正統派美形のカン・ドンウォンが難役に挑んだ『私たちの幸せな時間』
いわゆる“いい男”であり、しかも演技力も兼ね備えている俳優は、ある時点にさしかかると美貌を封印しようとする傾向がある(と思われる)。それは外見ではなく中身(演技)を見てほしいからにほかならないが、少し昔でいうとブラッド・ピットなどがそうだった。そして現代の韓国の俳優、カン・ドンウォンもそのひとりと言える。
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
モデル出身、2005年に公開された『デュエリスト』では美しい刺客を演じ、女優に負けず劣らずの妖艶さを見せつけた、正統派の“美しい男”である。しかし、本作『私たちの幸せな時間』で彼が挑むのは殺人者で死刑囚という難役。過去の作品を観ている人にとっては、頭を刈り、囚人服をまとった彼の姿に驚く人もいるだろう。
刑務所暮らしで生きる希望を失ったユンスの前にある日、自殺を繰り返す女性・ユジョンが面会に訪れる。貧しく不幸な生い立ちの男と、裕福で華やかに見える女。全く異なる人生を歩んできた2人の唯一の共通点は、人生に絶望しているということ。そんな彼らが毎週木曜の10時から13時の面会時間を一緒に過ごすことで、徐々にお互いの過去、本当の気持ちを語り始める。やがて幸せな時間が流れるようになるが、それは永遠ではなかった…という切なくも愛のあるラブストーリーだ。
夏の大作映画が続々と公開される時期ではあるが、愛や幸せについて考えたい、人生を見つめ直したいという人には、この韓国映画をおすすめしたい。
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