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趣里主演「東京貧困女子。」は他人事ではない現実…「知らないのなら知ってほしい」制作陣の思いに迫る

趣里を主演に迎えた連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」が、11月17日(金)23時より放送開始。「知らなかった」のなら、まずは「知ってほしい」と話す制作陣の思いを伺うとともに、本作の見どころを紹介

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連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」
連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」 全 9 枚
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朝ドラ「ブギウギ」のヒロインも話題の趣里を主演に迎えた連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」が、WOWOWにて11月17日(金)23時より放送・配信開始。

1億5000万PV突破のノンフィクションを映像化する本作を通じ、時代を斬る良質社会派ドラマを数々生み出してきたWOWOWでは生活不安のある方への当事者支援活動を行う【「女性による女性のための相談会」実行委員会】へ放送視聴料金の一部を寄付する取り組みをスタートさせる。「知らなかった」のなら、まずは「知ってほしい」と話す制作陣の思いを伺うとともに、本作の見どころを紹介する。


「東京貧困女子。」特設加入ページ

女性中心の制作陣から動き出した
貧困支援につながる取り組み


原作は、東洋経済オンラインの人気連載を書籍化した「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか」(原作・中村淳彦/東洋経済新報社刊)。貧困女性たちの心の叫びを丹念に聞き続けたルポルタージュ本をドラマ化する本作は、趣里さん演じる経済誌の契約編集者でシングルマザーである主人公・雁矢摩子が、三浦貴大演じるフリーライター・﨑田祐二とともに女性たちの現実を取材しながら、自らの目線や体感を通して、社会の矛盾や不条理、貧困問題の巧妙な仕組みを浮き彫りにしていく。

その制作陣は、企画・プロデュースの大木綾子氏や脚本の高羽彩氏(NHK「ここは今から倫理です。」)ら女性たちが中心だ。「制作の過程で、脚本家や演出、プロデュース陣らと自身の持っていた社会的スティグマを、包み隠さず話し合いました。この題材に取り組む中で、自然と必要だと感じての話し合いだったように思います。俳優陣ともそういった会話がなされ、それぞれの理解度や距離感を共有していきました」と、大木プロデューサーは話す。

さらに制作陣は、ドラマ化にあたって監修協力した「女性による女性のための相談会」実行委員会による当事者支援活動にも実際に参加し、取材を行った。「当事者支援活動の一端に触れ、他人事ではない現実が飛び込んできたことは事実です」とプロデューサーはふり返る。

「社会の仕組み、人が営みの中で作り出した支配関係など、『貧しさの複合的な絡み合い』を目の当たりにしました」といい、「漠然とした考えから、具体をもって考えるきっかけになったと同時に、この作品に込めたいテーマ『知ること、その先で考えること』と『人間の繋がり』の大切さを痛感しました」という。

日本社会ではいまもなお、女性というだけで年齢、立場、能力などによって社会的スティグマの対象となる。「見る方にとっても、その方の立ち位置、環境によって感じ方の振れ幅がとても大きな作品ではないかと認識しています」と語られるように、ドラマには実際の貧困女性をモデルにした様々な女性たちが登場し、様々な境遇と体験を語る。さらに、「原作ルポに加えたオリジナルの縦軸ドラマは、独自の取材に基づいて描いており、作品全体に、人間不在の隙は作らないリアルを意識していた」という思いがドラマには貫かれている。

いくつもの要因や状況が絡み合う、女性の貧困問題の根深さを体感した制作陣は、「WOWOWとして何かできることがあるのでは」と考え、「女性による女性のための相談会」実行委員会が行っている、相談会をはじめとした様々な女性支援活動への支援を決めた。

本作第1話の放送日である11月17日(金)正午から12月31日(日)23時59分までの期間内に特設ページから加入申し込みをすると、WOWOWの月額視聴料の10%(230円)が同実行委員会に寄付され、様々な女性支援活動に使用される。

まずは、このドラマを通じて「知ってほしい」、そして「知った先で、何でもいいから考えることのきっかけになれば」と力を込める大木プロデューサー。貧困は決して他人事ではなく、遠くの世界で起きていることでもない。女性たちの肉声をドラマとして発信することで、本作では「あなたは一人じゃない」というメッセージを主人公の編集者・摩子の視点から伝えていく。


「東京貧困女子。」特設加入ページ

趣里演じる、契約社員のシングルマザーが
たぐり寄せるリアル


「あんた、貧困を何だと思ってる?」。ドラマ冒頭に象徴的に登場する新宿・歌舞伎町で、ライターの﨑田祐二(三浦貴大)が連載企画「女性の貧困」の担当編集・摩子(趣里)にそう言い放つシーンがある。確かに、当初の摩子は何も知らない側にいた。

離婚を機に復職し、経済誌の契約編集者となった摩子は“出戻り”と言われ、女性編集長からの「居場所をつくれ」とのアドバイスを受けて、普段の仕事の一環のつもりで最初の当事者に会いに行く。第1話に登場する、国立大学医学部に通うために風俗や“パパ活”で学費を捻出する広田優花(田辺桃子)だ。

﨑田祐二は取材謝礼の1万円を早々に、彼女に渡す。それを丁寧に確認する優花にとっては、自身の尊厳を傷つけることのない貴重な収入である。優花は淡々と、父親がリストラされ両親とも非正規雇用であること、稼げる職業に就くために医学部を選んだこと、学費や実習教材費を合わせると月5万円のアルバイトでも足りないことなど自身の境遇を話していく。

だが、そんな優花のインタビュー記事が公開されると、“とある部分”が理由で炎上してしまう。摩子は祐二の反対を押し切り謝罪と記事の削除を優花に申し出るが、本人からの言葉は思いも寄らないもので自身の浅はかさと偏見を痛感する。「貧困は自己責任」といいながら、この社会は優花のささやかな、ごく普通の学生としての望みさえも許さない。摩子も、そんなバイアスを抱いて彼女と向き合っていたのだ。

また、第2話に登場する、受験生のひとり息子の教育費のために“パパ活”をしているシングルマザー・村上葵(東風万智子)は、「しんどい思いをするのは私たちで止めないと」と話す。

夫が職場でパワハラに遭い、うつになって離婚。葵の学歴では正社員になることができず、収入も上がらない。そこでセックスワーカーとして働き始めるが、“どうにもならない”状況にある、という。それでも、やめることはできない。親の貧困が子どもの選択肢や才能を奪い、生き方を狭めてしまう。優花のように次の世代へと連鎖してしまうからだ。

離婚した摩子自身も、ひとり娘を熟年離婚した母親・宮下菜穂子(高橋ひとみ)に見てもらいながら不安定な契約編集者として働いている。金額を気にせずに優雅なランチタイムを過ごす友人たちに引け目を感じ、離婚や引っ越しでやめさせることになった娘の習い事に頭を悩ませている。

“何も知らない”人からは「子育て中は契約社員が気楽でしょ」とまで言われる。それに(コロナ禍で改めて身に染みた方は多いと思うが)子どもを抱えながらの在宅ワークは絶対に「気楽」ではない。だが、保育園で新型コロナ感染者が出れば、在宅ワークするしかなく、シッターを頼む余裕すらない。

初め取材する女性に対して一線を引いていた摩子は、実は自分もそのボーダーライン上に立っていることに気づいていく。制作陣がドラマに加えた“オリジナルの縦軸ドラマ”とは、摩子自身が直面する女性の貧困問題である。このドラマでは摩子の視点を通して、貧困に「女性の」という枕詞がつくことの意味にも踏み込み、仄暗い現代社会の暗部で生きている女性たちをはっきりとした輪郭で“自分事”までたぐり寄せる。

主人公・摩子を演じた趣里さんは、快活で自由な朝ドラのキャラクターとはまるで違う、社会の仕組みや既成概念にがんじがらめとなっていた女性から、目の前が開けた後の前向さまで見事に体現。

共演経験が多く、旧知の仲である三浦さん演じる祐二とは、最初はぶつかりながらも名コンビになっていく。祐二が実は贖罪のような気持ちで貧困女性たちを追っていることにも物語は触れている。

貧困当事者の女性たちを演じるキャストにも注目だ。ドラマ「silent」チームによる「いちばんすきな花」をはじめ話題作に続々と起用される田辺桃子が演じるからこそ、優花が求める“普通”が際立つ。

さらに、役者復帰後、ドラマ・映画・舞台と幅広い活躍を見せる葵役の東風万智子、病を抱える姉を援助したことで貧困に陥る川上典子役の『ドライブ・マイ・カー』の霧島れいか、勤め先や家庭内でパワハラ・虐待に遭い、心が壊れてしまった三井恵子役の「鎌倉殿の13人」の宮澤エマらが、ときに一切の感情を殺して、ときにトラウマが蘇りながらも打ち明ける長台詞の中には、必ず、自分自身を照らす一節が存在しているはずだ。


「東京貧困女子。」特設加入ページ

連続ドラマW-30「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」は11月17日(金)より毎週金曜23時~WOWOWプライムにて放送(第1話無料放送)、各月の初回放送終了後、同月放送分をWOWOWオンデマンドにて一挙配信。

〈提供:WOWOW〉

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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