ジュリエット・ビノシュ「映画はそれだけでパスポート。時代も国境も越える!」
質の高いフランス映画を提供し続け、恒例行事として親しまれてきたフランス映画祭。今年は、3月12日(木)から15日(日)の日程で開催され盛況を博した。2007年のカトリーヌ・ドヌーヴ、昨年のソフィー・マルソーに続き、今年、代表団の団長を務めるのはジュリエット・ビノシュ。会期中にユニフランス会長のアントワーヌ・ド・クレルモン・トネール、フィリップ・フォール駐日フランス大使と共に、ビノシュが出席して記者会見が行われた。
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
ビノシュは「今回で7回目の来日となりますが、みなさんにお会いできて嬉しく思います」と挨拶。団長就任については「一言で言って喜びを感じています」と満面の笑みを浮かべた。
さらにフランス映画への愛情について「品質が高く、多様性があります。商業性は決して高くありませんが、多くの新たなアイディアを発明してきました。それは、これまで活躍してきた映画人の功績です」と語り、日本映画についても「黒澤明監督の作品や是枝(裕和)監督の作品は子供たちと一緒によく観ます。日本の映画は謎めいた、深いものを持っていると思います」と言及した。特に、今回の映画祭に出品される作品の中には、日本について描写した部分が多く、ビノシュ自身、出演作の中で“タカシマヤ”と発言していることを指摘され「思い出したわ(笑)。そういうセリフがあったわね。みなさんの方が私より記憶力がいいわ!」と大笑いする一幕も。
来日中には舞台に出演するほかドローイング展や彼女の作品を集めたレトロスペクティブ上映も開催され、多忙を極めるが「芸術こそ、国境・時代を越える存在です」と力強く語り「映画はそれだけでパスポートの役割を持っており、映画を通していろいろな文化交流が結実するということは当然のことだと思っています」と述べ、会場からは大きな拍手がわき起こった。
《シネマカフェ編集部》
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