ハンカチをお忘れなく!『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』レビュー
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』には泣かされっぱなしだ。原作を読んで泣き、テレビの特番で泣き、続く連ドラでも泣き、この映画でとどめを刺される。すでに知っているストーリーであるのに何故こんなに泣いてしまうのか──それは、リリー・フランキーのオカンが自分の母親に、そしてボクが自分自身として投影されるからに他ならない。随所で“母親の偉大さ”を感じ、いつの間にか樹木希林のオカンの顔が自分の母の顔にすり替えられ、涙が止まらなくなってしまうのだ。
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とは言っても、原作を超えることはなかなか難しい。しかし、このキャストだからこそ感動を引き出せるという、映画ならではの感動もある。“ボク”を演じているオダギリジョーはさすがだな〜と感心し、名バイプレイヤーとして活躍してきた樹木希林は、彼女を映画の中心に据えるとこんなにも温かい空気が流れるものなのかと驚く。オカンの若き日を実娘である内田也哉子が演じているリアリティもいい。他にも「えっ!?」という顔ぶれが続々登場する点も映画ファンにはたまらないはず。
最近は“泣ける映画”が多く作られていることもあって(実際に泣けるかどうかは不明)、「号泣です」なんていう謳い文句が付いていると逆に「泣いてたまるか!」とちょっとした反発精神が芽生えたりもすることもあるが、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』はどう抵抗しても無駄だった。「ハンカチをお忘れなく」。これも泣きを誘う言葉としてよく使われていて「また?」と言いたくなる人も多いだろう。でも、ハンカチなしだと本当に大変なことになるので、お忘れなく!
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