林遣都×桐谷美玲インタビュー 『荒川アンダー ザ ブリッジ』から恋愛観が発覚!?
どこからどう見ても着ぐるみを着ているのに、「着ぐるみじゃない」と言い張るカッパ姿のリーダーに、お星様のマスクを被ったロック・ミュージシャン。さらには、毒舌で周囲を斬りつけながら酪農に精を出すドS美女に、ドS美女に愛を捧げるシスター姿の美男子などなど…。愛すべき奇天烈キャラクターたちが愛と感動の物語(?)を織り成す『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』で、主人公の“リク”と“ニノ”を演じた林遣都と桐谷美玲が体験した大切な時間とは? そして、作品に参加したことで発覚してしまった(!)恋愛観とは…?
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人気コミックを原作に、深夜放映の連続ドラマを経て、映画版となった『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』。同時期に撮影された連続ドラマ、映画版共に牽引してきた林さんが「自分にとってすごく貴重な撮影期間だったので、映画版が公開されるいまはいろんなことを乗り越えた安心感で放心状態」と笑えば、桐谷さんが「映画版は1つのストーリーとして成り立っているもの。また新たな“荒川ワールド”が増えた!って感じですね」と微笑み返す。
林さんが演じてきたリクは、大企業を背負って立つ堅物のエリート御曹司。開発事業の一環で荒川河川敷にやって来た彼が、冒頭に挙げた“住民たち”や桐谷さん扮する自称金星人の美少女・ニノと出会ったことから物語が展開していくのだが、「住民たちを演じているみなさんは本当に楽しそうに、自由に撮影中の毎日を過ごされていたんですけど、リクは彼らに冷静なツッコミを入れる役どころ。羨ましかったですし、気を取られないようにするのに必死でした。いたずらに僕を笑わせようとする人もいたので…」と林さん。一方、“金星人”という役柄に挑んだ桐谷さんは「金星人なんていままではもちろん演じたことがないですし、参考にするものがあまりにもなさ過ぎて、どうしたらいいか分かりませんでした(笑)。でも、監督と一緒にニノの好きな食べ物を考えたり、挙動について話し合ったりしているうちに何とか不安を乗り越えることができたんです。ジャージに上履き姿のニノを意識し、撮影前は自宅でもジャージに上履きで過ごしました」とふり返る。
ちなみに、監督と一緒に考えたという“ニノの好きな食べ物”は「魚全般が好きなんですけど、その中でもナマコやもずくが好きなんじゃないかなって。料理なら、なめろうとか。私も好きなので、そこは唯一共通する部分かもしれないですね」。一方の林さんはと言うと、「僕は焼肉、パスタ、うどん、うなぎといった“ザ・美味しいもの”が好きです。逆にクセのあるものはあんまり得意じゃなくて…」だそう。ちょっとした回答も、何だかリク&ニノっぽくて微笑ましい。
映画版では、そんなリクとニノの恋愛模様のゆくえも描かれる。「私に恋をさせてくれないか?」というニノの“要望”に応える形で始まった2人のロマンス。もし現実に「私に恋をさせてくれないか?」なる提案を受けたとしたら、「正直に言うと、その人が自分のタイプかどうかによります(笑)。でも、そんなことを言ってくる人はなかなかいないと思うので、“この人には何かがあるな”と思うかも。運命的なものを感じて付き合っちゃうかもしれないです」と激白する林さんと、「友達を紹介しますね。どんな子がタイプかを聞いて、それに合う子を…。自分が付き合うのは嫌です。ちょっと怖いし、一目惚れもあんまりしないので、“友達として仲良くなりましょう”とはなるかもしれないですけど」という桐谷さんだが、リクとニノの関係についても意見が激突!?
「ニノさんは本当に魅力的な女性。人に足りないものを持っているし、人間がみんな彼女みたいになればいいのにと思います。そうしたら、世の中が平和になるんじゃないかなって。ニノさん…、素敵です(笑)。人を簡単には判断しないし、無知ゆえに新しい知識を取り入れていく姿が真っ直ぐで、人を幸せにする。ニノさんが相手のことをどんどんどんどん知ろうとすると、相手の魅力がニノさんによってどんどんどんどんあふれてくるんです」と半ば恍惚の表情で語り続ける林さん。さらには、こんな意見も。「僕はニノさんがジャージを頭からすっぽり被っちゃう姿が一番好き。怒りや拗ねた気持ちをああいう形でしか表現できないっていう、その物悲しさみたいなものにも惹かれますね。何だかファンタジックでいいじゃないですか。木の上から降りてこなくなっちゃったりもするし。もし自分が恋人と喧嘩をして、彼女が拗ねて、ジャージにくるまって、木の上から降りてこなくなっちゃったりするのを妄想したら…、いいですよね…。このヤロウっ、みたいな(笑)」。
妄想に浸る林さんを現実に引き戻そうとする桐谷さんは、「そんな女の子、本当にいたら面倒くさいよ(笑)。ちょっと機嫌が悪いだけで木から降りてこないんだよ。よく考えてみて…」とピシャリ。「いや、僕なら木の上まで迎えに行っちゃうな…」とささやかに反論する林さんをよそに、恋愛対象としてのリクを評価し始める。
「リクは真面目だし、一生懸命なところはすごく素敵だと思うんですけど、恋愛対象としては面倒臭いなと思います。何から何まで細かそう…。私自身はすごく大雑把なので、いっぱいダメ出しされる気がします。リクって、待ち合わせの時間に1秒でも遅れたら…みたいなところがあるじゃないですか。私はギリギリまで寝ているタイプなので、待ち合わせにはいつも5分くらい遅れちゃうタイプなんですけど、それを許してほしいです。でも、リクは“俺の時間を返せ!”とか言いそう。リクがもうちょっと“何でもいいや”って言えるユルい人になったらすごく素敵なんですけどね」。
「それ、リクじゃない…」という林さんの虚しい呟きはさておき、共に1つの作品を作り上げた仲間として確固たる信頼関係を結んだ林さんと桐谷さん。映画版では、そんな2人が「お互いへの信頼感をもってぶつかり合いました」と口を揃え、林さんがこっそりと「(ぶつかり具合が)本番が一番激しかった…」とも言い添えるリク&ニノの喧嘩シーンも見られるので注目を。
「見えない信頼感みたいなものがあったかなと僕は思っています」(林さん)、「励まし合いながら一緒に作ったと思っているし、私は座長である林くんにすごく支えてもらった気がしています」(桐谷さん)とそれぞれ口にする2人が、大切に大切に築き上げたリク&ニノの関係。さらには愛情たっぷりの“荒川ワールド”。金星人あり、カッパあり、星あり、笑いあり、感動あり、涙ありの世界に、頭のてっぺんから爪先までどっぷり浸りたい。
《photo:Yoshio Kumagai / text:Hikaru Watanabe》
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