『RENT/レント』レビュー
52万5600分。1年を分で数えるとそうらしい。「人生の1年をどうやって計る?」。そんな歌で幕を開ける『RENT』。のっけからバンバン歌い出すので驚いた。ミュージカル好きの人にはたまらなく嬉しい展開だと思うけど、ミュージカル慣れしていない私は、いつ歌い出すのかと内心ビクビク。少し音楽が流れ出すと「また歌うの!?」とかまえて疲れた。せっかく映画なんだから、もう少し普通のストーリーの部分があればよかったかな…。なんて書いたら、原作のファンに怒られるだろうか。いやいや、その歌、踊り、表情。全てすばらしい。どれをとっても切れ味バツグン、こちらのエネルギーを吸い取ってしまうほどパワフルでリズミカルだからこそ、もう少し緩急が欲しかった。
最新ニュース
コラム

ストーリーはNYのイースト・ヴィレッジで生活する、家賃(=RENT)を払えないくらい貧乏なアーティストたちの挫折、恋愛、苦悩などを明るく描い内容だ。そこには、ホームレス、HIV、ドラッグ、レズビアン、ゲイなど、さまざまな要素がフツーに絡んでいる。そして、観客は話が進むうちに、時間が有限であるとことを思い知らされ、好きな人と一緒にいられる時間の貴重さ、自分で一歩一歩を踏み出すことの大事さを気づかされる。ほんの些細な勇気があればいい。52万5600分。観終えたとき、その重さを噛み締めた。
《シネマカフェ編集部》
この記事の写真
/