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映画監督を夢見た少年達の想いが交錯『モールス』&『SUPER8』に見るノスタルジー

夏本番、アニメーションからアクション大作までバラエティ豊富な映画の公開が続く中、何を観ようか迷っている映画ファンの方も多いはず。そんな方には、ちょっと趣向を変えてみて、あるテーマでもって二本立てで観る、映画の楽しみ方をすすめたい。そこで今回ご紹介するのは、この二作。現在大ヒット公開中の『SUPER 8/スーパーエイト』(写真上右)と、8月公開のスリラー『モールス』(写真上左)だ。

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『モールス』&『SUPER 8/スーパーエイト』 -(C) 2010 Fish Head Productions, LLC All Rights Reserved. (C) 2011 PARAMOUNT PICTURES ALL RIGHTS RESERVED.
『モールス』&『SUPER 8/スーパーエイト』 -(C) 2010 Fish Head Productions, LLC All Rights Reserved. (C) 2011 PARAMOUNT PICTURES ALL RIGHTS RESERVED. 全 3 枚
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夏本番、アニメーションからアクション大作までバラエティ豊富な映画の公開が続く中、何を観ようか迷っている映画ファンの方も多いはず。そんな方には、ちょっと趣向を変えてみて、あるテーマでもって二本立てで観る、映画の楽しみ方をすすめたい。そこで今回ご紹介するのは、この二作。現在大ヒット公開中の『SUPER 8/スーパーエイト』(写真上右)と、8月公開のスリラー『モールス』(写真上左)だ。

片や“未知の生命体”の謎に迫るSFサスペンス、片や恐怖に満ちたイノセントスリラーと、一見全く異なるジャンルの映画ながら、実は同じ原点で繋がっているこの二作。というのも、ご存知の方も多いだろうが、それぞれのメガホンを握ったJ.J.エイブラムス監督とマット・リーヴス監督は13歳からの幼なじみであり、映画製作の良きパートナーなのである。2008年には『クローバーフィールド/HAKAISHA』でタッグを組み、映画界を震撼させた2人だが、そんな2人が満を持して完成させたそれぞれの最新作では、かつて映画監督を夢見た少年時代の想いが詰まっているのだ。

そこでまず注目したいのが、二作の時代設定。『モールス』は1983年、『SUPER 8/スーパーエイト』は1979年のアメリカが背景になっている。これはちょうど、2人が出会い、映画づくりに目覚めた頃であり、2人が崇拝するスティーヴン・スピルバーグ監督の名作『E.T.』('82)に世界が沸いたときと重なる。リーヴス監督はこう語る。「アメリカの批評で『モールス』は“牙を持つ『E.T.』”と書かれたけど、なかなかいい表現だなと思ったね。僕自身『E.T.』は子供の頃に観た作品だし、本作にはあの映画に近い要素がある」。J.J.に至っても「ファンタジーでアドベンチャーとなるスティーヴンの映画の影響なくしては作れないんだよ。この作品は僕の子供時代の記憶を基にしている。その記憶にある映画と言えばスティーヴンのものばかりなんだ」とスピルバーグの存在の大きさを認める。

さらに、「この映画は僕自身が12〜13歳だった頃を思い出すだけでなく、いま実際にその年頃である子供たちの目線で世界を描くことが大切だった」と語るリーヴス監督。そう、何と言っても注目してほしいのが、二作で描かれる少年の淡い初恋と成長、そして親子の物語だ。『モールス』の主人公・オーウェンは、精神不安定の母親と2人きりで暮らす、孤独な少年。町を脅かす連続猟奇事件と想いを寄せる少女・アビーの秘密を知ったときの彼の決断が物語のカギとなる。一方、『SUPER 8/スーパーエイト』で描かれるのは、母親を亡くした少年・ジョーと映画撮影仲間のアリスの初恋。こちらでは、彼が謎のモンスターにさらわれてしまったアリスを助けにいく姿が描かれる。2人の少年のピュアな初恋に、マット少年とJ.J.少年の微笑ましい姿を重ねてみるのも、おもしろいかもしれない。

また、少年時代の2人の想いを表すアイコンとして、彼らが取り入れたのが“ヴァンパイア”と“エイリアン”。人を脅かす恐怖の存在として描かれるのはもちろん、それだけに終わらず、実は彼らが思春期に経験した心の痛みや混乱という、大人になる過程へのメタファーとして登場しているのも興味深いところだ。ちなみに、アイコンと言えば、二作に共通して登場するのが、70年代末から80年代に一世風靡した「ルービックキューブ」。どこに出てくるかは、見てからのお楽しみ!

『SUPER 8/スーパーエイト』はTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開中。『モールス』は8月5日(金)よりTOHO シネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開。見比べれてみれば、きっと違ったおもしろさが発見できるかも?

《シネマカフェ編集部》

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