世界の映画館vol.15 ロンドン「いままで出会った中で一番、高い入場料!」
「世界一物価が高い都市はどこだろう?」という話になると、「東京」、「パリ」と共に必ず「ロンドン」の名前もあがる。少なくとも僕が、セカイサンポで周遊している都市の中では、ロンドンのオデオンシネマが一番、映画館の入場料が高い。日曜日に一番高い指定席で観ようと思ったら、19ポンド(約3,800円)を握りしめてレスタースクエア駅までお越しください。ミュージカルなどの劇場チケットが半額で手に入るチケット屋が建ち並ぶ中を抜け、レスタースクエア広場まで来たら、「オデオン・レスター・スクエアー」のシネコンが目に入るはずです。イギリス映画、ハリウッド映画どちらも上映しております。
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
というわけで、僕も19ポンドを握りしめてレスタースクエアの映画館に向かった。しかし、受付の男性は、その席はないと言う。そんなに19ポンドの席は人気があるのだろうか。そうなると余計に観たくなる。夜にしようかと思ったのだが、すでにミュージカルを観る予定がある。改めて明日、出直そうかとも思ったが、結局、安い9ポンド(約1,800円)を選ぶことにした。
客席に入ると19ポンドの席がない理由がわかった。僕が選んだホラー映画は50名程度のミニシアターだった。これでは19ポンドの席がないはずである。逆に、これで高い席の料金を支払っていたら、怒り狂いながら、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と『ゾンビ』を足して2で割ったようなホラー映画を観ていただろう。
終演後、劇場の外に出ると、入るときは晴れだったのに、雨が降り始めていた。いかにもロンドンらしい天気である。雨宿りがてらオデオンシネマに隣接しているパブに入り、2ポンド(約400円)の生ビールを飲む。そういえば、このオデオンシアターの近くに1.5ポンド(約300円)で少し古い映画が観られる「プリンスチャールズシネマ」なる映画館もある。700円でビール1杯飲み、映画を観ることができるロンドンの物価について改めて考えながら、もう1杯、ビールを注文するのであった。
(text/photo:ishiko)
《シネマカフェ編集部》
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