これまでにないヒロイン像で魅せる吉永小百合が竹中直人と夫婦『まぼろしの邪馬台国』
毎年数本の映画を手がけている超売れっ子監督・堤幸彦が2008年に送り出す映画はなんと3作! 『銀幕版 スシ王子! 〜ニューヨークへ行く〜』、『20世紀少年 第1章』に続いて公開されるのが本作『まぼろしの邪馬台国』だ。吉永小百合、竹中直人という豪華キャストを迎え、昭和40年代に日本に“邪馬台国ブーム”を巻き起こした盲目の文学者・宮崎康平と、彼を支えた妻・和子の旅を描いた実話の物語である。
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宮崎康平とは長崎県・島原鉄道の元役員であり、郷土史研究家、文学家、「島原の子守唄」の詩作者など、いくつもの肩書きを持つ男。島原の活性化に生涯をかけ、地元ではその名を知らない人はいない人物だが、一般的にはさだまさしの代表曲「関白宣言」のモデルというのが分かりやすい紹介かもしれない。
また、彼は“破天荒”、“奇人”と呼ばれ、そんな康平を竹中直人が個性たっぷりに演じていることも見どころだ。さらに、主人公である妻・和子を吉永小百合がこれまでにないヒロイン──時代の先端を走っていた実在の女性として演じていることも特筆すべきことだろう。初顔合わせとなるこの2人の俳優の息の合った夫婦像が何とも可笑しく、何とも感動的なのだ。
「邪馬台国の実像を知ることが日本の起源を探ることである」と、その存在にロマンと情熱を注いだ一組の夫婦。邪馬台国、魏志倭人伝、卑弥呼…一見堅苦しい歴史物語に捉えられがちではあるが、彼らのどんな運命も楽しみ、そして乗り越えていく姿には“夢、好奇心、家族愛”といった現代人に必要なものがギュッと詰まっている。『まぼろしの邪馬台国』は夫婦愛に打たれ、日本をもっと知りたくなる映画なのである。
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