【MOVIEブログ】ベルリン国際映画祭 in 仙台
新年度突入!ですが、数日だけさかのぼり、3月29日に訪れた仙台のことを少し書きます。3月28日~31日の期間で、「第1回ベルリン国際映画祭in仙台」という催しが行われました。
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復興を応援しようという主旨のもと、ベルリン映画祭が仙台でプログラムの一部を上映するという企画で、これはとても画期的なことでしょう。2012年のベルリン映画祭の「ジェネレーション」部門から、主に子供向きの作品を12本ほどセレクトして上映されました。
この「ジェネレーション」部門というのはベルリン映画祭の大きな個性のひとつで、子供をメインターゲットにしてはいるものの、実は「子供向け」の作品を選んでばかりいるわけではないのが面白いところです。10代くらいまでの若者が登場する映画が選ばれながら、全く子供向けでない作品だったりします。例えば、2010年の東京国際映画祭でグランプリを受賞した『僕の心の奥の文法』は、翌年のベルリンでこの部門で上映されていました。
こどもが主人公の映画が必ずしも子供向けではない、というのは当たり前ですね。「ジェネレーション」部門は、若者の眼を通じた世界を描く映画を多く取り上げることで、世界に対する新鮮な視点を備えた映画を特集する部門であると言っていいでしょう。で、それらの作品を子供にも積極的に見せていく、という姿勢を貫いています。
今回、僕は3月29日の金曜日に仙台に行き、シンポジウムのモデレーターをしてきました。登壇者のひとりである、ベルリン「ジェネレーション」部門のディレクターから話を色々と聞けて面白かったのですが、やはりドイツでも親からクレームは来るそうなのですよね。「こどもにこんなものを見せてどういうつもりだ!」と。
その度に映画祭の姿勢を懇切丁寧に説明するのだそうですが、それはまあかなり疲弊することでしょう。それでも果敢に子供たちに高度な映画を見せていくことは、僕は本当に重要なことだと思いますし、ベルリンの姿勢を尊敬します。
シンポジウムには、『かぞくのくに』が昨年の日本映画界を席巻したヤン・ヨンヒ監督も出席され、僕にとってはヤン・ヨンヒ監督とゆっくりお話が出来たのが仙台行きの(個人的な)大収穫でした。丁寧で美しい物腰の影に、時々べらんめえ的な気質ものぞく、それはそれは魅力的な方。ベルリンの思い出(監督は過去3作品が全てベルリンに出品)や、映画製作現場の現状など、縦横無尽に語って下さいました。ああ、楽しかった!
残念ながら、僕は映画の上映には立ち会うことは出来ず、その盛り上がりのほどは目撃できないままになってしまいましたが、ベルリン映画祭のヘッドが仙台との提携に重要性を見出し、今回の企画が実現に至ったことは、とても嬉しいことです。「第1回」と銘打っているので、来年もあるのかな?どうかな?
というわけで、仙台では宿泊せず、残念ながら日帰り。それにしても、1月の下旬から3月末にかけて、今年は例年以上に移動した!ロッテルダムから始まり、ヨーテボリ、パリ、ベルリン、ゆうばり、大阪、ジャカルタ、香港、沖縄、そして仙台の10都市。我ながらちょっとやり過ぎかも。息切れしないよう、用心しながら新年度に突入しよう!
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