『皇帝ペンギン』レビュー
親が子を、子が親を、子が友達を……、我が日本では信じがたい事件が次々に報道される昨今だからでしょうか、親子愛、隣人愛に溢れた皇帝ペンギンたちの姿を描くこのドキュメンタリーに、より一層胸を打たれました。月並みな表現で恐縮ですが、こんなにピュアに感動したのは久しぶりです。営巣地へ向けて行進する群れの姿、やがて訪れる求愛のダンス、そして産卵、大切な卵を何ヶ月も食を断ち温める雄たちがブリザードからスクラムを組むようにお互いを助け合す一連の行為は、私には苦行・修行のようにもうつりました。そこに知恵や工夫による改善が入る込む余地はほとんどないのでしょう。しかし「自らを偉大なる存在と自認する人類よ、彼等の行為を“愚かなり”と奢った目で見ることなかれ」です。昨今の事件の話に限らず、我々人類が積み重ねる愚行の数々を省みて、皇帝ペンギンから私は学びたい。この夏、ぜひ親子でご覧いただきたい1本です。
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