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【イマ旬!ハリレポ】映画賞レースにも影響!止まらないハリウッドのセクハラ騒動

ハリウッド大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題が露見してから、問題の火の手は収まるどころか悪化しておりハリウッド…

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ケヴィン・スペイシー(C)Getty Images
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ハリウッド大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題が露見してから、問題の火の手は収まるどころか悪化しておりハリウッドのエンタメ業界はパニック状態となっている。

■ケヴィン・スペイシー事件のあとには…


ワインスタイン事件以来、セクハラ問題がまるで異常乾燥注意報時の火災がごとく映画業界の至る所で火の手をあげて俳優やセレブ監督にも飛び火しており、人気海外ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などで日本でもお馴染みの俳優ケヴィン・スペイシーが30年前、26歳のときに14歳の俳優アンディー・ラップに対して性的行為を試みようとしたというニュースはアメリカ内外でも大変な話題となった。

グウィネス・パルトロウ&ハーヴェイ・ワインスタイン-(C)Getty Images当時新人女優だったグウィネス・パルトロウもワインスタイン事件の被害に…(C)Getty Images
今週に入り、映画『テッド』のガールフレンドを演じたジェシカ・バースが2012年に当時のマネージャーでハリウッドの大物であるデヴィッド・ギルロッドから性的暴行を受け、ロス市警に届けたもののその後ギルロッドから脅迫され恐ろしくなり、訴訟を取り下げざる得なかった、と大手業界サイトの「the Wrap」に暴露してこれも大変な騒ぎとなった。

とにかく連日のように、新しい有名人の名前が「セクハラ事件」という見出しの横に並ぶ、とんでもない状況のハリウッド。セレブ監督のブレット・ラトナーも6人の女性からセクハラで槍玉に挙げられている。ブレット・ラトナーといえば、アクションコメディー映画『ラッシュ・アワー』シリーズ(ジャッキー・チェン&クリス・タッカー主演)で一躍人気監督となり、近年では自ら設立したプロダクション・スタジオより大ヒット作『ワンダーウーマン』や『X-MEN: ファイナル ディシジョン』などを産出してノリに乗っていたハリウッドの大物である。ラトナーは、問題発覚後に里親的存在だったワーナー・ブラザーズ映画から縁を切られている。


■ハリウッドで崇拝されているアノ俳優まで!?


今回のセクハラ問題で周囲を一番ショックに陥れたのが、今年で御年80歳の大御所名優ダスティン・ホフマンである。『卒業』や『トッツィー』などの名作をはじめ、メリル・ストリープと共演した『クレイマー、クレイマー』と、トム・クルーズ共演の『レインマン』ではアカデミー賞主演男優賞受賞歴もある、あのダスティン・ホフマンである!

ダスティン・ホフマン(C)Getty Imagesダスティン・ホフマン(C)Getty Image
時をさかのぼること32年前。ダスティン・ホフマンが1985年に手がけていた芝居のプロジェクトで、当時17歳だったインターンのアンナ・グラハム・ハンターさんにセクハラをしたのだという。このショッキングなニュースに周囲が愕然とするなか、どうやらダスティンの“素行の悪さ”は、それに始まったことではないということが明るみに出はじめた。

1979年に『クレイマー、クレイマー』でダスティンと共演したメリル・ストリープは、撮影前に初めてダスティンと対面したときに、なんと胸を触られて非常に不快な思いで撮影に臨んだというのである。この打ち明け話はメリルのインタビュー記事として当時のタイム誌に掲載されており、これがいまになって浮上し、ダスティンにとっては非常に不利な話題となっている。

メリル・ストリープ(C)Getty Imagesダスティンと共演したメリル・ストリープ(C)Getty Images

■セクハラ問題の波紋


セクハラ問題は、関わった俳優や監督たちのキャリアを崩壊に追い込むばかりでなく、その周囲にもひどい打撃を与えている。増え続けるスキャンダルに伴い、暮れのホリデーシーズン公開予定作品が目まぐるしく変更されているのがその一例だ。たとえば、TWC(ザ・ワインスタイン・カンパニーの略)の手がけたホラー映画『ポラロイド』(原題)は、かなりのヒットが見込まれていたものの、セクハラ事件が露見したことで、ほとぼりが冷める来春ころへの延期が決定している。被害を被っているのは劇場側だけではない。一連のセクハラ問題は、アカデミー賞を筆頭とする映画賞レースへの影響も必至とみられている。

ケヴィン・スペイシー(C)Getty Imagesゲイであることも認めたケヴィン・スペイシー(C)Getty Images
前出のケヴィン・スペイシーは、Netflixより「ハウス・オブ・カード 野望の階段」の打ち切りを命じられただけでなくアカデミー賞シーズンに向けてノミネート必至とされていた新作スリラー映画『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド/All The Money In The World』(原題)が受賞作戦のPRから外されることが決定している。

この映画は『エイリアン』シリーズのリドリー・スコット監督作品で、ケヴィン・スペイシーの共演者にはミシェル・ウィリアムズとマーク・ウォールバーグも参加している話題作だったのに、ケヴィンが昔に犯した軽率な過ちのせいでとんだ迷惑を被っていしまった形だ。

■ハリウッド・メンタリティとその対策


「お金があってパワフルならばどんな振る舞いをしてもいい」という暗黙の了解がまかり通っていたハリウッド。…というよりは、どこの業界でもパワーを持っている者が下のものを足蹴にしたり酷い扱いをしたりということは往々にある。その頂点にあるのがセクハラだ。映画業界にセクハラが横行している理由に、「何が何でも俳優になりたい」という若者が溢れているという事実がある。だが、いくら相手がどんなにデスパレートでも、分別のある人間であればセクハラに及ぶなどということはない。

長いことハリウッドにいて学んだことがある。自分の心の声はうそをつかない。少しでも妙な気配を相手から感じ取ったら、自分の心がザワつき出したらその場から素早く身を引くことが肝心だ。どんな業界に居ようが、上に立つ相手が自分の価値観や信条に反するようなことを提案したり押しつけたりして来たら、相手が誰であろうが「NO」と言って、毅然とした態度でその場を離れる勇気を持つことが大切なのだ。(text:Akemi K. Tosto)

《Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》

映画プロデューサー・監督|MPA(全米映画協会)公認映画ライター Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美

東京出身・ロサンゼルス在住・AKTピクチャーズ代表取締役。12歳で映画に魅せられハリウッド映画業界入りを独断で決定。日米欧のTV・映画製作に携わり、スピルバーグ、タランティーノといったハリウッド大物監督作品製作にも参加。自作のショート作品2本が全世界配給および全米TV放映を達成。現在は製作会社を立ち上げ、映画企画・製作に携わりつつ、暇をみては映画ライター業も継続中。

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