「現場はドキュメンタリーのようだった」新聞記者・堤真一『クライマーズ・ハイ』
1985年夏、群馬の地方紙の社会部記者として日航機墜落事故に遭遇し、取材に携わった作家・横山秀夫。彼自身の体験を基にした衝撃作「クライマーズ・ハイ」が映画化され7月5日(土)に公開を迎えた。主演の堤真一、堺雅人、高嶋政宏、尾野真千子、でんでん、マギー、そして原田眞人監督が初日舞台挨拶に登壇した。
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2007年の7月5日にクランクインした本作。ちょうど1年後に初日を迎えたことについて主人公の悠木を演じた堤さんは「やっと始まったという感じです。僕はもうこれ以上何も言うことはありません。感じていただければそれで結構です。僕は本当に満足です」と充実した表情で挨拶。まるでドキュメンタリーを観ているかのような緊迫したシーンについて聞かれると、「現場もドキュメンタリーでしたね(笑)」とコメントした。「原田監督の現場は、普通の監督と違ってまして、ワンシーン、ワンカットなんです。役者がセリフを間違えようが忘れようが、段取りが狂おうが、とにかく最後まで続けるのが原田組の特徴でして。何かミスが起きたときにどう対処するか、ということまで強いられる状況で、編集局にいる50人近い役者さんたち全員がそれに対応できる状態の中で生まれた緊張感ですので、本当の意味でリアルというか、ドキュメンタリーでした」と苦笑いしながら説明した。
新人記者・玉置を演じた尾野さんは、男性ばかりの現場でも元気だったようで、「本当に男くさーいところにいたので(笑)、役者のみなさん、そしてこの登場人物たちに、女として負けないようにしようと思った」と、その役作りについて語った。
悠木の親友である安西役の高嶋さん。本作のオファーがあったときの気持ちを「やっぱり僕の高校時代に衝撃を受けた大惨事だったので、本当に驚きと感動を覚えました」と話した。
悠木の勤める北関東新聞社の整理部部長・亀嶋役のでんでんさん。劇中でのランニング姿が印象的だ。「監督にランニングでいいですか? って聞いたらオッケーが出まして。ランニング姿っていうのは、あれで暑い日だって表現できるからいいですね(笑)。ランニングにして良かったです」と笑った。
同じく整理部所属の吉井を演じたマギーさんは、撮影の裏話を披露してくれた。「でんでんさんが、似顔絵を描くのがお上手なんですね。それで、50人の役者、多分ほとんど全員の似顔絵を描いて、撮影中にみんなに渡していたんです。僕もいただいてすごく嬉しかったんですけど、撮影中に渡したってことは、あれ本番中に書いていたと思うんですよね。みんなが本気で闘ってぶつかり合っているときに、でんでんさん、似顔絵書いてたんですか?」
この問いかけにでんでんさんは…「似顔絵を本気で描いてたんだよ!(笑)」。
そして社会部所属の佐山記者を演じた堺さん。悠木と佐山のぶつかり合いは本作の見どころの一つだ。「本当に緊迫感のある撮影現場だったので、演じていて面白かったし、楽しかったです」と撮影をふり返った。「本気で仕事をやってらっしゃる方というのは、やっぱり本気の目をしているというか、取材のために何人かの事件記者の方とお会いしたんですけど、彼らの仕事にかける熱意だとか、本気さを感じ、あのシーンに反映できたような気がします。本気の男たちが本気で働くって、それだけで人を感動させられるんだと、演じていて感じました」と、本作の熱さを語った。
舞台挨拶に登壇した俳優以外にも数多くの人物が登場する本作。その演出について原田監督は、「準備の段階でリハーサルを立ち上げてましたから、現場は比較的楽でしたね」とあっさり。しかし、「現場では、誰かセリフをとちるんじゃないかなと僕は手に汗握っているだけで」と笑った。「日航機墜落事故の第一報のシーンが、いかに臨場感あふれる場面になるか。そこが映画を作るときの勝負どころだと思っていたので、あのシーンが一番緊張しましたけど、それを上手く越えてからは、俳優たち、スタッフたちとの間にも信頼感が生まれていたので、その勢いで押せ押せってなってましたよ」と、撮影をふり返った。
その原田監督が「ちょうど1年前の7月5日にクランクインして、7月5日に初日を迎えられた。何か因縁のようなものを感じております。この原作を映画化することができた、この仲間たちと一緒に現場を築くことができたことが嬉しかったです」と語る『クライマーズ・ハイ』は丸の内TOEI1ほか全国にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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