歌う映画vol.4 没後30年、いまでも生で聴きたい歌姫
「歌う映画」最終回は、マリア・カラスにまつわる映画です。昨年、アート系映画を取り上げたときにも、『マリア・カラス 最後の恋』をご紹介しましたが、今回のコラムのお題が「歌う映画」である以上、これを外すわけにはまいりませんので、再度の登場です。
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20世紀最高のディーヴァ(歌姫)といえばこの人。彼女は30年前に亡くなっていますから、もう生でその美声を聴くことはできません。1960年頃からは声の急速な衰えに悩まされていたようですが。まあ、それでもやっぱり生で聴いてみたかったという想いは募ります。
日本を代表する音楽評論家の吉田秀和氏は、1983年、80歳を目前にして初来日したピアニストのウラディミール・ホロヴィッツの演奏を“ひび割れた骨董品”に例えました。ひび割れがあるが、聴く人によっては値打ちがあるものだと。
もしかすると、カラスの歌声もある時期を境に、骨董になっていたのかもしれません。最盛期の輝き、艶を知る人にしてみれば、寂しいものではあるでしょうが、個人的には、マリア・カラスというひとつの歴史を目撃し、耳にしたかった。その伝説に、少しでもいいから触れてみたかった…。ほんのかすった程度でも、確かに同じ時代に生きていたというだけで、悔いは残るものなのですね。
その豊か過ぎた才能ゆえなのでしょうか、その人生は波乱に富み、54年という短いものでした。でも、没後30年経ったいまでも、人を「劇場で聴きたかった!」という気にさせるマリア・カラス。やっぱりすごいです。その魅力にぜひ映画を通して触れてみてください。
今後は、吉田拓郎の名曲で綴る団塊オヤジの奮闘期『結婚しようよ』や、若手注目株の夏帆が主演の爽やか合唱青春映画『うた魂(たま)♪』など、“歌う映画”が続々公開予定。歌好きなみなさん、劇場で会いましょう。
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