【雅子ブログ】春のある日に、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』
日曜日のこと。黄砂なのか煙霧なのか、どちらにせよ不気味な空に覆われ、東京・練馬では28度越え。こりゃ夏になったらどうなっちゃうんだ?
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さて、そんな日曜日に、試写で見逃した公開中の映画、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』を観てきました。益田ミリの人気4コマ漫画を『人生、いろどり』の御法川修監督が映画化。昨年のちょうど今頃撮影されたという、早春特有の穏やかさと不安定さが入り混じったようなステキな作品でした。
すーちゃん(柴崎コウ)、まいちゃん(真木よう子)、さわ子さん(寺島しのぶ)はかつてのバイト仲間。ベッタリでもないけれど、何でも話せる大切な友人関係は今でも続いている。3人で会うひとときはかけがえのないものだけど、それぞれ抱える不安が頭から離れない――。
特別なことはない普通の女の子の普通の話。どこまでも普通でありながら、いろいろ問題を抱えている。仕事もプライベートも恋も介護も、現在のこと、そして少し先のことなんかも。それは身近にいる友人知人を思い出したり、何処かの誰かさんだったり、もしかすると自分の中のある一部分だったり。きっと観ている人の多くがそんなあるある感を共にするに違いない。誰もが感じる瑣末なコトを、内意のつぶやきを、私たちに示す。それが煩いわけでもなく、優しく、とてもとても丁寧に描かれている。
実は、タイトルから、有りがちなユルイ女子映画かな、とちょっと危惧していたけれど、嬉しく裏切られ、それは巧い女優たちが普通さを心を込めて演じているというところが大きい。等身大の人を演じるのに、公私混同しない潔さも心地良いのだ。共演の男性陣(井浦新、染谷将太ら)もさりげなくイイかんじ。
映画の中の空気感や間や光や、衣裳や料理に至るまで、繊細な日常描写はかけがえのないものだと気づかせてくれる。ちょっと可笑しかったり、切なくなったり、軽く落ち込んだり、奮起したり、くるくる目まぐるしい様は気まぐれな春の陽気のよう。今の時季に観るのが気分な、ちょっとステキな映画でした。
《text:Masako》
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