年末年始はコレを観よう!vol.1 “超大作”を観よう! 『チェ』2部作
いつもはなかなか時間が取れず、足が遠のいている劇場も、年末年始のお休みのときには行きやすいもの。インターネットの普及や多チャンネル&地デジ時代の到来により、家にいながらいろいろなエンターテイメントを楽しめるものの、やはり誰にも邪魔されず、大画面で観たい作品というのがあるものです。
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『チェ』2部作は、私にとってそんな作品です。特に、一年の最初に観るにはうってつけ。私は、いつもその年最初に観る映画には特別気を遣います。良い映画を観ると、良い一年になりそうで。残念ながら、お正月休み中の公開ではないものの、年末年始は家族との付き合いがあって自分の時間が取れなかったという人が、2009年最初に観る映画としておすすめです。
この2部作、最初に封切となるのが『チェ 28歳の革命』(1月10日公開)、次に『チェ 39歳 別れの手紙』(1月31日公開)が公開となります。監督はスティーヴン・ソダーバーグ、主演はベニチオ・デル・トロと文句なしのタッグで、信念に生きた男、チェ・ゲバラの半生を鮮やかに蘇らせた超大作。前半では、医者として南米大陸を旅しながら貧者を助けようとしていたゲバラが、フィデル・カストロとの出会いを機にキューバ革命を成功させるに至る姿を、後半では成功を手にしてもなお、名声でなく、さらなる革命を目指す貪欲なまでのゲバラの正義感を映し出しています。
2009年も、不況の嵐が吹き荒れそうな世界。誰もが比類なきリーダーと変革を望むいま、ゲバラと過ごす濃厚なひとときは満足のいくものとなるはず。銀幕に蘇った20世紀最大のカリスマが、きっとあなたの胸を熱くすることでしょう。
と、ここで余談。日本では2008年、NHK大河ドラマ「篤姫」の影響で幕末に注目が集まりましたが、チェ・ゲバラってつくづく坂本竜馬のよう。方法は違いますが、人民のためにより良き国家を望む姿は同じ。竜馬は藩の境界を越えて日本に変革をもたらし、ゲバラは国境を越えてより良き南米を目指しました。信念に生きる人間は美しい。その信念が世界をより良くしようという考えの下にあるのならば、なおのこと。幕末に興味を持ち、そこに生きた信念ある人々に魅了された人ならば、きっとこの作品も気に入るはず。2009年の良きスタートを切れることでしょう。
《シネマカフェ編集部》
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