて国東半島で最も栄えた町だったそうで、その活気を甦らせようというプロジェクトが“昭和の町”だった。時代の流れに合わせて近代化させるのではなく、消えつつある昭和の街並みを大切に残すことを選んだ。テーマパークではなく、その商店街で人々が実際にお店を営んでいる、生活している、なんともノスタルジーな街だ。映画の舞台となる“ナミヤ雑貨店”のセットは、宮町商店街の一画に建てられた。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
物語は、1980年と2012年の2つの時代で描かれる。雑貨店を営みながら街の人たちの悩みを解決してきた店主、浪矢(西田敏行)が生きる1980年。そして2012年。空き家となったその店に、ある理由で忍び込んだ敦也(山田涼介)、翔太(村上虹郎)、幸平(寛 一 郎)の3人。彼らが店にやってきたその夜に過去と現在が繋がり、浪矢と敦也たちの繋がりも明らかになっていく…。

過去と現在を繋ぐのが“手紙”であることもノスタルジーだ。たとえば、映画『イルマーレ』も異なる時間を生きる男女の気持ちを繋ぐアイテムはポストと手紙だった。『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の場合は、手紙が投函されるのは店のシャッターに備え付けの郵便受け。店主の浪矢はその手紙に書かれた悩みに返事を書き、店の脇にある牛乳箱に入れる。牛乳箱もまたノスタルジーがある。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
撮影後にセットは取り壊されているが、豊後高田市のホームページを調べてみたところ、セットがあった場所でARアプリを使って撮影すると、映画の撮影当時のナミヤ雑貨店のセットと一緒に記念撮影ができるそうだ。昭和の町周辺のスポットもロケ地となっていて、そのなかでも特に美しいのは、日本夕陽百選に選ばれている真玉海岸。映画では門脇麦の登場シーンで使われているが、あの絶景は一度見てみたい。また、せっかくなので女性の願いをひとつは叶えてくれるという神社、縁結びの神様として親しまれている粟嶋社にも行ってみたいし、真玉海岸や粟嶋社などのロマンチックなスポットを結ぶ海岸線・恋叶ロード(約20km)をドライブするのもいい。

映画を観て、豊後高田でロケ地を巡る旅をして、昭和の町のカフェで旅の想い出を手紙として綴り、自分宛でいい、手紙を出す──この秋はそんな旅をしてみたい。(text:Rie Shintani)

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(C)2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会

《text:Rie Shintani》

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