金髪と青い目のボンドが初登場『007/カジノ・ロワイヤル』レビュー
シリーズ21作目にして原点回帰を果たした、世界中で愛されるスパイ.アクション『007』。今回描かれたのは、初めて任務を遂行するジェームズ・ボンド。彼がいかにして完全無欠のヒットマンになっていったかのルーツをたどった快作だけに、『007』シリーズを見たことがないという人にもうってつけの作品になるかもしれない。
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『スター・ウォーズ』のユアン・マクレガーがオファーを断ったという6代目ジェームズ・ボンド役には、『ミュンヘン』のダニエル・クレイグが扮する。ド派手なアクションやカーチェイスなど“動”の部分はもちろん、ストーリーの重要な場面で、プレイヤーの心理戦や駆け引きが繰り広げられるポーカーテーブルは“静”の部分。そのコントラストにもグイグイ引き込まれる。
テロ組織に資金を提供している黒幕を倒すべく、大きな賭けが行われているカジノへ送り込まれたボンドが、頭脳を駆使して危険な勝負に挑むが…。偉大なる先代たちの存在が大き過ぎるせいか、“金髪と青い目のボンドが初登場”という、ダニエル・クレイグにとっては少々不本意な注目のされ方をしたのも事実。しかし、そんなことお構いなしにニュー・ボンド像を作り上げた彼自身のオーラと、『007/ゴールデンアイ』以来、11年ぶりに“老舗スパイムービー”に着手したマーティン・キャンベル監督の意気込みに触れてみたい。
《text:Shin Kumagai》
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