石橋凌「一瞬あきらめたものが叶って幸せ」 3年越しの小林政広監督作『幸福』公開
2005年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、波紋を呼んだ『バッシング』や2007年ロカルノ国際映画祭でグランプリを獲得した『愛の予感』など、数々の映画祭で高い評価を受けてきた監督、小林政広。製作から3年の月日を待っての公開となった、監督渾身の一作『幸福 Shiawase』が9月20日(土)に公開初日を迎え、主演の石橋凌と桜井明美、橘実里、そして小林監督による舞台挨拶が行われた。
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
台風一過のこの日、念願の初日を迎えた小林監督は、晴れやかな表情で「台風も去ったみたいで良かったです。堅苦しい映画ではないので、楽しんでください」と観客に向けて挨拶。小林監督作品への出演はこれが2度目となった石橋さんも、「心配していた台風も気を利かせてくれました。3年かかってやっと公開できることになり、幸せです」と穏やかな表情で喜びを語った。本作への出演を「小林監督と監督の作る作品が好きなので、二つ返事で決めた」と言う石橋さん。映画で描かれる、“しあわせ”というテーマに因んで、石橋さんにとっての“しあわせ”を尋ねると、「この映画の公開をあきらめかけていたけれど公開できたというのと同じで、恋愛でも何でも、一瞬あきらめたものが叶ったときに幸せを感じます」と答え、会場を温かな空気で包んだ。
石橋さん扮するワケありの中年男と奇妙な共同生活を繰り広げる女性を演じた桜井さんは、本作が映画初出演にして初主演作となった。舞台とは違った、映画の撮影の様子について「監督やスタッフの方々にフォローしてもらって、とてもやりやすい現場でした。ただ、30センチ以内の距離の芝居というのが初めてだったので、舞台だと、声とか動きが形になりやすいのですが、監督から『形にするな、ひねった芝居をしてくれ』とよく言われました」と苦労をふり返った。また、ホテトル嬢役で香川照之扮する歌手志望の男と“しあわせ探し”の物語を見せる橘さんも、小林監督率いる現場の雰囲気を「独特で新鮮」とふり返り、「ささやかなことがいっぱい詰まっている作品です。心をリラックスさせて観てほしい」と作品をアピールした。
最後に、小林監督から観客へ「最初に出てくるのが石橋さんです。どこに出てくるのか分からないから、石橋さんのファンに怒られるかもしれないけど、ちゃんと石橋さんには了解を得ていますので、そこのところはご了承ください」と意味ありげなアドバイスも。果たしてその真相は…。『幸福 Shiawase』はシネマート六本木にて公開中。
《シネマカフェ編集部》
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