「日本の俳優は大人でジェントルマン!」ヴィッキー・チャオが『夜の上海』を語る
中国を代表する女優、ヴィッキー・チャオ。『少林サッカー』のボウズ頭の女の子のイメージが強いかもしれないが、素顔は本当にキュート。そんな彼女が日中合作作品の『夜の上海』で本木雅弘と共演した。ちょっと男勝りで、だけど幼なじみに恋をしているリンシーを演じたヴィッキーに話を聞いた。
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「最初はそれほど出演したいと思わなかった」と言うヴィッキー。だが、日本側のプロデューサーの熱意が通じてリンシーというタクシードライバーを演じることになった。
「そのときは、ほかの仕事も抱えていたので、『夜の上海』への出演は物理的に難しいんじゃないかと思ったんです。でもそのプロデューサーの方が誠意を持って、何度も北京に飛んできてくださったんです。彼は私以外にこの役に適した女優はいないと考えてくださっていたので、その正直さや熱意に感動して出演することに決めました。それからストーリーも気に入りました。そんなに激しいシーンがなくて静かに話が進むのに、非常に温かさが浮かび上がってきて、それに心を打たれたんです」。
2004年にも、『ヘブン・アンド・アース』で中井貴一と共演しているヴィッキー。日本人俳優とのコミュニケーションは大丈夫だったのだろうか?
「本木さんも中井さんも英語がお上手ですよ。それに日本の俳優さんはとても大人でジェントルマンでしたので、人の面倒を見るのが上手なんですね。今回も撮影の雰囲気が非常に良かったので、みんなが打ち解けて撮影することができたんです」。
監督は『アバウト・ラブ/関於愛(クワァンユーアイ)』(上海編)のチャン・イーバイ。監督はオープンで、自由に演じさせてくれたそうだ。
「その一方で、とても厳しい方でもあるんですよ。私が一生懸命演じても、『つまんない』という一言で片付けられてしまったことも何度もあったんです。“『つまんない』なんて言われてたまるか!!”ってかえってチャレンジ精神が刺激されました(笑)。本木さんといろいろ話し合って、どうやったらこのシーンを面白く見せられるか、どんどんチャレンジしていったんです。静かでシンプルな物語に、どうやって面白さや深みを出すかが大きなテーマでした」。
とはいえ、リンシーはごくごく普通の女の子でもある。“面白く”というのは簡単だが、やはり“等身大”のキャラクターにはそれなりの難しさがある。
「世間一般的な見方で言うならリンシーは“失敗した人”なんだと思うんです。でも彼女はとてもポジティブで楽観的。生活水準が低くてかわいそうだからといって、かわいそうな感じで演じるわけにもいきません。やはり彼女の内面にある強さや彼女がいかにがんばっているかということを伝えなければならない、と思いました。彼女の職業であるタクシーの運転手というのは、男性の仕事です。だから私はあえて、彼女の豪快さ、男っぽさというのも出しました」。
『夜の上海』というタイトル通り、上海での一夜を描いている本作。しかもオールロケ。撮影中は昼夜逆転の生活を強いられた。
「大変どころか、本当に楽しかったんです。邪魔も雑音もなく撮影に集中できましたし。2か月もこのような生活を続けると、自分がほかの人たちとは違う人間になってきたとさえ思いましたよ。考え方も昔の自分と変わってきたように感じたときもありましたし(笑)。でも撮影が終わったら、普通の人間に徐々に戻ってしまった感じ。撮影が終了した後も1週間ぐらいは夜、眠れなかったんです。誰かを誘い出して外で遊んだりして(笑)」。
「日本が大好き」というヴィッキーは、にこにこしながら、いろいろとオープンに話してくれるステキな人だった。今後もいろいろな魅力で私たちを惹きつけてくれるに違いない。
《photo:Yoshio Kumagai》
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