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佐藤隆太『ガチ☆ボーイ』を語る 「プライド捨ててしがみつく男ってかっこいい!」

事故により脳に障害を負ってしまい、眠るとその日の記憶を失ってしまう青年が、学生プロレスとの出会いによって生きている実感を取り戻していく姿を描いた『ガチ☆ボーイ』。本作のDVDが9月17日(水)にリリースされる。「高次脳機能障害」を背負いながらも力強く生きる、主人公の五十嵐を演じた佐藤隆太に話を聞いた。

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『ガチ☆ボーイ』 佐藤隆太 photo:HIRAROCK
『ガチ☆ボーイ』 佐藤隆太 photo:HIRAROCK 全 4 枚
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事故により脳に障害を負ってしまい、眠るとその日の記憶を失ってしまう青年が、学生プロレスとの出会いによって生きている実感を取り戻していく姿を描いた『ガチ☆ボーイ』。本作のDVDが9月17日(水)にリリースされる。「高次脳機能障害」を背負いながらも力強く生きる、主人公の五十嵐を演じた佐藤隆太に話を聞いた。

——ビデオで原作の舞台を見て五十嵐に惚れ込み、以前から「映像化するなら自分が!」と熱望していたそうですが、五十嵐の魅力はどんなところですか?

どんな逆境でも決してあきらめず、ちゃんと“光”を感じさせるところ。前に向かって進む姿には勇気づけられます。“切ない”とか“辛い”と言ったら失礼かもしれないけど、そんな状況でも這い上がろうとする彼を、同じ男としてかっこいいと思います。

——それだけ思い入れがあるキャラクターを演じることに、逆に重圧はありませんでしたか?

高次脳機能障害という部分だけでも僕にとっては大きな挑戦でしたが、さらにプロレスのシーンもある。大きな壁を感じましたが、だからこそやりがいを感じました。これこそ、僕が五十嵐を演じたいと思った理由だと。そういう意味で嬉しさと、身が引き締まるような気持ちでしたね。舞台と映画で、根底に流れているものは変わっていません。ただ、舞台ではプロレスの試合の部分は観客の想像に委ねられていたけど、映画ではその部分を外すことはできない。その分、世界観が広がったと思います。

——周囲には明るくふるまう一方で、五十嵐だけにしか理解できない悲しみや孤独があります。五十嵐の内面に対してどのようにアプローチしたか聞かせてください。

そこがこの役を演じる上での一番難しいところでした。仮にもこの障害を抱えている方を傷つけるようなことがあってはならない。でも、どんなに思いを巡らせたところで、僕は彼らと同じ状況に立てるわけではないですし…。かといって逃げたくない。考えて、考えて…。例えば、コックの役ならレストランに通って厨房を観察して、本物にはなれないまでも、細かい仕種を盗んだりしながら役を作っていく。普段、こうした役作りは楽しい作業なんですが、今回に関しては、ただひたすら五十嵐という男と向かい合いました。そうすることで彼に少しでも近づけると信じて演じました。

——劇中で奥寺(向井理)がつぶやく「(他人には)想像できないよな」というセリフがぴったりの状況ですね。

そうなんです。とにかく資料を読み込んで、いろんな角度から向き合って、想像して。「こんな感じかな?」とつかみかけたと思ったら「やっぱり違うんじゃないか」と思い返して、という繰り返しでした。

——実際の撮影に入ってからも、小泉(徳宏)監督と役について相当長い時間、話し合われたと聞きました。

かなりの時間を割いてもらいました。正直、普通の現場なら、スタッフさんから「いい加減にしろ!」という声が飛んでもおかしくない状況だったと思います。でも、みなさんが「とにかく、ぶつかってもいいから気が済むまで話し合え! 納得するものが出来たら、俺たちがそれを何としてでも撮ってやる」と言って下さって、泣きそうになりましたよ。監督とは、実際かなりぶつかり合いました。お互いに「自分が五十嵐のことを一番考えてる」と思ってるし、正直、監督の意見に対して「何でだよ!?」って思うこともありました。監督も「こいつ、面倒くせえな」と思った瞬間があったと思いますよ(笑)。それでも、妥協せずに最後まで付き合ってくれて「よし、じゃあもう一回!」って言ってくれた。撮影から1年が経ちますが、どんどん監督のこと好きになってるんですよ(笑)。

——それだけの苦労の末に出来上がった作品ですが、佐藤さん自身、一番思い入れのあるシーンはどのシーンですか?

五十嵐が「プロレスやらせてください」とみんなに頭を下げるところかな。自分で演じながら「この男はすごいな」と感じてました。“これだけは失いたくない!”という思いで、プライドも何もかもかなぐり捨てて、必死にしがみついてる姿ってかっこいいな、と。あと、父親に正直な感情をぶつけるシーンも演じるのが辛くて印象に残ってます。麻子に告白する場面も…本当にヤマ場があり過ぎですよ(笑)!

佐藤さんの言葉に耳を傾けるうちに、いまも五十嵐は北海道にいるんじゃないかという思いを持った。そう伝えると、佐藤さんは「みなさんの心に五十嵐が残れば、彼が生きた証しになります。自分で言うのも不思議ですが、彼のことを絶対に忘れないでほしいんです。大好きなんですよ」と笑った。映画にドラマに引っ張りだこの佐藤さんだが“『ガチ☆ボーイ』こそが佐藤隆太の代表作”、そう言われる日が来るのではないだろうか。



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《photo:Hirarock》

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