“元・俳優”石原節炸裂「おれに撮らせろ！」東京国際映画祭「映画が見た東京」会見

最新ニュースレポート

注目記事

2007.10.18 Thu 10:17

東京国際映画祭第20回記念企画「映画が見た東京」記者会見に出席した岡田裕介実行委員長、司葉子、石原慎太郎全 3 枚

10月20日（土）に開幕する東京国際映画祭。今年でついに第20回を迎えるが、これを記念した特別企画として本映画祭の期間中、戦後から今日に至るまで東京を舞台にした映画を上映する「映画が見た東京」が開催される。開幕を直前に控えた10月17日（水）、特別記者会見が開催された。東京国際映画祭のチェアマンを務める角川歴彦の挨拶に続いて、実行委員長で東映社長の岡田裕介、さらにゲストとして現都知事の石原慎太郎に女優の司葉子が登場。映画を通しての東京の在りし日、そして今について大いに語ってくれた。

登壇して開口一番「元・俳優の石原です」と挨拶した石原都知事。実は、本企画で上映される51作品の中の『赤頭巾ちゃん気をつけて』（'70）と『危険な英雄』（'57）は石原都知事と岡田さんが若かりし頃にそれぞれ主演を果たした作品。会見中に映像の一部が上映されると、ちょっぴり照れくさそうな表情を見せながら、『危険な英雄』で共演した司さんを交えて当時の思い出話に花を咲かせた。石原都知事曰く「あの（早口な）セリフ回しは当時の流行でね。（弟の石原）裕次郎がああいうしゃべり方を始めて、つい私もつられたけど、本当はもっと深い演技ができたんだよ」とのこと。ちなみに司さんはこの作品で石原都知事を相手に、スクリーンで初めてキスシーンを披露している。司さんは懐かしそうに「プロデューサーから『石原さんからの指名だよ』と言われてとても光栄でした。その前の（石原都知事が原作・主演の）『日蝕の夏』では初めて水着を着まして、石原さんと葉山で撮影したのを覚えております」とふり返った。さらに「ご兄弟揃って私を横浜のクラブに誘ってくださいまして」と当時のエピソードを明かしてくれたが、隣の石原都知事は照れっぱなしだった。

岡田さんは石原都知事の功績として「以前は都内での撮影のたびに、誰かが警察のお世話になって、ということもありましたが、今は石原さんのおかげで本当に撮影がしやすくなりました。日本のみならず海外の監督で『東京で映画が撮りたい』という方が数多くいらっしゃいますが、こうした要望にこれからも是非応えていきたいと思います」と語った。ちなみに今回の「映画が見た東京」の作品をパッケージにして海外に紹介するという企画も発表されたが「東京の良さを世界にアピールしたいし、この企画を第2回、3回と続けていきたいと思います」と意気込みを語った。

また、会見では3人それぞれが“お気に入りの東京”を語ってくれた。司さんは「昔植えられた街路樹が成長し、街と調和しているのが美しいですね。特に皇居周辺の景観は本当に素晴らしいと思います」と今の東京の美しさを挙げた。一方で岡田さんは「上京して初めて東京タワーに上り、そこから見た景色はきれいでしたね。『赤頭巾ちゃん気をつけて』の中にも『東京ってきれい！』というセリフがあるんですが、近代的なネオンに彩られた街がすごくきれいだな、という印象がずっとありますね」と語ってくれた。そして石原都知事は「レインボーブリッジから見た東京は新しいマンハッタン！　こうした新しい名所もあるし、あちこちに古き良き街並みも残ってるし、いろいろありますよ！」とまくし立てた。さすが東京の顔！　と思いきや、話が盛り上がるにつれ“東京”から“映画”に思い入れの比重が傾いてきたのか「（政治家を）さっさと辞めて、映画監督やりたいね」と本音をポロリ。さらに「『硫黄島からの手紙』を観たけど、大したことなかったな。おれに脚本書かせてくれりゃおもしろいもの撮れるのにな」とも。半世紀前の『危険な英雄』の頃から全く衰えぬ映画への情熱を垣間見せてくれた。

東京国際映画祭第20回特別企画「映画が見た東京」は10月20日（土）から10月26日（金）まで開催される。

東京国際映画祭第20回特別企画「映画が見た東京」
開催期間：10月20日（土）〜10月26日（金）
会場：Bunkamura ル・シネマ、オーチャードホール、TOHOシネマズ六本木ヒルズ
http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/title.php?lcat=6

「東京国際映画祭特集」
http://blog.cinemacafe.net/tiff2007/

《シネマカフェ編集部》