10月18日(土)よりスタートするWOWOWの連続ドラマW「グーグーだって猫である」。映画版でもメガホンを握った犬童一心監督が、宮沢りえを主演に迎えて贈る本作の放送を前に、シネマカフェでは「グーグーだって猫である」を大特集! 犬童監督のインタビューを始め、本作のもうひとりの主人公・猫たちのキュートな表情を収めたフォトギャラリーまで、その魅力をご紹介。
少女漫画の傑作の数々を生み出した大島弓子。猫をこよなく愛する彼女が愛猫・グーグーとの日々を綴ったコミックエッセイ「グーグーだって猫である」が、宮沢りえ主演で全4話の連続ドラマになった。
監督とシリーズ構成は、2008年に映画『グーグーだって猫である』を手がけた犬童一心。『赤すいか黄すいか』、『金髪の草原』と過去にも大島作品を映画化し、その作品世界を知り尽くした彼が原作を読み込んでエピソードを抽出し、猫と穏やかな日々を送りながら、外の世界へも歩み出し、さまざまな人と出会う麻子の物語をオリジナル・ストーリーで描いていく。
主人公の小島麻子は吉祥寺に暮らす売れっ子漫画家。いつものように締切りギリギリで原稿を担当編集者・大森に渡したある日、長年飼い続けてきた愛猫・サバが突然息を引き取ってしまう。仕事も手に着かず、食事ものどを通らず、悲しみに沈んでいた麻子だが、大森の勧めで新居に移る。そして井の頭公園を散歩している時、ベンチに座るホームレスの老人と目が合う。彼の懐にはアメリカンショートヘアの子猫が。やがて老人に子猫を託された麻子は「グーグー」と名づけ、再び猫のいる生活が始まる。
仕事に打ち込みながら、ふっと気を抜いて猫と遊んだり、生真面目な編集者に甘えてみたり。麻子自身が猫のようにくるくると表情を変えていく。その芯には長年一緒に過ごしたサバや自身が患った病による喪失感や、自由に生きることを選んで引き受けた覚悟もある。傍から見れば孤独かも。でも、孤立しているのではなくて、偶然をきっかけに新しい出会いや懐かしい再会を紡いでいく。深刻ぶらずに軽やかで、どこかはかなげで、でも決して折れない麻子の4つの物語を通して、いつしか自分自身の恋や仕事、友情、女性としての生き方にも思いがおよぶ。私らしく生きる。『グーグーだって猫である』には、その喜びが描かれている。
2008年に小泉今日子主演で映画『グーグーだって猫である』を手がけた犬童監督が、再び同じ原作を映像化しようと思ったきっかけは何だったのだろう?
「今年はテレビドラマをやろう、という気持ちがあったんですよ。自分で企画して、できるだけやりたいように作る。その題材の1つだったんです。宮沢りえさんが小島麻子をやれば、前の映画とは違う『グーグーだって猫である』を作れる、という勘が働いたんですね。4つのストーリーラインを決めた段階で、どういうドラマにしたいかも添えて宮沢さんに打診したんです。そしたら、やってくれると返事が来た。となると、やっぱりできるだけ自由に撮れるところでやりたかったんです。できるだけ自由に大島さんのドラマを作れる場所は、というとWOWOWだったんですね」(犬童一心監督)。
宮沢りえ演じるヒロイン・麻子が愛した猫たち――それが15年連れ添った初代愛猫・サバと、彼の亡きあと、麻子と運命を果たす二代目愛猫・グーグー。画面に登場するたびに見る者のハートを肉球でふにふにと鷲掴みにする2匹を、心ゆくまでご堪能あれ。
宮沢りえ
長塚圭史・黒木華
中岡創一(ロッチ)・市川実和子
菊地凛子・岩松了・田中泯
原作:大島弓子(「グーグーだって猫である」 角川文庫)
栃木県生まれ。1968年「ポーラの涙」でデビュー。
代表作「綿の国星」他、「ミモザ館でつかまえて」「リベルテ144時間」「金髪の草原」「秋日子のかく語りき」「つるばらつるばら」「八月に生まれる子供」など多数。
「グーグーだって猫である」で第12回手塚治虫文化賞短編賞受賞。
シリーズ構成・監督:犬童一心(『ジョゼと虎と魚たち』『グーグーだって猫である』『のぼうの城』)
脚本:高田亮(『婚前特急』『午前3時の無法地帯』『わたしのハワイの歩きかた』)
音楽:高田漣(『横道世之介』『箱入り息子の恋』)
挿入歌:「パレード」高田漣 feat.UA(ビクターエンタテインメント / スピードスターレコーズ)