【雅子BLOG】『あの頃、君を追いかけた』
まだまだ厳し~い残暑はあるものの、朝夕はだいぶ涼しくなってきました。まもなく8月も終わります。夏の終わりに感じる切ない気持ち、なんだか胸がキュンとなってしまうのは…
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今日は大事な日。早くしないと遅れちゃうと友人たちが囃し立てる。ふと、あの頃を思い出した…。遡ること10年前、中高一貫校に通うコートンはいつも悪ふざけをしている仲間とお気軽な毎日。優等生の佳宜(チアイー)のことはみんなが好きだけど――。
台湾映画の良さは、穏やかな台湾の人たちを反映するかのようで全体に温かいムードが漂う。日本人の私たちにとっては郷愁を感じるような懐かしさ。親日家も多いことは有り難く思う。大人気の日本のアニメから、AV女優の名前まで飛び交い、台湾人の若者文化を垣間見れるのも楽しい。まだ携帯もスマホもない時代。寮の公衆電話に長蛇の列ができるシーンは新鮮だ。本作は1994年~2005年までの10年間をみずみずしく追う。
2011年のTIFFで上映され、大絶賛を浴びた本作。いよいよ一般公開です。監督の九把刀(ギデンズ・コー)は台湾の人気作家で、自身の自伝的小説の映画化だ。自らの実体験によるものならば、監督は自分しかないと起ち上がった。それには条件がひとつ。チアイー役の女性は大好きな女優でなければいけない。何しろ大切な女性なんだから…。その光栄なリクエストに応えたのはミシェル・チェン。まさにテッパン癒し系の優しい笑顔は監督じゃなくてもファンになってしまうだろうし、そもそもクラスにこんな女子がいたら、と夢見る男子も多いに違いない。
主人公のコートンにはクー・チェンドン。実はもうひとり候補がいたというが、監督はチェンに恋愛をするならどちらを選ぶかと聞いて、チェンドンに決まったというラッキーボーイ。親しみやすいルックに加え、チェンとのやり取りが爽やかで本当に微笑ましい。
学生時代はとっくの昔に終わろうが何歳になろうが、青春映画は永遠なれ。いつ観ても甘酸っぱいような気持ちにさせ、心のずっと奥に閉まっていた何か大切なモノが蘇るよう。青春群像劇はどんな若返りのクスリより、一瞬で思春期のあの頃に戻してくれる特効薬。淀んだ心を清らかに浄化させ、強力なビタミン剤のような活力があるはず。けれど、昔を懐かしむことができるのは、もちろん、ちゃんと大人になっていないと効き目ナシ、なんであるよ。
《text:Masako》
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