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就活に効能アリ? 『インビクタス』学生座談会で熱い意見続出

モーガン・フリーマン&マット・デイモンがそれぞれオスカー主演男優賞、助演男優賞にノミネート、興行面でも決して公開規模が大きいとは言えない中で公開以来ベスト10位以内をキープ。何より、鑑賞後の満足度では格段に高い評価を与えられており、しっかりとその存在感を示している、クリント・イーストウッド監督作『インビクタス/負けざる者たち』。「感動した」という声とあわせて多く聞かれるのが、映画に対して抱いていたイメージが「観る前と観た後で印象が大きく変わった」という声。こうした“生”の声を伝えるべく、このたび、映画を鑑賞した学生による座談会を開催! 都内の学生8名が、イーストウッドが伝えようとしたメッセージ、映画が教えてくれたことなどについて、自身の経験を絡めつつ熱い言葉を交わした。

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『インビクタス/負けざる者たち』 -(C) 2009 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC.
『インビクタス/負けざる者たち』 -(C) 2009 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC. 全 4 枚
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モーガン・フリーマン&マット・デイモンがそれぞれオスカー主演男優賞、助演男優賞にノミネート、興行面でも決して公開規模が大きいとは言えない中で公開以来ベスト10位以内をキープ。何より、鑑賞後の満足度では格段に高い評価を与えられており、しっかりとその存在感を示している、クリント・イーストウッド監督作『インビクタス/負けざる者たち』。「感動した」という声とあわせて多く聞かれるのが、映画に対して抱いていたイメージが「観る前と観た後で印象が大きく変わった」という声。こうした“生”の声を伝えるべく、このたび、映画を鑑賞した学生による座談会を開催! 都内の学生8名が、イーストウッドが伝えようとしたメッセージ、映画が教えてくれたことなどについて、自身の経験を絡めつつ熱い言葉を交わした。

学年やクラスも異なる、19歳から22歳の学生で構成されたこちらの座談会。みな、緊張や恥ずかしさもあってなかなか自分の意見や感想が出せないのでは? というこちらの予想を裏切る形で、様々な視点からの意見が次々と飛び出す。まず劇中、黒人と白人の境界を取り払おうと奮闘するネルソン・マンデラの信念、戦う姿勢について男子学生のひとりは、マンデラが自らのボディガードに黒人だけでなく白人を加えるように要請し、「私たちも変わらなくてはいけない」と語るシーンを挙げ「“相手に理解を求める前に自分が理解する”というメッセージを感じた」と語った。これにうなずきつつ、別の男子学生はマンデラを“赦しの人”と称し「いまの日本の政治家にマンデラの姿を見てほしい! いまの日本の政治は揚げ足取りばかりだったり、社会全体が次のチャンスを与えようとしない。でもマンデラは“赦し”で国に発展をもたらした。もちろん赦しと言うことは簡単でも、実際に実行するのはすごく難しいんだけど、これからの世界における一つのキーワードだと思う」と訴えた。

また、出席者の中には現在、就職活動中の学生もおり、彼らは仕事について、将来についてなど考える上で、自分の状況に置き換えつつ映画から力をもらった、と口を揃えた。就職氷河期と伝えられるが、ある女学生は「絶対にあきらめない、ということを教えてもらった。マンデラの言葉や映画の中の素晴らしいセリフを自分と重ねてしまいました。これって普段の生活の中でも活きる言葉だな、と」とふり返る。

すでに就活を終えたという別の女子学生も「マンデラは、黒人と白人の混ざった職場を作ろうとするときでも、ラグビーチームをまとめようとするときでも、一人だけ別の意見を持っていたとしても信念を曲げない。無理矢理押し通すのでもなく、諭しながら自分の意見を分かってもらおうとする姿勢には衝撃を受けました。自分だったらこんなに強い信念を持ち続けられるかな? って」と真摯な表情で語った。

そしてもう一つ、学生たちの口から多く語られたのが、スポーツの持つ力について。映画ではマンデラとM・デイモン演じるフランソワ・ピナール(南アフリカ・ラグビー代表チームのキャプテン)が協力し、黒人と白人の混合チームがワールドカップを席巻していく姿が描かれる。前出の男子学生は「ラグビーの試合の“ノーサイド(※試合終了を指す言葉で、敵と味方の区別がないということを意味する)”と物語の中での黒人と白人のノーサイドがぴったり重なった」とその感動を口にした。ほかの学生たちもこれまでに学校の部活などを経験してきており、そこでの経験と映画が重なったという。

6年間陸上に打ち込んだという女子学生は「映画の中の物語の方がすごいけど…」と前置きしつつ「選手が付いていく指導者は、尊敬できる人、そして自分を信頼してくれる人。もちろん、最初は周囲の誰のことも信じられないんだけど、もっとも大切な日々の練習を積み重ねる中で徐々に変わっていく。それが映画の中のラグビーチームと同じでだなと思いました」と語った。ほかの学生たちからも、弱かったチームを引っ張りあげたという苦労や充実感、一度は瓦解寸前になりながらもう一度チームが一つになったという経験、応援する側としてチームが一体になっていく瞬間を実感した体験などが口々に語られた。

ちなみに、南アフリカでは今年6月にサッカーのワールドカップが開催されるが、それぞれの学生に書いてもらったアンケートでも「これまでとは違った見方ができそう」、「映画で、白人の代表的スポーツ・ラグビーと黒人の代表的スポーツ・サッカーという分かれ方が描かれていたが、(映画で描かれる)1995年から15年経って、今回サッカーがどのように受け止められるのか興味深い」といった感想が相次いだ。

座談会での学生たちの感想や意見を通して感じられたのは、まさにこの映画が示す“多様性”。性別や年齢、立場などが異なるひとりひとりの観客に多様な視点を提供し、考えさせてくれるということを改めて示した座談会だった。

3月7日(現地時間)にはアカデミー賞が発表されるが、M・フリーマン、M・デイモンがもし、受賞を果たした際にどのようなメッセージを世界に向けて投げかけるのかも気になるところだ。

『インビクタス/負けざる者たち』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。

モーガン・フリーマン&マット・デイモン インタビュー
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2010/02/7620/

特集:2010アカデミー賞
http://www.cinemacafe.net/special/oscar2010/

《シネマカフェ編集部》

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