【シネマ羅針盤】低迷続く胸キュン映画、次の一手は? 洋画復興でさらにピンチ

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人気の少女漫画を原作に、次々と話題作が公開された“胸キュン映画”。かつては動員ランキングの常連だったが、最近は急速に勢いが衰えており、「甘ったるい」の意味で、スイーツ映画と揶揄されることもしばしば。ヒット確実と思われた作品も苦戦を強いられている。

その最大の理由が、胸キュン映画の量産だったことは言うまでもない。実年齢を度外視し、人気俳優が制服に身を包み、「平凡な女の子が」「学校イチのイケメンに恋して」「でも、そのイケメンは秘密を抱えていて」「すれ違ったり、ぶつかり合ったり」「なんやかんやあって」「最後はハッピーエンド」…そんな映画が毎月のように公開され、そのたびに出演者がテレビ番組で番宣すれば、映画館に足を運ぶ以前に、お腹いっぱいになってしまうのは当然だろう。

良くも悪くも“正しさ”が求められる時代においては、禁断の恋も「結局、不倫」「生徒との恋とか…」などと冷めてしまうのも事実。漫画なら受け入れられても、生身の俳優が演じることで、嫌悪感を覚える人も少なくないはずだ。

また、胸キュン映画の衰退と入れ替わるように、ハリウッド映画の躍進が目覚ましい点も注目ポイント。今年は『ラ・ラ・ランド』の画期的な大ヒットを皮切りに、興収120億円突破をした『美女と野獣』ブーム、ディズニーやイルミネーションといった長編アニメの安定感、マーベル&DCが仕掛けるヒーロー映画の人気についに火が点くなど、洋画再興の兆しが確実に見えてきている。

その象徴的な出来事が『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』のスマッシュヒット。ここで挙げた洋画ヒットを支えるのがSNSの影響力であり、「シネコンに行く」「映画を見る」「感動をシェアする」こと自体のイベント化だ。多くの観客にとって、誰が出演しているとか、原作が有名だとかは基本無関係。キャスティングと原作のネームバリューを重視する胸キュン映画とは、真逆のトレンド動向がここにあるのだ。果たして、胸キュン映画の次なる一手は?

《text:Ryo Uchida》

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