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ミラ・クニス インタビュー 親友ナタリー相手の官能シーンに自信アリ?

“主人公のバレリーナのライバル役”と聞くと、少女マンガ的なイジワルで勝気な女性を想像してしまうが、そんな単純な役どころではない。妖艶さと官能でもってナタリー・ポートマン演じる主人公・ニナを漆黒の狂気へと染め上げていく“麻薬”のような女性——それが、ミラ・クニスが『ブラック・スワン』で演じたリリーである。ダーレン・アロノフスキー監督はオーディションすらすることなくミラの起用を決め、彼女はそこからバレリーナを演じるための過酷なトレーニングをこなしてリリーを作り上げていった。彼女はこの作品を通じて何を手にしたのか? 作品について、撮影についてミラが語ってくれた。

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『ブラック・スワン』ミラ・クニス -(C)AFLO
『ブラック・スワン』ミラ・クニス -(C)AFLO 全 7 枚
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“主人公のバレリーナのライバル役”と聞くと、少女マンガ的なイジワルで勝気な女性を想像してしまうが、そんな単純な役どころではない。妖艶さと官能でもってナタリー・ポートマン演じる主人公・ニナを漆黒の狂気へと染め上げていく“麻薬”のような女性——それが、ミラ・クニスが『ブラック・スワン』で演じたリリーである。ダーレン・アロノフスキー監督はオーディションすらすることなくミラの起用を決め、彼女はそこからバレリーナを演じるための過酷なトレーニングをこなしてリリーを作り上げていった。彼女はこの作品を通じて何を手にしたのか? 作品について、撮影についてミラが語ってくれた。

1日4時間のレッスンを週7日7か月

実は、ミラとナタリーはプライベートでも仲の良い友人同士。彼女が本作について初めて知ったのも、ナタリーとのショッピングの最中だったとか。
「そうかもしれない…それはナタリーから聞いた話? あまり覚えてないから、ナタリーに怒られちゃうかも(笑)。ナタリーとはよくフリーマーケットに行くの。日曜の朝の恒例行事で、2人でバーゲン品を探しに行くの。その日もロサンゼルスでショッピング中だったんだけど、『この後どうするの?』と私が聞いたら、ナタリーが『バレエのレッスンがあるの』と言うから、そのときは私は『へえ、そうか』と、深くは考えなかったんだけど、いまふり返って考えると合点がいくわね」。

役作りに際して、20ポンド(約9キロ)も減量し、華奢な肉体をさらに絞り上げていったミラ。「26歳にしてプロのバレリーナになろうとするわけだから、自殺行為よね!」と笑うが、バレエのトレーニングも過酷かつ長期にわたった。
「1日4時間を週7日、7か月間。これは撮影前の話ね。撮影中も同じような感じだった。8月14日の誕生日の日に1日だけお休みをもらえたけど。エミー賞やゴールデン・グローブ賞とも重なっていたから、そういう日は半日だけオフにしてもらって、バレエのインストラクターと朝の5時から11時まで練習したの。レッスンが終わるとヘアメイクとメイクをして、そのまま授賞式へ、という具合だったわ」。

過酷ということで言えば、劇中にも見られるようにバレエの世界における競争の激しさは論を待たない。役作りのリサーチを通して垣間見えた、バレエの世界の舞台裏についてミラはこう語る。
「そんなにリサーチしなくても、(バレエ界の熾烈さは)すぐに分かったわ。ちょっと見れば目の当たりにする。熾烈な競争を隠そうという遠慮も全くないし」。

ミラがいる映画界も同様に、と言えそうだが…。
「そうとも言えるし、そうでもないとも言えるわ。私の経験上、そこまで(映画界は)熾烈な競争ではないわね。競争が激しい部分もあるけれど、バレエ界の競争の方がよっぽど激しいわ。言葉では到底表現できない熾烈な争いよ。狭い世界だから。彼らは人生を懸けてあり得ないほどの完璧を目指す。キャリアも長くもって35歳で終わりよ。だから競争が激しいのでしょうね。映画スターはたくさんいるけれど、プリマは数えるほどしかいないでしょ? とても狭い世界だし、独特な世界だと思う」。

「思わぬ映画が道を開いてくれることもある」

バレエのシーンの素晴らしさはもちろんだが、それ以外のドラマの部分、特にリリーとの関係性の中でニナが変貌していくさまは大きな見どころ。ニナとリリー、女性同士の激しい官能シーンも! プライベートでも仲の良いナタリーが相手ということでやりやすかった部分も?
「そうね。カメラの前でセックスの演技をしないといけないのは、どんな場合においても居心地の悪いことだから。相手が男性であっても女性であっても…。だから、相手が友達だとずいぶんやりやすくなるのは本当ね」。

本作の演技でミラは、ヴェネチア国際映画祭の「マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)」に輝いた。本作が女優としてのキャリアのターニングポイントになりそうな予感もするが、ミラはあくまでクールに自分を見つめる。
「ターニングポイントはその時点ではっきりと認識できるものではないの。私は自分が出演してきた映画を否定することはない。後悔もないわ。どんな経験でもそこから学ぶものはあったし、女優としても人としても成長できたから。でも、少なくとも私の経験上、自分の出演する映画が、将来どういうきっかけにつながっていくことになるかは分からないものよ。思わぬ映画が道を開いてくれることもあるから」。

ただ、本作が今後の彼女のキャリアを広げることになるのは間違いない。「1年後に聞いて」と笑ってかわしつつ「『ブラック・スワン』は先方からオファーが来たという意味では例外だった」とも。慎重に言葉を選びながら彼女はこう続ける。
「他の作品に関しては『寝取られ男のラブ♂バカンス』から『ザ・ウォーカー』まで、全て自分がオーディションで勝ち取ってきた役なの。つまり、良作のオファーがいつも入ってくるわけではなかったけど、自分がやりたいと思った作品に関しては、役を勝ち取ってきたの。これは私がよく使う例えなんだけど、この業界(におけるキャリア構築)はチェスと言うよりもむしろチェッカーゲームのようなもの。4〜5手先を考えるのは、とてもじゃないけど無理ね。でも私の場合、必要に駆られて仕事をする必要はないから、とてもラッキーな立場だと思うの。自分の中で何かしらの反応が起こり、やりたいと思う企画をじっくり待つ余裕がある。いつもそうね。ジャンルに対するこだわりがあるわけでもない。『次はシリアスなドラマをやりたいわ』と思うわけではないの。自分が魅かれるプロジェクトを探すだけよ」。

そんな彼女の言葉からは風格すら感じられる。追いつめられ、変貌していくナタリーの傍ら、官能的にスクリーンに佇む彼女の姿をお見逃しなく!

© AFLO
© 2010 Twentieth Century Fox.

『ブラック・スワン』
2011年5月11日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開

《シネマカフェ編集部》

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