『うさぎドロップ』インタビュー 芦田愛菜からの大人びた注意に松山ケンイチは…
劇中、芦田愛菜が演じる少女・りんが何気なく言うセリフが印象的だ。「ダイキチはダイキチのままがいい」——。よく言えば男気がある。一生懸命だけどダサくて、頼りなさげだけどなぜか頼りにされていて、不器用だけどカッコいい。確かに理想的な父親ではないかもしれないが、松山ケンイチが『うさぎドロップ』で演じたダイキチは立派なヒーローだ。勢いで急遽、6歳児の保護者になったダイキチと心を閉ざしたりん。そんな2人が少しずつ心を通わせていくさま、その過程で発する温かさや心の揺れを愛菜ちゃんと松山さんはしっかりと観る者に伝えてくれる。20歳以上も年の離れたヒロインとヒーローはどうやって心を通わせ、作品を作り上げていったのか? 揃ってインタビューに応えてくれた。
最新ニュース
インタビュー
-
錦戸亮“郁弥”の助け舟で首謀者が明らかに…「こんなに早く犯人がわかるなんて」の声上がる「Re:リベンジ 欲望の果てに」3話
-
松山ケンイチが船上で加藤浩次と死闘! 「平清盛」呉ロケを公開
-
≪配信開始≫チュ・ジフン×ハン・ヒョジュ豪華初共演「支配種」は世界必見のノンストップ・サスペンス【PR】
拡大写真
劇中、芦田愛菜が演じる少女・りんが何気なく言うセリフが印象的だ。「ダイキチはダイキチのままがいい」——。よく言えば男気がある。一生懸命だけどダサくて、頼りなさげだけどなぜか頼りにされていて、不器用だけどカッコいい。確かに理想的な父親ではないかもしれないが、松山ケンイチが『うさぎドロップ』で演じたダイキチは立派なヒーローだ。勢いで急遽、6歳児の保護者になったダイキチと心を閉ざしたりん。そんな2人が少しずつ心を通わせていくさま、その過程で発する温かさや心の揺れを愛菜ちゃんと松山さんはしっかりと観る者に伝えてくれる。20歳以上も年の離れたヒロインとヒーローはどうやって心を通わせ、作品を作り上げていったのか? 揃ってインタビューに応えてくれた。
特別な役作りをせず「愛菜ちゃんが発する言葉にリアクションをするということを意識しながらやっていた」という松山さん。完成した作品を、愛菜ちゃんとの“思い出アルバム”と表現する。
松山:お気に入りのシーンは、愛菜ちゃん演じるりんがおねしょをして、そのくだりから『ダイキチも死ぬの?』っていう話に変わっていくところです。
愛菜:あれは汗!
松山:そうそう、そういう風にりんが言うくだりがあって、あのシーンが大好きなんですよ。ちょっと愛菜ちゃんのアドリブも入っているし、新しいものが生まれた瞬間でしたね。
芦田:私が好きなのは、お遊戯会のシーンです。みんなで練習したのも楽しかったし、お衣裳もかわいかったです。キラキラって踊るダンスが楽しかったからです。
松山:最後の方のシーンですね。暮らし始めた頃のりんは笑顔を見せなかったけれど、一緒に支え合って生活してきて、お互いに成長して。踊っているりんは本当に幸せそうな満面の笑顔で、周りには友達がいる。観ていると心が温かくなる、本当にいいシーンでしたね。
一方で愛菜ちゃんは、りんがお墓で泣くシーンを難しかったシーンとして挙げるが、松山さんはそこでの愛菜ちゃんの観る者の心を震わせる熱演を大絶賛。
松山:よかったよ、あそこも。いいシーンだったよ。大人の人たちもみんな感動して泣いちゃってた。天才だね。あと、おじいちゃん(※りんにとっては父親)を僕がやってるって分かってた?
愛菜:分かってましたよー!
松山:分かってないよー、絶対! 「おじいちゃんだよ、よろしくね」って言ったら、「?」って顔して見てたでしょ。
愛菜:だって(松山さんに)似すぎてるから、不思議だったんだもん。松山さんのおじいちゃんかと思っちゃったよ。
松山:(愛菜ちゃんに)「松山さんですよね?」って聞かれて「いいや、違うよ」って答えたら、「ええ〜」って言ってたね。でも最初は分かんなかったでしょ。
愛菜:ご挨拶のときの声でちょっと分かっちゃった。
松山:本当!?
愛菜:ホント、ホント。
松山:声も一応変えてたんだけどね。手とかシワくちゃで、ずっと「どうなってるの?」って見てたよね(笑)。
愛菜:だって本当に不思議だったんです。
さらに松山さんは、愛菜ちゃんとの共演で驚かされたこと、気づいたこととしてこんなエピソードを…。
松山:1か月に本を60冊くらい読むらしいんですね。大人が読むような難しい本も読むと聞いて、すごい小学生だなと思いました。あとは、音だけ録るシーンで、愛菜ちゃんに話しかけたら、終わったときに「松山さん、知ってますか。録音しているときはしゃべっちゃいけないんですよ」って言われたんです(笑)。
愛菜:そんなこと言いましたっけ?
松山:言った、言った。ごはん食べてるシーンで。
愛菜:忘れちゃいました。
松山:スパゲティ食べてたところあるでしょ? そこで話しかけたら愛菜ちゃんに怒られたんだよ。
愛菜:ええ〜(笑)!?
松山:「確かにな」って思って反省しました(苦笑)。愛菜ちゃんの言ってることは正しいから。
26歳の松山さんにとって、映画の中で“子育て”初挑戦。実際にパパになる前に子育ての大変さが身にしみて分かった?
松山:子育てという感覚はあまりなかったですね。年はだいぶ下なんですけど、人との共同生活ということの大変さも分かったし、時間の使い方が変わっていくところも面白かった。撮影中は毎日が楽しかったですね。
2人の距離感、自然なやり取りが印象的だが、SABU監督の指導の下、愛菜ちゃんはこれまでとはひと味違ったアプローチでりんを演じ、ダイキチとの距離を少しずつ縮めていった。
愛菜:台本はなしで、セリフを覚えました。最初にこのシーンはどんなシーンなのかなっていうことを教えてもらいました。そこにいたらりんちゃんはどう考えるか、どう動くかっていうことを監督さんと一緒に考えながら練習しました。
こうして愛菜ちゃんが表現したりんの思いを、松山さんも「リアルな感情が表現されていて、そういうところが観る人を感動させる」と手放しで讃える。そして松山さんが何よりこの作品全体を貫くものとして訴えるのが、各人の“愛情”。
松山:ダイキチがりんにかける愛情、りんがダイキチに持っている愛情以外にも、たくさんのさまざまな愛情が描かれています。たくさんの人と繋がっていることを認識させて感動させてくれる、すごくポジティブな映画だと思います。見どころはたくさんあるのですが、本当に愛菜ちゃんがかわいいです。
愛菜:ぜひ観てください!
悲しみの中から希望を紡いでいく愛菜ちゃん。そんな彼女を“父親”としてではなく、それでもがっしりと抱きしめる松山さん。“いま”しか見られない2人の表情を目に焼き付けてほしい。
特別な役作りをせず「愛菜ちゃんが発する言葉にリアクションをするということを意識しながらやっていた」という松山さん。完成した作品を、愛菜ちゃんとの“思い出アルバム”と表現する。
松山:お気に入りのシーンは、愛菜ちゃん演じるりんがおねしょをして、そのくだりから『ダイキチも死ぬの?』っていう話に変わっていくところです。
愛菜:あれは汗!
松山:そうそう、そういう風にりんが言うくだりがあって、あのシーンが大好きなんですよ。ちょっと愛菜ちゃんのアドリブも入っているし、新しいものが生まれた瞬間でしたね。
芦田:私が好きなのは、お遊戯会のシーンです。みんなで練習したのも楽しかったし、お衣裳もかわいかったです。キラキラって踊るダンスが楽しかったからです。
松山:最後の方のシーンですね。暮らし始めた頃のりんは笑顔を見せなかったけれど、一緒に支え合って生活してきて、お互いに成長して。踊っているりんは本当に幸せそうな満面の笑顔で、周りには友達がいる。観ていると心が温かくなる、本当にいいシーンでしたね。
一方で愛菜ちゃんは、りんがお墓で泣くシーンを難しかったシーンとして挙げるが、松山さんはそこでの愛菜ちゃんの観る者の心を震わせる熱演を大絶賛。
松山:よかったよ、あそこも。いいシーンだったよ。大人の人たちもみんな感動して泣いちゃってた。天才だね。あと、おじいちゃん(※りんにとっては父親)を僕がやってるって分かってた?
愛菜:分かってましたよー!
松山:分かってないよー、絶対! 「おじいちゃんだよ、よろしくね」って言ったら、「?」って顔して見てたでしょ。
愛菜:だって(松山さんに)似すぎてるから、不思議だったんだもん。松山さんのおじいちゃんかと思っちゃったよ。
松山:(愛菜ちゃんに)「松山さんですよね?」って聞かれて「いいや、違うよ」って答えたら、「ええ〜」って言ってたね。でも最初は分かんなかったでしょ。
愛菜:ご挨拶のときの声でちょっと分かっちゃった。
松山:本当!?
愛菜:ホント、ホント。
松山:声も一応変えてたんだけどね。手とかシワくちゃで、ずっと「どうなってるの?」って見てたよね(笑)。
愛菜:だって本当に不思議だったんです。
さらに松山さんは、愛菜ちゃんとの共演で驚かされたこと、気づいたこととしてこんなエピソードを…。
松山:1か月に本を60冊くらい読むらしいんですね。大人が読むような難しい本も読むと聞いて、すごい小学生だなと思いました。あとは、音だけ録るシーンで、愛菜ちゃんに話しかけたら、終わったときに「松山さん、知ってますか。録音しているときはしゃべっちゃいけないんですよ」って言われたんです(笑)。
愛菜:そんなこと言いましたっけ?
松山:言った、言った。ごはん食べてるシーンで。
愛菜:忘れちゃいました。
松山:スパゲティ食べてたところあるでしょ? そこで話しかけたら愛菜ちゃんに怒られたんだよ。
愛菜:ええ〜(笑)!?
松山:「確かにな」って思って反省しました(苦笑)。愛菜ちゃんの言ってることは正しいから。
26歳の松山さんにとって、映画の中で“子育て”初挑戦。実際にパパになる前に子育ての大変さが身にしみて分かった?
松山:子育てという感覚はあまりなかったですね。年はだいぶ下なんですけど、人との共同生活ということの大変さも分かったし、時間の使い方が変わっていくところも面白かった。撮影中は毎日が楽しかったですね。
2人の距離感、自然なやり取りが印象的だが、SABU監督の指導の下、愛菜ちゃんはこれまでとはひと味違ったアプローチでりんを演じ、ダイキチとの距離を少しずつ縮めていった。
愛菜:台本はなしで、セリフを覚えました。最初にこのシーンはどんなシーンなのかなっていうことを教えてもらいました。そこにいたらりんちゃんはどう考えるか、どう動くかっていうことを監督さんと一緒に考えながら練習しました。
こうして愛菜ちゃんが表現したりんの思いを、松山さんも「リアルな感情が表現されていて、そういうところが観る人を感動させる」と手放しで讃える。そして松山さんが何よりこの作品全体を貫くものとして訴えるのが、各人の“愛情”。
松山:ダイキチがりんにかける愛情、りんがダイキチに持っている愛情以外にも、たくさんのさまざまな愛情が描かれています。たくさんの人と繋がっていることを認識させて感動させてくれる、すごくポジティブな映画だと思います。見どころはたくさんあるのですが、本当に愛菜ちゃんがかわいいです。
愛菜:ぜひ観てください!
悲しみの中から希望を紡いでいく愛菜ちゃん。そんな彼女を“父親”としてではなく、それでもがっしりと抱きしめる松山さん。“いま”しか見られない2人の表情を目に焼き付けてほしい。
《シネマカフェ編集部》
特集
関連記事
この記事の写真
/