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【インタビュー】『ブラックパンサー』第2班監督、日本で撮影するなら“北海道”?

『ブラックパンサー』、“セカンドユニット”(第2班)監督として韓国・釜山での、クールでアツいカーチェイスシーン担当したダリン・プレスコットが、シネマカフェのインタビューに応じた。

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『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018 全 16 枚
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『ハリー・ポッターと死の秘宝PART 2』を抜く全世界興収歴代9位を記録し、マーベル・スタジオ制作の単体ヒーロー作品としても歴代NO.1を達成する特大ヒットとなった『ブラックパンサー』。全米の「MTVムービー&TVアワード」ではベストムービー賞、ベストヒーロー賞など4部門を受賞する圧倒的人気を誇り、Twitter社が「世界で最もツイートされた映画」と発表するなど、いまや世界的な社会現象となっている。

そんな本作の見どころの1つは、韓国・釜山という都市部で大々的に行われた、クールでアツいカーチェイスシーン。映画全体を俯瞰するライアン・クーグラー監督のもと、このシーンを“セカンドユニット”(第2班)監督として担当したダリン・プレスコットが、シネマカフェのインタビューに応じた。

■『ブラックパンサー』記録的大ヒットの要因は?


漆黒の戦闘スーツを身にまとった“ブラックパンサー”とアフリカの超文明国ワカンダの国王、2つの顔を持つ主人公ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)が祖国の秘密を守る“使命”に葛藤しながら、世界を救うため成長していく姿を描いた本作。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018主人公ティ・チャラ/ブラックパンサーを演じたチャドウィック・ボーズマン
「完成した本編をプレミアで初めて観たとき、全身に鳥肌が立つほど感動したのをいまでも鮮明に覚えています」とダリンは語る。「こんな規模の成功は誰もが予想していませんでした。月並みなフレーズとは言え、まさしく“嬉しいサプライズ”といった感じで、この映画に携わった人々は皆、心底興奮しています」と、『ブラックパンサー』の大成功を口にする。

その要因としては、「ライアン・クーグラー監督のストーリーテラーとしての並外れた才能に依るところが大きいと思いますね。彼は本作で、マーベル・シネマティック・ユニバースを新たな次元に押し上げたと言っても過言ではありません」とダリン。また、これだけのアフリカ系俳優が主要キャラクターを占めるヒーロー映画は、かつてないこと。「全く新しいタイプの映画が、はたして世界中の観客に受け入れてもらえるだろうか、という不安があったのは確かです。とはいえ、素晴らしくよく出来たストーリーだったので、そうした人種的・文化的背景といったものが、さほど障害にならないだろうという確信もありました」と言う。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
これまでにも『ジョン・ウィック』シリーズ2作品や『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ベイビー・ドライバー』などの話題作でセカンドユニット監督を務めてきたダリンは、「こうしたある種、実験的とも呼べる映画が、メインストリーム作品として世界中の人々に抵抗なく受け入れてもらえる時代が来たんだな、と、個人的に感慨深いものがありました」と言葉に力を込める。「世界中のあらゆる人々が、先入観や偏見にとらわれることなく、上質な1本の映画として純粋に楽しんで観てくれたというのは実に喜ばしいことだと思っています」。

■「最も挑み甲斐、やり甲斐のあるチェイスシーンだった」


そんな本作で「最大の見どころの1つだと自負しています」と語り、「よくもあそこまで大掛かりな撮影をやらせてくれた」と笑顔を見せるのが、ワカンダの希少鉱石ヴィブラニウムを盗んだユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)を追うティ・チャラとナキア(ルピタ・ニョンゴ)、オコエ(ダナイ・グリラ)らの釜山でのカーチェイスシーンだ。


「アクションの観点から言うと、おそらくいままで携わってきた中で最も挑み甲斐、やり甲斐のあるチェイスシーンだったのではないかという感はありますね」と自信を覗かせるダリン。「実はそもそも、昔からブラックパンサー(原作コミックス)の大ファンだったこともあって、ティ・チャラのキャラクターにも作品自体にも、個人的にひときわ思い入れが強かった」のだという。

「それに加えて、クーグラー監督の大ファンでもあったので、大好きなブラックパンサーが主人公の映画でクーグラー監督と仕事が出来る、そんな夢のようなチャンスを逃す手はないと思い、飛びついたわけです。クーグラー監督と一緒に仕事をしたいまでは、以前にも増して彼の虜になってしまいました。この先、彼の監督作だけしか仕事がなくても構わないと思っているくらいです(笑)」と、ベタ惚れのジョークも飛び出すほど。

『ブラックパンサー』釜山メイキング -(C)Marvel Studios 2018『ブラックパンサー』釜山メイキング
「それはさて置き、この映画はそういった様々な点で、自分のキャリア上最も達成感の得られた作品であると同時に、過去に手がけてきた他のどの映画よりも誇らしく思える、特別な作品になったと言っても過言ではないでしょう。また、先ほども少し触れた通り、人種や文化、年齢や性別など、あらゆる垣根を取り払って退けたという点で、映画界に一種の革命をもたらしたヒーロー映画の金字塔として、映画史に名を刻む作品になるのではないかという期待感もあるんです。『これから何かが大きく変わる』と予感させてくれる、重要で意義のあるこの作品に携わることが出来て、心から光栄に思っています」。

『ブラックパンサー』(C)Marvel Studios 2018  MARVEL-JAPAN.JP/blackpanther

■ルピタ・ニョンゴやダナイ・グリラには「感心させられっぱなし」


そうダリンが言うように、本作においてはティ・チャラ/ブラックパンサーを取り囲む女性たちの活躍もまた目を見張る。オスカー女優のルピタが演じた女スパイのナキアや、「ウォーキング・デッド」でも知られるダナイが演じた親衛隊隊長オコエといった、本作を象徴する女性キャラクターたちは日本でも大きな注目を集めた。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018
「驚くほど仕事熱心なルピタとダナイとの撮影は、素晴らしい体験でした。2人共とにかくやる気満々で、私たちが当初想定していた以上のスタントをこなしてくれましたよ(笑)」とダリンは明かす。「演技力は言うまでもありませんが、それに加えて身体能力が非常に高いというのも、我々にとって大きなアドバンテージになりました。一般的に考えて、女優さんにはこれはちょっと無理だろう、といった過酷なスタントにも、臆することなく自ら挑戦してくれたので、その分アクションシーンの撮影における、私やスタント・コーディネーターの仕事もラクになりましたよ」と言うほど。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018ティ・チャラの元恋人で女スパイのナキアを演じたルピタ・ニョンゴ
2人はカーチェイスシーンでは、スタジオでグリーンスクリーンをバックに撮影を行ったが、「完成本編で見られる通りに、急な坂道を猛スピードで疾走するカーチェイスを、本物の車を使ってリアルに再現すべく努めました。(ブレを補正する)ジンバルを仕込んだランプを使い、道路上の隆起にぶち当たって車がバーンと弾んだり、グラグラ揺れたりする効果を作り出したのですが、実際にその車の屋根に立っていたオコエ役のダナイは、時々振り落とされそうになったりして、大変そうでしたけど(笑)。2人が難しいスタントを見事にこなしてくれたおかげで、真実味のある素晴らしいアクションシーンに仕上がったと思っています」と自信たっぷり。

『ブラックパンサー』-(C)Marvel Studios 2018国王を守る親衛隊隊長オコエ役のダナイ・グリラ
さらに、「監督が何らかの理由で立ち会えず、セカンド・ユニットの監督のもとでシーンやシークエンスを撮影するとなると、俳優らのテンションが一気に落ちる、というケースが多々あるのですが(笑)」と“ハリウッドあるある”にも言及しながら、「彼女たちに限ってはそうしたことも一切ありませんでした」とダリン。「セカンド・ユニットの撮影初日から、『さあ、行くわよ!』といった感じで颯爽と現場に現れましたからね(笑)。そういった仕事に対する姿勢も含めて、2人とも俳優としてだけでなく、人として本当に素晴らしくて、感心させられっぱなしでしたよ」。

■圧巻カーチェイスの裏で“猫砂4,000袋”が活躍!?


そして、「イースター・エッグとは呼べないかもしれませんが、釜山でのカーチェイスの撮影にまつわる裏話を1つだけ紹介しましょう」と話し始めたのは、まさにその、ナキアが運転するセダンの屋根にオコエが立ち、クロウが乗るSUVを追いかけるシーンについて。そこは「道路というよりは路地に近い、かなり狭い道」で、よりスリリングでダイナミックなショットを目指すべく試行していると、「セダンが垂直に立つほどウィリーしてしまったんです。一瞬空を飛ぶような形で跳ね上がり、着地した際、その衝撃でリアオーバーハングと燃料タンクが破損してしまい、ガソリンがドボドボと漏れ出しました。『これはヤバイ!』と焦る私をよそ目にそのまま走り続け、奇跡的にシーンを撮り終えることができましたが、いま考えたら、あの状態でよくラストまで完走できたと思いますよ」と激白。

『ブラックパンサー』釜山メイキング -(C)Marvel Studios 2018『ブラックパンサー』釜山メイキング
「本編の完成シーンでは、ドライバーの視点をメインで採用しているため、猛スピードで走る車の窓越しに流れ去っていく風景しか目に映らないとは思いますが、その裏にはそんなヒヤリとするエピソードがあったというわけです。でもさらに大変だったのは、ガソリンを撒き散らしながら走り続けたせいでベタベタになった1km近い路面の原状回復(笑)」。そのために、「釜山中を駆けずり回り、猫トイレ用の砂を4,000袋ほどかき集めた後、現場スタッフ総動員で道に撒いて歩くという、骨の折れる作業」があったのだとか。

『ブラックパンサー』随一の見せ場の裏で、まさかそんなことがあったとは! では、もしも日本で可能なら、どんな撮影をしてみたい? と尋ねると、「機会があれば是非やってみたい」とノリノリで応じ、「もし日本でロケ撮影をするならば、雪深い冬の北海道をロケ地に、スノーボードとスノーモービルを使った白銀のハイスピード・チェイスとかにトライしてみたいですね。最高にクールなチェイスシーンになるはず(笑)! 考えただけでワクワクしますよ」とダリン。

それはどんな作品となるのか、実現するときがいまからも楽しみだ。

『ブラックパンサー』は7月4日(水)よりMovieNEXリリース、先行デジタル配信中。

<『ブラックパンサー』リリース情報>
・7月4日(水)発売
『ブラックパンサーMovieNEX』/4,000円+税
『ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX』/7,800円+税
『ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX プレミアム BOX(数量限定)』/14,000円+税
・デジタル配信中

(C) 2018 MARVEL

《シネマカフェ編集部》

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