スパイク・ジョーンズ、かいじゅうにかじられ名誉の負傷? 永作博美も駆けつける!
話題の正月映画で、世界中で愛され続ける絵本を実写化した『かいじゅうたちのいるところ』の監督のスパイク・ジョーンズと主演の少年、マックス・レコーズが来日! プロデューサーのビンセント・ランディと共に12月14日(月)、記者会見に臨んだ。会見終了間際には、つい先日、妊娠を発表したばかりであり、本作の日本語吹き替え版で“かいじゅう”のひとりの声を担当した永作博美が登場し、監督らに花束を贈呈した。
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8歳の少年・マックスが“かいじゅうたち”が暮らす島に流れ着き、成長していく姿を描いた本作。マックスは初来日となったが「昨日は少し時間があったので、ジブリ美術館に行き、すごく楽しみました。日本は建物がカラフルで大きくて楽しいです」と笑顔で挨拶した。
偶然にも自身と同じ名前の役柄を演じることになったマックスだが「撮影の間はあまり何も考えずに、車に乗ってどこかに行って演じる、ということの繰り返しでした。(かいじゅうの)着ぐるみを相手に演技するときも、特別に何も考えずに、中に入っている俳優さんと演技をするという気持ちでやりました」と明かした。かいじゅうたちに混じって劇中、マックスも狼の着ぐるみを着ているがその着心地はと言うと「狼の着ぐるみは全部で56着あって、シーンによって汚れ具合が違ったりするんだ。汚くて暑苦しくて嫌なものもあれば、それほどでもない悪くない着心地のものもあったよ(笑)」。
さらに、スパイク監督の印象を尋ねられ「“第二の父親”って言えばいいのか“年に二回くらいしか会わないクレイジーなおじさん”って言えばいいのか(苦笑)。厳しい監督ってわけではなくて、仕事のときも勝手なことやりながら楽しんでる感じだったかな…」と語り、会場は笑いに包まれた。
監督も、公式に日本を訪れるのはこれが初めて。本作では、かいじゅうの動きが精密に描かれているが、これについて監督は「かいじゅうとの撮影は大変だったよ! 彼らは300ポンド(約136キロ)もあるし、なかなか言うことを聞いてくれず、危険と隣り合わせの撮影だった。ときどき、僕らを食べようとしたり、かじったりして来るんだ。(手をかざしながら)ほら、指が1本なくなってしまったんだ! 大変だったけど何とかやりぬいたよ」とユーモアたっぷりに語り、隣のマックスは大笑い。
プロデューサーのビンセントは「どうやってかいじゅうたちに生命を与えるか、というのは大事な問題でした。全てをCGにすれば、俳優は何もないところで演じなくてはいけない。この映画の持つ、本質的な意味での自然な感じを出すためにも、実際にかいじゅうを動かすことにしました。何年もかけて我々が求める動きを追求しました」と苦労を明かした。
そしてこの日の会見には、本作の日本語吹き替え版で、心優しき女のかいじゅう“KW”の声を担当した永作博美が登場し、壇上の3人に花束を贈呈した。永作さんはまず、初めて本作の映像を目にしたときの感想を尋ねられ「感動しました! 原作を知ってはいたのですが、絵本というのはどれもシンプルに構成されているもので、これをどう長編にするのか? とドキドキしていました。実際には、観れば観るほどにこの映像に取りこまれていきました。3回泣いて、数え切れないほど笑って…。『男の子ってこうやって遊ぶのか!』って自分が子供の頃を思い出しました」と熱く語った。また、自身が演じた“KW”を「色っぽい」と表現する永作さん。「(かいじゅうの)表情を頼りに演じました」とその感情表現について明かした。
監督は、グラミー賞にノミネートされた実績を持つカレン・オーによる本作の音楽について「映像と同じようにナイーヴでイノセンス、感情の奥行きがほしかった。9歳を思い出すような映画にしたくて、カレン・オーを起用しました」と説明したが、永作さんもこの音楽を絶賛。「生々しい音楽で素敵です」と力を込めた。
マックスは最後に「僕とスパイクとビンセントの3人がこの映画を観て、それぞれ感じ方や受け止め方が違ったんです。きっと観る人それぞれが、この作品を通してユニークな体験ができると思います」とアピール、会見は幕を閉じた。
『かいじゅうたちのいるところ』は1月15日(金)より丸の内ルーブルほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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