【ヴェネチア映画祭レポートvol.11】まだまだ続く、ヴェネチア・サプライズ
続くサプライズは、男優賞がブラット・ピット(『アサシネーション・オブ・ジェシー・ジェームズ・バイ・カワード・ロバート・フォード』)、女優賞がケイト・ブランシェット(『I’m Not There』)と、『バベル』の夫婦コンビだったこと。『バベル』の監督、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが審査員だったから、というわけではないとは思うけど。
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ケイトは男装してボブ・ディランに扮し、『ラスト、コーション』の新人女優、タン・ウエイと並んで下馬評にあがっていたが、ブラピは想定外だった。私としては『In the Valley of Elah』で失踪した息子を探す父親を演じたトミー・リー・ジョーンズか、『ラスト、コーション』のトニー・レオンの一騎打ちだと思っていたんだけど。
もっともこの受賞は本人たちにも想定外だったよう。ブラピは公式上映後にトロント映画祭へ向かい、ケイトはそもそもヴェネチア入りしていなかったため、両者とも不在という淋しい結果に。ただしケイトの代理として共演者のヒース・レジャーが登場。どうやらあまりのサプライズで正装を用意してなかったらしく、半ズボン姿だったのがご愛嬌だ。
また『12』でコンペに参加していたロシアのニキータ・ミハルコフ監督には、特別獅子賞が贈られた。これは『12』単体ではなく、監督のこれまでの作品すべてを称えての特別賞とのことだが、おそらく『12』が『十二人の怒れる男』のリメイクだったため正賞を贈るのがためらわれ、こうした形になったのでは? だが、『12』はリメイクとはいえ、現在のロシアの状況を反映させつつ、娯楽性にも富んでおり、ミハルコフの実力を見せ付ける好編だった。
写真は『I'm Not There』の会見にて左からヒース、トッド・ヘインズ監督、リチャード・ギア。ケイトの代理で登場したヒースは、授賞式にもこんな格好で登場したらしい。
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