劇団ひとり&鈴木福インタビュー “ペンギン親子”を演じたふたりが憧れる人物とは?
白く輝く南極大陸を舞台に、歌って踊るペンギンたちがたちまち世界中の観客を魅了した前作『ハッピー フィート』から5年。歌が上手に歌えないというコンプレックスを克服し、愛する歌姫・グローリアとめでたく結ばれたマンブルがパパに成長! 冒険心と夢見る心を秘めた息子、エリックと共にスクリーンに戻ってきた。本作『ハッピー フィート2 踊るペンギン レスキュー隊』で父・マンブルと息子・エリックの日本語吹替えに挑戦した劇団ひとりさんと鈴木福くんがインタビューに応えてくれた。
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2006年に公開された前作と同じ映像のエキスパート集結のもと、さらに3D技術を駆使し、前作以上の景色やキャラクターの精密な美しさと迫力がまず観る者を圧倒する。このダイナミックな自然を背景に、マンブルと愛くるしいエリックの父子ドラマが始まる。福くんにとってはこれが初のアニメーション吹替え挑戦となったが、おふたりの手ごたえは?
福:何秒から何秒までって、早くセリフを言わないといけなかったので、ちょっと難しかったです。歌は楽しかったです! 一個だけ難しいところがあって…オペラのシーンが少し難しかったです。
劇団ひとり:僕は最初はお父さんっぽく、優しい感じでやろうと思ったんですが、演出の方から「お父さんはお父さんでも、そんなにちゃんとお父さんをできてないのがマンブルだ」と言われたので、いかにも“お父さん”という感じにならないようにしました。まだお父さんになれてないんですよね、マンブルって。だから、どちらかというとお兄さんぽい感じでやりましたね。
歌とダンスが何よりも大切な皇帝ランドで、一番のダンスの腕を誇るマンブルだが、息子のエリックはというと、なぜみんながビートを踊るのか理由がわからない。そして純粋だからこそ、空飛ぶペンギン・スヴェンの姿を見て自分も飛べるのでは、と夢を抱いていく。
福:エリックが「望みがあればひたすら願い、ひたすら願えばそれは叶う」と言うセリフが好きです。エリックはスヴェンに憧れていて、魚に乗ってひゅーんってパタパタってやって飛ぼうとするんだけど、全然飛べなくって。パパに危ないって言われるんだけど、それを聞かないで「パパ、僕飛んだよ!」って飛ぶシーンがあるんですけど、その次にこのセリフを言うんです。
劇団ひとり:そう、その後にマンブルがエリックに「ペンギンは飛べないんだ」って嗜めるところがあるんですけど、何か悲しくて好きですね。第1作ではマンブルも現実的なことを考えずに夢を見ていた少年だったのに、それがすっかり大人になってしまうっていう、ちょっと物悲しさもある良いシーンだなと。大人と子供がはっきりと分かれる瞬間、だから良いシーンですよね。元々はエリック側にいたマンブルが、いまそれを嗜めてるという。
自身も父親になったひとりさんだが、夢を見て飛び出す息子を心配して追いかけるマンブルに共感する部分も?
劇団ひとり:僕はいっさいの(子供の)反抗を許さないですね。反抗したらお小遣いとか全部カットするし、それがやっぱり愛情だと思ってるので。家出したら連れて帰ってきて、飯抜き、小遣い抜き。でも、それはいずれ感謝するようになると。大人になったときにね。
意外にもストイックな教育方針を教えてくれた劇団ひとりさんだが、いまは親となったマンブル然り、誰でもかつては子供だったはず。エリックのように、自分にないものに憧れて外に飛び出したり…。そうした“自分探し”の旅はエリックにとどまらず、集団生活を飛び出すオキアミのウィル&ビルの冒険も同じで、本作の随所にかつて子供だった大人が共感する場面がある。おふたりが“憧れ”をもっている人物は?
福:仮面ライダー! バイクがすごく好きで、3歳くらいのときからずーっと見てて。朝早く起きたら(テレビで)やっていて、それ見てたらおもしろくて、バイクも好きだったから見始めたらすごい仮面ライダーになりたくって。あとアクションとか大好き!
劇団ひとり:僕の憧れの人は『男はつらいよ』の寅さんですね。向こう見ずで何も考えずに外に飛びだしていく感じとか、憧れますね。昔から寅さんは好きで、DVDも全部持ってますし、全部を3回以上観ましたね。だから寅さんは150回以上観てます。柴又とか普通に遊びに行ったり、長野にある渥美清記念館に行ったりとか、大好きですね。実際になっちゃうと生活が成り立ちませんけど…(笑)。
自身が演じた役について「エリックは…やっぱり可愛い。目がキラキラしてるし、手は小っちゃいし」と少し照れくさそうな笑顔を浮かべて話す福くん。エリックはもちろん、今後の成長が楽しみなばかりだが、まずは思わず抱きしめたくなる可愛さをスクリーンで確かめてほしい。ということで最後に、おふたりから映画『ハッピー フィート2 踊るペンギン レスキュー隊』の見どころを語ってもらった。
劇団ひとり:とにかくペンギンたちがとても可愛いんです。これが不思議なんですけど、ペンギンをそんなにデフォルメして描いてないんだけど、すごくキャラクターぽくなっていて。その微妙なラインを『ハッピー フィート』という映画はすごく上手くついてる感じがするんですよね。どこを実際のペンギンと比べて強く誇張してるのかよく分からないんですけど、ちゃんとキャラクターになってる。でも、ちゃんとリアルなペンギンでもあったりする。そこが見事だなと思いますね。
福:歌うシーンがおもしろかったり、泣けるシーンもあったり、歌も本当に楽しいし、やっぱり3Dで観れるから迫力があってすごいと思う。みんなに観てほしいです!
《シネマカフェ編集部》
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