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【インタビュー】『ファンタビ』ダン・フォグラー&アリソン・スドル、“禁じられた恋”について考える

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で恋に落ちた、人間のジェイコブと魔法使いのクイニー。『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で彼らがたどる運命は? 来日したダン・フォグラーとアリソン・スドルが語る。

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アリソン・スドル&ダン・フォグラー『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』/photo:You Ishii
アリソン・スドル&ダン・フォグラー『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』/photo:You Ishii 全 14 枚
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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』のラストで、記憶を消されたはずのジェイコブは、消された記憶の一部であるべきクイニーの姿を見て微笑む。愛の力が勝ったのだろうか。その真相は『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で判明するが、人間のジェイコブと魔法使いであるクイニーの愛は前途多難だ。立場を超えて惹かれ合う2人の関係は、人間界においても魔法界においてもタブーでしかない。

ジェイコブとクイニーは“合理的にはなれない”恋人同士


「クイニーはもう少し上手くやるべきよね」と苦笑するのは、クイニー役のアリソン・スドルだ。「でも、恋い焦がれているときって、精神状態が複雑になるものでしょう? 些細なことで、心を乱したりもする。友達同士の場合はそんなことにはならないのに。自分の素晴らしい面が顔を出すこともあれば、最悪の面が顔を出すこともある。恋をするって、そういうことだと思うわ。恋する自分と距離を置くことも、ときには大事なのだけど」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 (C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
アリソンの言葉が示唆するように、ジェイコブとクイニーの間には少々の溝がある。傍から見れば、以前もいまも彼らは間違いなく愛し合っているのに。ジェイコブ役のダン・フォグラーも、「恋人同士にはよくあること」とアリソンの隣で溜め息をつく。「ジェイコブの気持ちを代弁させてもらうなら、彼は運命をいじりたくないんだ。余計なことをして現状を壊したくないから、2人の関係を隠したままでいたい。心配なんだよ。でも、そもそも2人の秘密はあまりにも大きなもので、隠し通そうとすることすら合理的じゃない。よく考えれば分かることなのにね。でも、それこそが典型的な恋人同士。恋人たちは合理的にはなれないものだよ」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 (C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
「こうすべきという結論に、2人ともたどり着けないでいるの。私としては、2人が幸せになれるよう願っているのだけど」と、ダンの言葉に続くアリソン。ハッピーエンドを望むアリソンに対し、ダンが何やら不穏な指摘をする。「前作のラストで、記憶を失ったはずのジェイコブがクイニーと目を合わせる。あのシーンが僕は大好きだ。でも、今作にちりばめられているのは、その前のシーン、つまりジェイコブが雨に打たれて記憶を失うシーンからのつながりを感じさせる描写だと思う。今度は、クイニーが雨に打たれるんだ。ジェイコブが振り向くと、クイニーがいない。そんな一瞬もあるしね。特に意味のある描写ではないかもしれないけど、僕はそれが何かを暗示しているような気がしてならない」。

シリーズの一員になれた奇跡「魔法って、本当にある」


ジェイコブ&クイニーを応援するシリーズファンは多い。それを知ってか不安を上手に煽るダンだが、ジェイコブとは違って彼自身はハッピー? 「おかげ様で収入も安定しているよ」と笑う。「それって、俳優には珍しいこと。来年も僕には仕事がある(笑)。しかも、世界的に評価されているシリーズの一員なのだから。その奇跡をいまも噛みしめている。撮影中はもちろん、こうしたインタビューの最中も、プレミアに参加しているときもね」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.
アリソンも同意見だ。「私は本当にクイニーのことが大好きなの。複雑で、演じがいのあるキャラクターだわ。彼女は魔法使いだけど、その魔法使いを私が演じられるなんて。魔法って、本当にあるのね(笑)。いい環境で働けているし、ファンの情熱も嬉しい。シリーズに参加できて、いいことはたくさんあっても、悪いことは1つもないわ」。

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.

来日中のカラオケがキャスト陣の絆をより深める!?


「共演者にも恵まれているしね。本当に素晴らしい仲間なんだ。昨夜もみんなで出掛けたよ」と続けるダン。2人を含むキャスト陣が来日したのは、このインタビューを行った2日前のこと。昨夜は東京の街で夕食とカラオケを楽しんだそうで、「みんなでレストランへ行き、そのままカラオケへ流れ…。素敵な時間だった」とアリソンが明かす。カラオケではちょっとしたハプニングもあったそうだ。「リモコンの操作方法がよく分からなかったの。誰かが『ホテル・カリフォルニア』を入れたのだけど、スペイン語バージョンになっちゃって。誰も歌えないから次の曲に飛ばそうとしたら、早送りになったわ(笑)」。

アリソンがこう言い終えるやいなや、スペイン語風(!?)の「ホテル・カリフォルニア」を倍速で歌い出す2人。ちなみに、昨夜のダンはドアーズの「ブレイク・オン・スルー」、ティナ役のキャサリン・ウォーターストンは「ちょっとイケナイ曲(ダン&アリソン談)」、アリソンはブロンディの「ハート・オブ・グラス」、ダンブルドア役のジュード・ロウはデヴィッド・ボウイの「ヒーローズ」を熱唱し、ニュート役のエディ・レッドメインはアリソンと『アラジン』の主題歌をデュエット。

アリソンいわく「彼はいつだってディズニープリンスみたいだもの」というエディをはじめ、キャサリンもジュードも「すっごく上手!」だったそうだ。もちろん、ダンがミュージカルでトニー賞受賞歴を持つことも、アリソンがミュージシャンであることも周知の事実で、それぞれの歌を再現してくれる際の美声ときたら。『ファンタスティック・ビースト』シリーズにミュージカルが誕生するのも、夢ではないかも?

『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』 (C)2018 Warner Bros. Ent.  All Rights Reserved.Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights (C)J.K.R.

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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