残暑見舞いに異色のホラー! 堺雅人の邪悪な笑顔にご用心『壁男』初日舞台挨拶
カルト的な人気を誇る諸星大二郎の漫画を原作に、壁の中に潜むと言われる“壁男”の都市伝説を巡って繰り広げられるドラマを描いた異色のホラー『壁男』。先日の札幌における先行上映に続いて9月15日(土)、いよいよ都内でも公開を迎えた本作。上映劇場のテアトル新宿では舞台挨拶が行われ、主演の堺雅人と早川渉監督が登壇した。
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夜の9時を過ぎてからのレイトショーでの公開にもかかわらず、会場は立ち見が出るほどの大盛況。強烈なインパクトを持つ原作の根強い人気に加え、近年、数々の舞台やドラマ、映画で印象的な演技を見せる堺さんの人気の高さを見せつけた格好だ。この盛り上がりには堺さんも驚いた様子。「ようやくこの日が来たという感じで僕自身、首を長くして待っていた部分があるのですが、これだけ多くの方に観に来ていただいて感無量です。これで、作り手から観客のみなさんに作品というバトンを渡せると感激しています」と初日を迎えた喜びととも、観客への感謝を口にした。
堺さんは作品のキーワードとして、原作にはない“札幌”という舞台設定を挙げてくれた。「原作と脚本を読んでの第一印象は“物語として完成した話”というものでした。ここに札幌という要素が入ることで、何が変わって何が変わらないのか、一つの実験として興味深いものがありました。原作のファンの方にもぜひ観ていただいて何が変わっているのかを確かめてほしいと思います」。
早川監督は映画化の構想、そして脚本作りの段階から堺さんの起用を念頭に置いていたという。ポイントは「にこやかでありつつ、邪悪で影のある瞳」なのだとか。映画の見どころについても「小野(真弓)さんの持つ温かさと、堺さんが見せるマイナス15くらいの笑顔の冷たい感じ。この2人の温度差を感じてほしい」と堺さんの存在の大きさを強調した。
監督のこの言葉に堺さんは「“邪悪な”ということについてはどう受け取ったらいいんだろうという感じもありますが(笑)、監督に言われたことをやるのが役者の仕事。監督、そして映画を観る人のいろんな思惑が、そこに意味を付けてくれるものだと思っています。いろんな面を見出していただけるのは、役者として幸せなことです」。最後に堺さんが、つめかけた観客に向けて「撮影は1年半くらい前だったんですが、本当に寒い中で行いました。その映像を、まだまだ残暑の厳しい東京で観るというのも、それはそれでオツなものだと思います。ぜひ楽しんでください」と呼びかけると、会場からは拍手と歓声がわき起こった。
『壁男』はテアトル新宿にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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