「オダギリ君は、現場でビビッてましたよ」『HAZARD』オダギリジョー、ジェイ・ウェスト、深水元基、園子温監督初日舞台挨拶
センセーショナルな話題をさらった『地獄サークル』から4年、カルロヴィヴァリ国際映画祭で日本人初のW受賞に輝き、各国の映画祭で賞賛を受け続ける鬼才・園子温監督の描く青春群像劇『HAZARD』。公開初日となった11月11日(土)、主演のオダギリジョー、ジェイ・ウェスト、深水元基、園子温監督を迎えて舞台挨拶が行われた。
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作品が完成し、公開当日を迎えるまで4年もの歳月がかかったという『HAZARD』。1度は公開予定の報が出たが、それが流れると映画祭のほかは日の目を見ず、半ば“幻の作品”になりかけていた。園子温監督は「今観ると、僕の演出はストレート過ぎる。役者たちも若々しく、思い返すとちょっと恥ずかしい。例えば昔の本をパラパラと見ていたら、リーゼント姿の頃の自分の写真がバサッと落ちたような恥ずかしさがあったりして。そういう映画だなぁと思っています」と、製作当初から今までを振り返り心境を語った。
「アメリカのニューシネマが大好きで、ああいった青春ドラマを撮りたかった」という監督の意向で敢行されたニューヨークロケ。このロケの印象について、主人公・シンを演じたオダギリジョーは「アメリカの朝食はおいしかったですね。英語が通じず注文より多くきてしまったりして、食べ物には困らない現場でした。でも4年前の食事ですから、何を食べたかはあんまり覚えてないですね」と、とぼけた答えで笑いを誘った。主人公シンと共に“HAZARD”で生き抜くことを誓う仲間を演じる深水元基は、「よくジェイと一緒に、刺激的なクラブに遊びに行ってました」と劇中同様の絆の強さを見せた。
そんな和んだエピソードの一方で、『HAZARD』は「危険」という意味を持つタイトル。ゲリラ撮影での危ない体験談には事欠かない。「映画のテーマは、“青春は危険を顧みずに突き進んで行くべき”」と語る監督は、「現地の人にニューヨークで最も危険な場所を聞いて、そこで撮影するよう心掛けた。現場では本物の撃ち合いが起きたりもしたが、安全な場所で撮影すると映画の雰囲気も変わってきてしまうので、現地の人に止められても決行した」と、劇中の主人公にも負けないほどリアルな危険を追い求める姿勢を見せた。
演じる側のオダギリさんは、「知らずに危険な場所に連れていかれたので、本当に死ぬんじゃないかって怒りに震えてましたね。本物の拳銃を持って走らされたんですよ。こりゃ撃たれてもしょうがないなって思いながら撮影に臨んでいました」と、その恐怖を語る。監督が「オダギリ君は、現場でビビッてましたよ。だからその辺にいたおじさんを指差して、『あれは私服警官だから、いざとなったら守ってくれる』って嘘ついてました(笑)」と打ち明けると、「あれ嘘だったの!?」と、すかさず俳優陣からの突っ込みが入った。
4年前はちょうどテロから1年経った頃で、雰囲気は重かったというニューヨーク。撮影を無事終えて、4人揃って公開初日を迎えられたことが奇跡とも思えるコメントが、次々飛び出した舞台挨拶となった。
《シネマカフェ編集部》
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